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第5章 2022ロッテ投手陣を考える

1. はじめに

全6章中、本章がもっともボリュームが大きいです。
今回は第3章の続きで以下の表をさらにいじっていきます。今季をベースに来季を想定すると、今のままでは二軍リリーフが5人足りない。なので他の階層から誰を配置転換させようかという観点を中心に、勝手に人員配置していきます。

2022投手陣全体予想1
2022年ロッテ投手陣配置の勝手な予想 第1案

ただそれにあたって少し寄り道。まずは他の階層にどの程度余裕があるのかを改めて考えてみる。

2. 一軍先発

まずは今季143試合の内訳。

2021一軍先発
2021年一軍公式戦 全143試合 先発投手の内訳

今季の数値をベースに来季を考えてみる。表の右に付記した赤文字は今季と比べた展望です。
佐々木朗は今季より2倍投げると言っている。
・石川ロメロは今季よりは多く先発するだろう。
・一方で登板数が減ると思うのは美馬鈴木昭
美馬は今季劣化が見えてきたので、登板間隔をさらに空けた起用になる可能性。ただゲームメイキング能力が高く経験豊富なベテランなのでリリーフ転向は無いと思う。
鈴木昭は先発としての安定感に疑問があったので、来季は開幕からリリーフと考える。

しかしそれをカバーできるだけのプラス要素と思われるのが西野 種市の復帰森の支配下昇格。3人ともフルシーズン中6日とまでは言わないにしろ、一軍の先発枠に確実に競争力は与えてくれるはず。

以上より一軍先発陣は他の階層に比べてかなりの余裕がある方と見るべき。少なくとも1人はリリーフ転向可能。ひとまず本項はここら辺にして、次に進むことにします。

3. 一軍リリーフ

リリーフの場合は登板数より総イニング数かと思ったので、今季のその内訳をまとめました。

2021一軍リリーフ
2021年一軍リリーフ全投球回数の内訳

・主要の穴はハーマンの43.1イニング
・ただし国吉がフルシーズン投げれば回数は伸びそう。
鈴木昭もリリーフ固定になれば投球回は伸びる。
・そして何よりゲレーロを獲得。
・また本noteの最初に示した予想図の通り、今季9人⇒来季9人と人数に変更は無し。
ひとまずは二軍リリーフ配置にした廣畑 八木 土居 横山あたりも一軍での出番は少なからずあるはず。

よって一軍リリーフも十分運用は可能と見る。ただし数的には現状今季と同じ9人で余剰があるわけではなく、誰かを二軍に譲渡するにしてもさらに他から補填しないといけない。

4. 二軍先発

今季108試合の先発登板数の内訳

2021二軍先発
2021年二軍公式戦 全108試合 先発投手の内訳

退団組の分を合計すると計15試合。この数をどう見るかは難しいところだが、

森 佐藤奨 本前には飛躍を期待されるが、上述の通り一軍の先発陣に余裕があるとなれば、来季も登板は二軍中心になるはず。
西野 種市もシーズン序盤は二軍で慣らすだろう。(今季の佐々木朗のイメージ)
古谷 中森が本格的に始動する。先発なら年間でそれなりの登板数にはなる。
・一軍枠にも先発候補が多くいるので登録から漏れた一軍級選手たちが随時二軍で投げることにもなる。
・実際はリリーフがメインだが先発も兼務する投手が多いのも二軍の特徴。今季を見ても大嶺 アコスタ 石崎 山本貴あたりは第3章の配置図では二軍リリーフに置いたものの、実際は二軍先発も多くこなしていた。(筆者の配置図で二軍リリーフだけが他の階層に比べて突出して人数が多い理由はこれ)

以上より、二軍先発陣もそれほどの心配には及ばないと予想。大胆に3人譲渡して二軍先発の階層を5人と考えても別に問題なさそう。

5. 二軍リリーフ 

ということで、やはり二軍リリーフ以外は余裕がありそうで、各階層から数人ずつ二軍リリーフに来てもらう構想が立つ。
5人欲しい。そこでまず候補として挙げさせてもらうのは中村稔 土肥 古谷 田中靖の4人。

(1) 中村稔と土肥をロングリリーフに
これには2つ理由がある。
【理由1】 第1章から述べてきた、二軍は低年齢層の先発割合が多いチーム運用が理想というポリシーがベースにはある。二人とも25歳, 26歳とまだまだ若いが、いかんせんそれよりさらに下の世代でも可能性を感じる先発候補が今のロッテには多い。
【理由2】 回跨ぎできるロングリリーフが複数欲しい。これにもさらに理由は2つあって、1つは二軍で回跨ぎの帝王だったフローレスが抜けるのでその穴埋め。2つ目に来季は一軍で延長12回制が復活する可能性があるのでロングリリーフを多く準備しておきたいこと。ここで2人の今季の成績を紹介。

