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【イタリア滞在記Ⅳ】⑧2024月1月第3週~2月第3週

Malum est consilium, quod mutari non potest.
「当初の計画通りになったことなんて、一度もない。僕は策士だから」


2024年1月

17日(水)【僕の新しい恋人】

1/14(日)。アンドレアと二人で夕飯の買い物に。近所のスーパーマーケットへ車で出かけた。

カルネヴァーレはもう少し先だが、カスタニョーレが売られていた。

一個だけなら今すぐに食べてもいいと言われたので、車の中でさっそく開封する。
やつが運転している隙に、夜陰に乗じて全部食ったら、「油と砂糖まみれのものをあんなに食べたら体に悪いだろ! しかも夕食前なのに!」と、すげぇ怒られた。

帰宅後40分ほどで夕飯。

プリーモのペペロンチーノ。口内が焼けただれるのではないかと思うくらい辛かった。甘いもののあとに辛いものを食べれば中和されると、うちの36歳児は思っているのだろう。

その翌日、1/15(月)。昼食後のドルチェに、アンドレアがカスタニョーレを作ってくれた。

あんまり油っぽくないし、甘くない。油っぽくて甘いから美味いのに…

その後、アンドレアは仕事に出かけ、やつが帰ってきてから近所の unieuro へ車で出かけた。店内で2時間近く検討した末に...

Z Fold3 と迷ったけれど、S23 Ultra を選んだ。


È il non plus ultra
della figata, S
23 Ultra!

T. V. T. T.
bene ed I ♡ U!

新しい
僕の恋人
愛してる

魅惑の極み
ガチで大好き

作/訳: ローリス M.
初句と3句で、同じ単語ではあるけれども韻を踏み、2句・4句・5句末にS・T・Uと、アルファベット順に並べ、「S23 Ultra が一番!」ということを表現した名作。しかも日本語訳がちゃんと5・7・5・7・7になっている。まぁ、そんなことより、新しいスマホ持つの1年半ぶり…


Tanka S23

Ti è arrivato
Lo sognavo la notte
Ma l'hai pesato??

Siiii, è come un macigno
Mi è costato un assegno!


短歌 S23

ついに君の元へ
夜、夢に見ていた
ところで重さを量ってみた??

そう! まるで岩みたい
すごく(値段が)高かった!

作: アンドレア M.
訳: ローリス M.
「S23」じゃなくて「S23 Ultra」な!

ところで、unieuroに入る際、店の向かいに路駐して入店したのだが、スマホとスマートウォッチを購入し、車に戻ると...

罰金。違反コード 「18」
5日以内に払うと30%引きで29ユーロ40セント…  スマートウォッチより罰金のほうがたけ

家に着くと、僕は落ち込むアンドレアに、スマホのケースと保護フィルムをアマゾンで注文させた。

1/16(火)は、丸一日スマホの設定に費やした。
1/17(水)、午前中にアンドレアの仕事を手伝い、昼食は食堂で。

記念すべき、S23 Ultraによる第一枚目の写真を撮影した。

240117

25日(木)【ヨーグルトは体にいい】

1/18(木) 朝、バールで朝食をとり、その後、市場で買い物をした。

朝食はピザ
フォルリンポーポリの市場。城のそばには撤去されたスケートリンクの残骸が…
市場では野菜のほかにチーズやサラミを購入した。

そして、夜。映画と食事に出かけた。
『ザ・ビーキーパー』を見たあと、レストランへ。

前菜「エビのカクテル」と一緒に食べたピザ
プリーモの「トマトソースとバジルのスパゲッティ」が足りなかったので、アンドレアとシェアしたピザ。僕もあいつも写真を撮らずに食い始めた。

