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2022年【6月】二軍ロッテまとめ

1.はじめに

6月の見出しとしては…
好材料は井上・藤岡・唐川の復帰。田村が6月30日に1イニングのみ捕手として復帰。オスナが加入。
逆に国吉は出場なし。
若手先発投手では、は帰ってきましたが古谷・中森は6月登板0、河村も6月2日を最後に登板なしです。

また、今回はいつもの内容にプラスしてミニコラム的に、
藤原の二軍での詳細成績
茶谷のこれまでの二軍起用
にも注目しました。

2.スタメン(守備位置別)

6月スタメン守備位置一覧

6月は中止が1試合もなく予定通り全20試合を消化。
スタメン一覧より、井上・藤岡が中旬から実戦復帰しています。

守備位置別スタメン選手表

井上はファーストメイン。4月にはこのポジションで多く出場していた村山が最近欠場していることも背景にはあるか。
外野は西川・藤原・山本斗の3人が中心。
UT的には平沢・茶谷が内野を、菅野が外野両翼とDHをこなし出場機会を多く得ている印象。

3.打順

スタメン打順一覧
打順別スタメン選手表

数的に目立つのは1番藤原 4番茶谷 5番菅野 といったところか。

以下は考察として…
上位打順の打者ほど一軍に近い
というのは経験則として存在します。
今回も1番藤原や4番茶谷が昇格を果たしたのは良い例と言える。
一方、一軍開幕ダッシュには成功した平沢 福田光は、最近では二軍の下位打順が多い。巻き返しを図りたい2人としては今は我慢の時期なのかもしれない。

平沢 福田光の6月打順

一方で池田は6月23日から上位打順に置かれるようになり、すぐさま1号、2号と好調ぶりをアピール。一軍再昇格はそんなに遠くないのかもしれない。

4.打席数ランキング

打席数ランキング

平沢がチーム内1位。前述の通り下位打順が多めではあったものの、UTプレーヤーとしてスタメン数を稼げていることが起因している(20試合中17試合)。ただし、打席数を争った2位藤原 3位茶谷が途中から一軍昇格したことも遠因にあり、一軍に呼ばれなかったから1位だったというネガティブ的な見方もできてしまうかもしれない。
また、故障していた菅野がすっかり万全となり4位タイにつけていることにも注目。外国人枠の関係でマーティンが抹消になることも今後考えられる為、そこに滑り込んで一軍再昇格になる可能性もありそう。

5.先発投手

先発投手一覧(2日、30日はロングリリーフも記載)

◎種市の中6日先発ペースが解禁。
河村が6月2日を最後に登板なし。
× 古谷・中森はまだ帰ってきません。

次に、先発起用限定 投球回数ランキング。

先発起用限定 投球回数ランキング

土肥が2ヶ月連続で1位。
本前の名前がもはや二軍では見かけられなくなったのも地味に特筆すべきところかも。

6.リリーフ(継投一覧表含む)

継投一覧

・6月12日にオスナが初登板。計3登板したのち一軍へ。
唐川が6月23日に今季初登板。
山本貴が最終回を担当することが多くなってきました。
・先発投手の緊急降板が3試合あったが(2日・28日・30日)、すべて成田がスクランブルリリーフ。
国吉は6月登板ゼロ。最後の登板は0.0回7失点した5月25日。
東妻は6月8日を最後に登板なし(コロナ)

次に、リリーフ起用限定 登板数ランキング。

リリーフ起用限定 登板数ランキング

・最終回起用の増えた山本貴が1位。
佐々木千も6月は1ヶ月を通してコンスタントに登板して2位。
土居が先発からリリーフに少しずつ戻ってきました。
・5月に実戦デビューしたルーキー秋山は6月は1登板のみ。

秋山のことは以下で少し詳しく…。

6月19日の秋山。チェンジアップで内川から奪三振。

秋山の6月の公式戦出場は6月19日の1登板のみ。ここで回跨ぎデビューチェンジアップも解禁しました。この日は千葉での有観客試合(柏の葉)だった為、むしろここに合わせて調整をしていたのかもしれない。
以降は登板がないので、計画的に一端実戦から切り離して再度身体づくりに移行しているのかもしれない。

7.藤原恭大

打撃不振で一軍登録抹消となった5月27日以降、二軍公式戦に全試合スタメン出場し、14試合を経て6月18日に再昇格となりました。
藤原の二軍での詳細な成績を紹介します。

藤原の打撃成績(二軍公式戦)

元々一軍で鋭い打球が打てなくなっての抹消だったので、二軍でも前半は苦しんでいる印象だったが、6月11日ごろを境に引っ張りの打球が増えてきました。一軍復帰後の打球も明らかに以前より鋭く、二軍での調整が有意義だったことが分かります。

