【7月】二軍ロッテの選手運用

1. はじめに

初旬は中止が続いたが、その後の流れをまとめてみると、3つの期間に分けられると思う。

第1期 外野いない問題 (10～13日) 
藤原と福田秀の昇格、髙部と菅野の一時的な行方不明により、この4戦では西川と山本斗がフル出場することになり、さらにもう一人を(中)平沢で乗り切る日もあったほどだった。

第2期 一軍主力組の出場 増加 (20～25日)
一軍の試合がない為、野手では藤原・安田・岡・小川・和田・加藤が、投手では先発は美馬・鈴木・本前、河村、リリーフなら東妻が二軍戦に出場。国吉もこのタイミングでケガから復帰。

第3期 裏でエキシビションマッチ (28～31日)
上記の太線選手たちがエキシビジョン組に昇格。
代わってレアード・角中が合流。

今回はエキシビジョンでの起用も含めて強化選手と呼べるのが複数いた。その中でも本noteでは和田 安田 山口 小川 加藤の5人に注目。詳細は7.【おまけ2】にて。(藤原はもうすっかり主力だと思うので対象からは除外)

2. 今月のニュース

~野手編~
・和田・安田・藤原が一軍から合流。
・加藤も合流。スタメンマスク増える。
・井上がケガから復帰。
・山本斗・西川は月初は負荷高め。中盤からは少なめ。
・安田が試合途中からファーストも。

~投手編~
・ローテの中心は森・佐藤奨。ともに完封を記録。
・1ヵ月以上休養していた美馬が7月22日に二軍戦で復帰。
・東妻が一軍から合流。河村・鈴木・本前も先発調整。
・国吉が移籍後初登板 (7月24日)
・横山は7月24日に久々のロング (4月20日以来)

3. スタメン (守備位置別)

ここらへんは毎月の事なのでさらっと。

下記はポジション別起用選手一覧。
最も起用数の多い選手を赤字表記。

(1) ポジション別で...
捕：第2期(緑色)の6戦中4戦で加藤がスタメンマスク
一：ほぼ山口・井上で固定
二：実はここまでの通算数では西巻が29試合でダントツ
三：初めて小川・平沢・西巻がスタメン無しの月となった
遊：エチェバリアの調整を除き、小川・平沢・西巻運用が開幕から続いている。

(2) 選手別で...
山口：(一)以外は守っていない。
和田：(左)1試合、(中)2試合、(右)3試合
　　　後述するが(右)重視の印象を受ける。
井上：ケガから復帰。(一), (指)で8試合スタメン。

4. 打順

下記は打順別起用選手一覧。
最も起用数の多い選手を赤字表記。

1番
最も座ったのは和田。福田光が初めて起用されたのも特徴。
福田光に関しては当初4番固定で、以前それに関するnoteも書いたが、近頃は求められる役割が変わってきている印象。

4番
先月は山口で固定だったが、今月は一軍主力組調整の場として安田・レアード・岡も増えた。

5. 打席数ランキング

掲載はしたものの今月はあまり意味のない順位表かなと。
理由は、今月は3期に大別できるほど選手の入替えが激しく、低打席数の選手が乱立した為。
あえて述べるとすれば、和田が第2期(20～25日)の6試合出場のみでベスト10入りしたくらいには集中的に調整できたことか。

6. 【おまけ1】五輪期間の野手運用

一軍組が多く合流した第2期(20～25日)、エキシビジョンマッチが開始した第3期(27～31日)に分けて紹介。

(1) 第2期

酷暑もあって全体的に起用は分散され、2〜4試合の選手が大半を占める。
その中でも和田は唯一の全6試合出場。続いて山口・小川の5試合。
捕手も加藤の出番を増やし、佐藤都は控えめ。
藤原・安田は後半から合流し3試合スタメン。エキシビジョン前の調整と思われる。
第1期に全試合スタメンだった鳥谷・西川・山本斗は、第2期は0試合だった。

(2) 第3期

上表の灰色の選手らがエキシビ帯同となり、二軍のスタメンは白色の選手のみとなった。
逆に二軍帯同になったのはレアード・角中。一方で福田秀も合流かと思いきや出てこないので、何かあったのかもしれない。
捕手は佐藤都が3試合フルイニング出場。

7. 【おまけ2】和田 安田 山口 小川 加藤

というわけで本noteのメイン。二軍まとめnoteと言いながらも今回はエキシビジョンの内容に触れないわけにはいかないだろうと。とくにタイトルの5人を軸に言及するだけでも一軍後半戦の戦い方がなんとなく見えてくる気もしてくる。
以下ではその5人をそれぞれ、7月10日(7月二軍最初の試合日)～月末までの各種出場試合における打席数・守備履歴を中心に注目ポイントを振り返る。

