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第1章 2021年 二軍ロッテ投手運用
1. はじめに
今年は毎月二軍運用をまとめてきましたが、本当にやりたかったのはシーズン全体の振り返り。そもそも二軍に注目しようと思ったきっかけはチームがどんな将来設計をしているのかを考察する為なので、来季の起用法予想まで展開したいです。長くなるので6本立ての予定。
第1章 2021年 二軍投手運用(本稿)
第2章 2021年 二軍野手運用
第3章 2021年 投手人員編成
第4章 2021年 野手人員編成
第5章 2022年 投手陣 展望
第6章 2022年 野手陣 展望
なお、章ごとに順を追って話をするので、第1,2章では今季の運用の反省に留め、既出の戦力外や補強情報はひとまず知らないものとして話を進めます。
さて、まずは導入としてベストナインと冠し、二軍ロッテ各ポジションの最多スタメン選手の一覧から。
こちらを見るだけでも、健全な面、そうとは言いにくい面いろいろ想像できるかと。
では以下注記2つを前置きした上で本編へ。
【注1】これまでのnoteと違わず、筆者は打率や防御率といった個人成績は注視せず、ほぼ出場数・起用法への言及に特化しています。またチーム運営の健全さを測る為、年齢構成についても多く触れていきます。
【注2】見込みのある選手・ない選手、筆者の中ではある程度線引きがあって考察をしています。はっきりとした物言いは極力避けるものの、どうしても透けて見えてしまう部分は出てくるはずなので、不快な思いをされる方は絶対出てきてしまうことを先に断っておきます。
2. 先発投手
以下は先発して投げた総イニング数のランキング。
上位の3人(森・佐藤奨・本前)がそれ以下と差を付ける結果。以下は、この3人の月別先発登板数の一覧表。
本前は所々で一軍昇格していることも影響して波があるものの、3人とも目立った休みもフルシーズン先発ローテを守った。
次にお見せするのは全先発投手を『横軸:年齢』『縦軸:先発としての総イニング数』でプロットしたものです。
グラフの見方として、右肩下がりの傾向ほど健全なチーム運営ができていると思ってください。なのでとても理想的な運用だと考えます。
〜来季に向けて〜
一軍先発陣に大きな変動も無さそうなので、森 佐藤奨 本前の3人は一軍戦力化が急務とは考えにくく、来季も二軍出場を軸としながら谷間での一軍昇格の機会を窺うことになると予想される。
以上も踏まえて編成ポイントと展望
編成⇒
抜本的な人員整理は必要なし
来季⇒
森 佐藤奨 本前は来季も二軍登板が軸か
種市 西野がTJから復帰予定
古谷 中森の台頭で、さらに理想的なグラフになるかも
3. リリーフ
ここでのリリーフとは『先発以外での登板すべて』を指します。下の表はリリーフ登板数ランキング
1位は東條。昨年までは一軍戦力だったのが今季は二軍メイン。以下、成田〜南までがシーズン30登板以上。
次に年齢を絡めた話。全投手の『年齢』と『リリーフ登板数』の関係
先発投手陣に見られたような右肩下がりの傾向は見られない。逆に赤い点線で囲んだ部分すなわち登板数の多いベテラン陣が多く存在する為、組織構成上あまり宜しくないと言えるかも。
〜来季に向けて〜
ここで一軍の話を。パ6球団でリリーフ登板した投手の総人数。
ロッテはパで最少。それだけ活かしきれていない戦力が多いということになる(※)。来季に向けての改善点の1つと言えそう。ましてやロッテは先発平均投球回がリーグ5位、回跨ぎリリーフも特定の投手にしかさせない運用なのにリリーフを19人のみでシーズンを回した為、一二軍の格差は感じた。
※余談。この内情にもう少し踏み込むと、リリーフ人数の差は実質どれだけ多くの1.5軍組にビハインドリリーフを任せたかに出るのだが、ロッテの場合は小野郁が集中起用された側面は大きいと思われる。小野の登板数49はリーグ全体でも14位と高く、勝ちパターンではないリリーフがこの順位にランクインするのは異例な方。将来を見込んだ投資的運用とも思える。
先ほどのグラフで示した、赤枠内を中心としたベテラン陣にとって一軍が遠かったのは、本人たちの実力云々だけでなくこうしたチーム方針も遠因にあるかもしれない。
ということで編成ポイントと展望
編成⇒
一軍戦力化できなかったベテランリリーバーの人員整理
来季⇒
今季は一二軍の差別化が目立った為、競争力のある体制化なるか。
4. 一二軍全投手の構成
今シーズンのロッテ全投手を『横軸:年齢』『縦軸:立ち位置』で配置するとこんな感じになります。
注1:縦軸の各選手配置は一部、完全主観を含みます
注2:途中退団した選手もひとまずは一様に配置
・左上部分(ベテランの一軍戦力)が多いので、将来の入替りを考えた育成運用を継続する必要がある。ただしたちまち来年ヤバいというほどでもないので、来季も二軍では腰を据えた育成がある程度はできそう。
・真ん中下付近(一軍戦力化できていない中堅組)が多いので、テコ入れの対象となり得る。
・脂の乗った25歳付近の選手が多く、今後も競争力を活発化させたい。
5. まとめ
(1) 先発投手は森 佐藤奨 本前ら若手の年間ローテ固定が成功し、健全な運用ができた。
(2) リリーフは勝ちパターンを若手中心で組めた反面、一軍戦力となれなかった中堅〜ベテラン組も複数抱えた為、人員整理の対象となりそう。
(3) 現状の一軍投手陣は割合安定しているので、来年の二軍も育成重視の投手運用がある程度はできそう。
以上、二軍運用を中心に考えて見える、ロッテ投手陣の現状でした。
第2章もこんな感じで野手陣を考察します。
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