力強い打球を打てるようになる為という目的の調整は昨年の5月にも共通して見られた事例です。(下記noteの5項参照)

当時は4番での起用が多かったですが、今回は1番がメインでした。おそらくこの調整の意味(力強い打球…)をすでに理解した今の藤原には、特別な打順(4番)に無理に座らせる必要もなく、単純に打席数を多く稼げる打順(1番)を与えたのかな。

6月13日には二軍で奮闘する藤原のコラム記事がニッカンから出ました。

【田村藤夫】ロッテ4年目・藤原恭大がさらにバッティングの質を上げる部分とは - 田村藤夫のファームリポート - 野球コラム : 日刊スポーツ (nikkansports.com)

こちらも要約すると「当てるバッティングしてないで力強いスイングをしろ」といった趣旨かと思われます。

本項では打球の方向(引っ張りが◎)に注目を置きましたが、今後バロメータを測る上では、むしろ方向関係なく鋭い弾道が出るかだと思います。残りシーズンで昨季のような成長曲線を見せられるか注目です。

8.茶谷健太

6月21日に2年ぶりの一軍昇格となりました。以降6月は全試合ショートでスタメン出場。立派な一軍の戦力となっています。

茶谷は昇格までイ・リーグで首位打者・打点王の2冠。以下表の通り、開幕当初は5番以降だった打順も6月には4番がメインとなり、チームからの打力の評価を順調に上げてこれたことが窺えます。

茶谷 二軍でのスタメン打順およびスタメン率

他にも、3月4月の時点でスタメン率が100%だったことも特筆すべきことなのだが、この話の流れで次は守備位置の話に移ります。

茶谷 二軍での出場ポジション

一軍での起用はショート固定なのだが、二軍では内外野をこなせるUTでした。高いスタメン率を残せたのもここに起因します。
興味深いのは昇格直前の6月はショートとしてのスタメン数が0試合だったこと。ただし途中出場として5試合ショートに入っていました。

今回茶谷がライバルたちを押さえて一軍ショートの切符を勝ち取った背景として、自分なりに思うことは以下の3つです。

(1) 現状の若手ショート陣の守備力が五十歩百歩である

茶谷のショート守備力も突出して高いわけではないが致命的に下手なわけでもない。また、とくに他に上手い若手がいるわけでもない。小川も前評判ほどの名手ぶりはまだ見せれていない。この五十歩百歩ぶりは走力にしてもそう。こうなるとチーム内で甲乙つけるポイントは打力になる。二軍で2冠だった茶谷に白羽の矢が立ったのは十分な理由になり得る。

(2) エチェと藤岡の穴埋めとして早い段階からロックオンされていた

最近の一軍状況を推察も含めて整理すると、

オスナが昇格準備が整った
→外国人枠的にエチェバリアを抹消せざるを得ない
→でも藤岡がまだ間に合わない
→そんな背景の中で茶谷が昇格。以降ショート固定起用。

上記の入替わりは6月20日~21日に起きたわけだが、チームからすればオスナの実働開始のタイミングも、藤岡の復帰時期もある程度前々から首脳陣は読めてそうなもの。言い換えれば、6月下旬頃にエチェバリアも藤岡も一軍にいなくなることがわりと早い段階から想定されていたと推察します。そしてその代役として、上記(1)を理由に早い段階から打力型の茶谷にロックオンしていたのではないだろうか。
6月8日以降二軍でほぼ4番固定だったのは一軍昇格に備えた打撃面での最終調整という意図、さらに一見不自然に見える6月のショートスタメン0試合はバッティングに集中させることが狙いだったのでは。ただしショートへの途中交代も多く行われていたので、守備面での準備も試合終盤でぬかりなく行われていた。
…という解釈はいかがでしょうか。

(3) 打力型UTプレーヤーだからこそ回ってきたチャンス

プロチームである以上、若手やプロスペクトの野手には育成目的で固定のポジションが与えられやすく、逆に中堅以上になってくると幅広い起用法が与えられる。これはチームとして長丁場のシーズンを成立させる為に必要な手段であり、ロッテに限らずどのチームにも共通する。
茶谷は今シーズン当初からUTプレーヤーとして扱われていた。だからこそ今回チャンスをつかんだのはたまたまショートだったという言い方もできるかもしれない。打力という長所がベースとしてあれば、出場機会の網目を広く持っておくことで活躍の機会は得やすくなる。一軍昇格が長らく見えなくても腐らず頑張ってきた茶谷の大きな成果と言える。
そしてこれは、例えば平沢に対しても大きな参考となると思ったりもする。

8.終わりに

そろそろ岩下が来るはずです。術後完治予定の3ヶ月は先日過ぎましたので、そろそろのはずです。

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