和田 康士朗 ～二軍での短期集中的な打席経験～

エキシビに入り若手躍動の象徴になっている和田だが、その前週(20～25日)にはチームで唯一全試合スタメンとして出場し打席数も計25打席設けられた。(前半戦は一軍で通算14打席のみだったので、この多さはより際立つ)
https://www.nikkansports.com/baseball/news/202107280001337.html
> 調子が上がれば、マーティンがDHの時のライトも含めて、というのも考えているので。
井口監督からも、和田を鼓舞する発言あり。本人からしたら『ポストマーティンはお前やで』って言われているようなものであり、打力も期待されながら今まで打席機会が少なかった中でこれほど励みになる言葉ないはず。それも金子さんの記事を通してしれっと。ホントこういうとこ、井口監督上手いなと思うんですよね。
ちなみに守備位置についても、ライト起用が多かったことはこのポストマーティン構想と矛盾はない。

安田 尚憲 ～ファースト起用～

それまで一軍で起用の無かったファースト起用がピンク枠内の二軍戦で試されるようになる。その後翌週のエキシビでもその起用は複数の試合で見られた。
サードには藤岡もいる、ファーストのレアードに頼りきるのもリスクあり。という中での今後を見据えた対策の一つかと思われる。

山口 航輝 ～エキシビでいきなり外野～

エキシビ入るまで一切外野やってなかったのにいきなり。去年まで本職っちゃ本職だったわけはあるけど。
これも安田がファーストに来た流れで「山口にもサブポジを」ってことか。それでも二軍での準備期間を経ずエキシビでいきなり試してるあたり、マーティン再来日が遅れる可能性への対応かもとか。ということで変にリアリティを感じる起用なので、後半戦スタート時に山口がまだ二軍で4番打ってるイメージが、個人的には付きにくかったりもする。

小川 龍成 ～内野UT～

エキシビ前週から打席数を多く与えられた調整ができている小川。7月27日には非公式試合ながら開幕以来で中村奨吾以外に初めてセカンドを守る選手として小川が抜擢された。もともと守備力でプロ入りした経緯があるし二軍でもUTとしての起用が続けられていたが、奨吾のバックアップ要因として後半戦は一軍での立ち位置を掴める可能性もあるかもしれない。(ただし8月1日現在のエキシビでは小川より高濱の方がセカンドとしての起用機会は多くなってはいるが)
さらに可能性として、仮に岡の故障しており回復が長引いた場合それに代わる代走要因としても抜擢されるかもしれない。

加藤 匠馬 ～意外と打席数も多い～

加藤はエキシビ前の二軍6連戦でも4戦でスタメンだったことからそれなりに打席数も経験できたが、エキシビ突入後もスタメン機会がそれなりに確保されているどころか代打で起用したり指名打者に変更してでも打席を与えようという起用をされている。ただしこれは植田にも言えることだけどね。(植田はエキシビ開幕から8月1日現在まで6戦全てで試合途中からマスクを被っていたりもする)

以上5人のようにエキシビは、二軍での成果が発揮される場でもあり、逆に二軍でもやってなかったことをやらせる場でもあり、二軍での起用法をベースに考えるとなかなか面白いので残りの試合も注目したいです。

8. 先発投手

何度か前述した、いわゆる第2期(20～25日)に美馬・本前・鈴木・河村が登板。この4人は全員翌週にエキシビでも中6日で先発した。

以下は7月の先発投手の投球回数ランキング。

二軍ローテの中心はすっかり森・佐藤奨の育成コンビになっており、さすが2人とも完封するだけある。森に関してはもっと掘り下げても良いくらい素晴らしい成績なのだが、先月も取り上げたし、来月もどんな結果だろうが取り上げると思うのでこの辺で。

9. リリーフ

国吉が移籍後初登板。24日・28日に1イニングずつ、さらに8月1日にも1イニング投げられているし、150km/h台も安定して出ているので大きな問題はなさそう。

あとは小沼かな。3セーブあり(22,25,29日)、回跨ぎあり(13日)、連投あり(28,29日)
1年目にしてこの時期に安定感出せているのは、さすが独立リーグ出身者だなと。

10. おわりに

今回表紙にした和田は二軍戦の出場が今月6試合のみだった為、二軍運用まとめnoteの顔としては適切か最後まで悩んだ部分もあったのですが、『将来チームを背負う若手を五輪期間中に集中的に育成する』チーム方針の象徴と思い、採用するに至りました。

強化選手、という呼び方も私が勝手に言ってるだけですが、和田 安田 山口 小川 加藤。このあたりが2021年のロッテをリーグ優勝に導く秘蔵っ子になってくれればと思います。