好きは涙の味がする

昔もらった手紙を読みかえしていると、いつもそうだけど、みんなのことが大好きになる。今より、ずっと、好きになる。大切で大好きで本当に愛おしくて泣きたくなる。小さな頃、母親に絵本を読んでもらっている気持ちになる。どうしてだかよくわからない。色んな人のぶきっちょな文字が躍る手紙を見るたびに、ほっとする。手紙をやりするぐらいの距離感と、やりとりができるぐらいの関係性に慰められている。手紙が好きなことはこれからきっと色んなところで何度でも言うし、そのたびに何度でもみんなのことが好きになるよ。

今はもう手紙をくれない人。書かない人。そういう人のこと、私は、今も、大好きだよ。泣きたいぐらいに、好きだよ。

好きなものの話をすると、咽喉の奥がきゅっとして泣くときと同じ匂いがする。あっと驚くほどの感情の波が咽喉を塞いでしまうんだろう。好きなものの話をして涙を流したらきっと気持ちがよい。そんな気がする。