半永久的に続くこと

声を大にして言うことでもないが、私は口が悪いしそもそも性格が悪い。でも、人の前ではいい顔をして性格の悪さを隠せていると思っているところが、たちが悪いと、我ながら思う。思いながらも、直せないのでより、悪い。偽るなら完璧に偽れ、と、人に思う割に、自らがそれができないので、良い人ぶって繕う人のほころびが、私に向けられても、私は文句を言えない。が、文句を言うので、やっぱり性格が悪いと思う。

職場の飲み会の帰り、駅までみんなでづらづら歩いた。おじさん六人と、女子は私と私の同期の二人だった。縦にのびた隊列の真ん中で、同期はおじさん一人に話しかけられており、私はその二人の後ろをしんみり歩いていた。同期は可愛くて、不器用で、気遣いは下手だけど一生懸命さがある。おじさんたちは同期が大好きだ。後ろにもおじさんたちがいたが、どこにも入りづらくて私は一人、みんなに挟まれるようにして歩いていた。早い時間、すれ違う人も多くてたまに目が合う。空高く伸びたビルには居酒屋や下世話なマッサージ屋がつまっていて、ネオンが眩しい。星がひとつぶだけ見えた。なんとなく、独りである、ということの平然さを思った。もうずっと、私は独りだったんだろう。性格の悪さのせいか、見せかけの気遣いのせいか、よくわからないけれど、わからないから私は平然と独りでいるのだろう。愛されているのは同期で、私はそのお相伴に過ぎない。もちろん、おじさんはちゃんと私にも話しかけてくれる。引き立て役だからといって、僻んだりはしないし同期のことは好きだ。だからたぶん、この世界にとって私が独りであることはどうでもいいことだ。

だから私は独りを甘んじて受け入れよう。何者にも選ばれない、ということは、さして特別なことではないのだろう。誰かに特別に愛されなくたって、選ばれなくたって、寂しさはきっと一過性のもので、だって、生きていけるもの。身が縮むような寒さも、ずっと私を打ちのめすばかりではない。だってそうやって、生きていくもの。愛される日が来なくたっていい。