中村稔 2021年の実績(一軍 二軍別)
土肥 2021年の実績(二軍のみ)

中村稔は二軍では先発中心ながら一軍ではロングリリーフが主戦場。土肥は今季が故障明けの年だったので、前半戦はリリーフ中心だった。
以上より2人ともリリーフの経験は少なからずあり、チーム事情的にも貢献できる場所は先発経験を活かしたロングリリーフではないかと思う。中村稔と土肥については以上。

(2) 古谷もリリーフかも
前述の通り二軍先発陣からは3人抜くことも不可能ではないのでもう1人検討できる。その中でも古谷はどうか。今季はシーズン当初から実戦登板なし。終盤に復帰しフェニックスリーグにかけてリリーフとして投げた。
ここで12月19日放送の「石橋貴明のGATE7」に出演した井口監督のコメントを紹介。「古谷を来季はローテで回したい」とはしながら「今季はフォームを崩してコントロールがバラバラになったので今も修正しているところ」とも発言。ならば来季は先発として復帰するにしてもシーズンの後の方からで、シーズン全体でみれば来季の主な出番はリリーフではないかと予想。

(3) 田中靖に劣化傾向あり
まずは今季の一軍成績を紹介。

田中靖 2021年一軍での月別実績

火消し、準勝ちパ、ロングリリーフまで幅広く使い勝手の良いベテランだが、優勝がかかった終盤につれて徐々に劣化傾向が見られたのは否めない。ただそれでも一軍に残り続けたのは、頼れる代役が二軍にいなかったこともあり得る(これはオリックスとの明確な差でもあった)。今オフにそのリリーフ陣の人員整理は厳しく行った為、来季は田中靖にとっても今季以上に競争の環境になるはず。
またここ数年は田中靖に頼りきりだったがもう35歳。そろそろ田中靖に甘えない一軍ブルペン作りを目指しても良いと思う。
(ところが、前述の通り一軍リリーフからは譲渡できる余裕が無かったわけなので、ここにも1人補填しないといけなくなる。これについては後述します。)

さて、上記4人を候補としたがまだあと1人足りない。筆者としてはこれ以上根拠を持って挙げられる選手がいないので、推論を3つ出すことにする。
(4) 実は松永が来年めっちゃ投げれる
(5) 実は高卒新人トリオは1年目から投げる
(6) 実はフローレスは退団しない。もしくは似たタイプの新戦力を獲得する。

現状の支配下枠はまだ5枠以上空きがあるはずなので、(6)なら全然あるはず。

ということで、二軍リリーフの不足分5人は、中村稔 土肥 古谷 田中靖 新戦力とする。
さてここからは、今度は一軍リリーフが1人足らなくなる問題。前述の通り一軍先発は人数的に余裕があるのでそこから拝借したい。では誰か。筆者が考えるのは岩下のリリーフ化だと思う。

6. 岩下のリリーフ化あるか?

岩下のリリーフ適性
⇒その可能性を感じるのは、ここ2年連続でシーズン終盤はリリーフ転換されているという事実だけでも十分。直球の球威と落ちる球のキレで押せるスタイル、ランナーを出してからの集中力はポスト益田の可能性さえ感じる。

一軍リリーフ状況をシビアに考えると…
⇒国吉 佐々木千はともに2年連続で勝ちパターンになれた実績に乏しい。また序列的にその後続となる唐川田中靖にも陰りも見えるし故障がち、さらに続く東妻 小野 鈴木昭あたりも現状勝ちパを任せられるほどまでは。なので一軍リリーフ陣に起爆剤的な競争力は欲しく、その対策として廣畑 八木の加入も十分有効だが、さらにもう一手としてリリーフ経験のある岩下を拝借することは暴論ではないように思う。

メカニクス的に岩下のリリーフ適性に言及できる方を求む
⇒筆者の意見は采配、起用法、チーム事情に特化したまでのものであり、岩下個人の能力から見た視点でのアプローチには弱いと自覚してます。ですのでここを補完できるお仲間を募集しますという宣伝もちゃっかりさせていただきます。

7. おわりに

本章では来季の投手陣の配置を勝手に考えていきましたが、最終的にはこんな布陣になりました。

2022年ロッテ投手陣の配置予想(赤枠は本章にて再度配置検討した選手)

誤解を生みがちだと思うので繰返しにはなりますが、この一二軍配置は固定ではなく今季以上に随時入れ替わるはずだということは強調しておきたいです。そうなるような編成を今オフは仕掛けていると思うわけだし。
自分としては当てずっぽうではなく、データ、チーム事情、各種証言を根拠に考えたつもりではありますが結局は推論にすぎません。ただ来季のロッテを考える上での一参考になってくれればと思います。

投手編は以上。次回の最終章は2022野手編となりますが、本稿に比べれば考えることはあまりないのでだいぶあっさりしてると思います。

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