女性のお仕事

化粧品を買いに行こうと車を走らせたら、お店の前でものすごい渋滞に巻き込まれてしまった。出鼻をくじかれた。そうして、違うお店に行って化粧品を見ていたら、美容部員のお姉さんがやってきて「こんにちは」という挨拶もそこそこにセールストークを始めた。私にも心づもりというか心構えというものがあり、今日はセールストークに付き合う気がなかったので、とても居心地が悪かった。自分も接客業をしていたことがあるから、申し訳ないと思いながらもちょっとつんけんしてみても、お姉さんは私の傍を離れない。聞いていないふりをしても(「ふり」だとばれちゃうのか)、ずっと話している。私が店員だったら諦めて「何かあったらお声かけください」と言って去るところなのに、お姉さんはずぶとかった。

怒られちゃうかもしれないが、客の需要を見定めていないうちのセールストークっていうのはけっこうどうでもいい。化粧品やアパレルなんかは、代表的なトーク商法だろうけど、こっちが聞いたことや悩んでいることに簡潔に答え給え、という気分になる。

でも、一番がっかりだったのは、そのお姉さんのお肌がとても汚かったことだ。美容部員だったら、もう少し丁寧にお化粧をしてほしい。お肌には気を遣ってほしい。もちろん生まれつきとかなんか色々、本人じゃあどうしようもないことだってたくさんあるし、そういうことも、加味した上で、化粧部員がグロスの一本も塗っていないのはちょっとダメだよ。お仕事お疲れ様ですが、綺麗にするのはあなたの、お仕事です。

出鼻をくじかれた所為だ、と母と二人で憤慨しながら、結局帰り道にあるドラッグストアでプチプラの化粧品をいくつか買った。田舎者の私にはこれぐらいで十分だ。