きれいじゃないもの

ずっときれいになりたいと思っていた。今もそう思っている。だけど、そう思いすぎてきれいってものがなにかがよくわからなくなってきた。でも、きれいになりたいと思っていたの。わたしはね、ほんとうに。
色んなものが偽物に見えて、きれいなはずなのにきれいに見えないし、味がしないし、動かない。なんでなのかはやっぱりわからない。わたしが、どこか、間違えたのだろうか?

まっすぐに道を歩むことができていると思っていた。好きなものを拾って。だけど、まっすぐに進むには、たぶん、人がまっすぐだと思う道を進むには、好きなものを拾っていては進めないのだと思う。それに、まっすぐに進むには元気がいる。今のわたしには元気が足りない。進みたくない。でも、好きなものを拾う道は楽しいけれど、すごく、曲がりくねってぐるぐる回って、いつか行き止まりになるような気がして、私はじっと立ち尽くしている。
まだ戻れる、のだ。どっちに、と、思うと、どっちにも。まっすぐでも、ぐるぐるでも、いい。問題なのは、自分でそれをどっちに行くか決められないこと、よりも、そもそも、こんなことを考えていることだ。

きれいになる、には、きれいじゃないものを排除する、のではなくて、きれいじゃないものもきれいだと思い込む、か、きれいじゃないものこそきれいだと思い込むしかない。のかもしれない。
でもやっぱり、きれいなものがほしいの。