ヒステリックな絵の具

今まで、下手の横好きなりに撮りためてきた写真でフォトアルバムをつくろうと思い立った。手ごろな印刷用紙を持っていないので、仕事帰りに文房具屋で印刷用紙を買ったのだけれど、ふと、絵の具が目に留まった。もうずいぶん、絵なんて、ましてや絵の具でなんて描いてないなあ。絵の具、もう、捨ててしまった。風景でも、人物でも、ずいぶん絵を描いていない。好きだったのにな。絵を習いに行っていた時期もあったぐらいには、絵が好きだった。

小学生の時、絵の具はよく黒と白がなくなった。なくなると、チューブを買い足していたけど、もともと持っている絵の具(学校で鞄や絵筆とセットで買わされる12色セットのもの)と同じメーカーでないと、12色を収める箱で白でも黒でも違うメーカーだけが目立ってしまう。私はそれがとっても嫌だったから、黒がない、とか言って、母が違うメーカーを買ってきたときはすごくヒステリーになって泣いていた。とんでもないガキだ。しかし一番気が狂ったように泣いたのはビリジアンが無くなったときで(そもそも「ビリジアン」という名前がとても嫌いだった)、母がぺんてるの銀色のアルミチューブに入ったビリジアン(「ふかみどり」だったかもしれない)を買ってきたときは怒り狂った。デフォルトの絵の具はプラスチックチューブだったから。結局、12色セットの絵の具はビリジアンだけでなく他の色も無くなったから、まるごとぺんてるのアルミチューブ絵の具に買い換えたような気がする。どうだったろう。私はずいぶん、小さい頃から神経質だったんだなあと思う。

今でも、下着はブラとショーツがお揃いでないとむかむかする。アルミチューブとプラスチックチューブぐらいの差異は、もう、認める。