1/19(金) アンドレアの仕事の手伝いで、一日中忙しかった。

1/20(土) バールでの朝食時、新聞の誤植を見つけた。

紙面を写真に撮ってブログに載せるのは著作権の侵害? そういうことは冠詞をまともに使えるようになってから言うんだな

1/21(日) アンドレアと派手にケンカをし、自室のドアとドア枠を壊して、すげぇ怒られた。

でも、夕食のデザートに、小さな梨を砂糖と葉っぱとワインで煮たやつを作ってくれた。
見た目は微妙だけど美味かった。

1/22(月) この日もアンドレアの仕事の手伝いで忙しかった。でも、昼飯に食べたオレッキエッテと、鯛にパン粉をかけて焼いたやつ(?)が美味かった。

トマトソースのオレッキエッテ
鯛にパン粉をかけて焼いたやつと付け合わせ

1/23(火) アンドレア、カルロ、僕の3人でサンマリノへ遠足に出かけた。

最も標高の高い駐車場に車を停め、城を目指す。
空・(見えにくいけれど)海・地面
Passo delle Streghe
城かっこいい!

1/24(水) 『エミリア街道中歌合』のため、アンドレアと二人でボローニャへ。帰りに Gelato Museum Carpigiani を訪れた。

ツアーガイド(長身で細身の美女だった)と共に博物館内を回り、ジェラートの歴史など色々なことを説明してもらったが、最も印象に残ったのは次の2つ。
1.gelato と sorbetto の違いは材料のみにより、作り方は同じ。ミルクでできているものを gelato、水でできているものを sorbettoと呼ぶ。
2.ジェラートは2種類に大別される。主な材料がミルク、生クリーム、砂糖のものを base bianca、先の材料に卵が加えられたものを base gialla という。

テイスティングでは、これらの食感の違いを学んだ。

Sorbetto の仲間たち
レモン(左)、イチゴ(右)
Base bianca の仲間たち
上段:ヘーゼルナッツ(左)、ピスタチオ(右)
下段:ヨーグルト・ハチミツ・クルミを混ぜたやつ(左)、ストラッチャテッラ(中央)、コーヒー(右)
「ヨーグルト・ハチミツ・クルミを混ぜたやつ」最高。
Base gialla の仲間たち
上段:アマレット(左)、クリーム(右)
下段:チョコレート(左)、ヌテッラ(右)
「ヌテッラ」半端ねぇ。ヌテッラ本体(?)より美味い。


Yogurt fa bene,
anche noce e miele.
Nutella invece

forse no, ma lo stesso…
anche se un po’ m’ingrasso…

ヨーグルトは体にいい。
クルミとハチミツも。
一方、ヌテッラは

多分そうじゃない。でも、まぁいいや...
ちょっとくらい太っても...

作/訳: ローリス M.


Tanka gelato🍦

Ohhh quanti gusti
Fanno anche la scuola
Tu che mi frusti

Il più buono è nocciola
Metterò museruola

短歌 ジェラート🍦

ぉおお... たくさんのフレーバー
ジェラート作りも教えてる
俺を鞭で打つ君

一番美味いのは「ヘーゼルナッツ」
口枷を着けよう

作: アンドレア M.
訳: ローリス M.
"Tu che mi frusti" って… 「そんなに食ったらまた太るから、僕が代わりにお前の分も食べてやる」って優しく言っただけなのに…

テイスティングを終えると、
「特に気に入ったものがあればもっとお持ちしましょうか?」と、ツアーガイドに言われたので、
「じゃぁヌテッラとヨーグルトとピスタチオとストラッチャテッラとクリームとチョコレートとヘーゼルナッツお願いします」と言い切らないうちに、アンドレアに後頭部をはたかれ、
「もう結構です。ありがとう」と言葉を被せられた。

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2024年🌕初満月

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制服に身を包み、ピストルを携帯したまま食事を楽しむ警察官の二人。左は女の子、右は男。僕が高校生の時にもクラスにいた。制服デートするやつ。

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2024年2月

4日(日)【今回の滞在のまとめ】

1/28(日)には、地元の食料品見本市、

アンドレアは立ち寄ったすべてのスタンドで試食をした。

1/31(水)には、サンマリノ神社、

アンドレアが購入した3本のワインのうち、この2本はサンマリノ神社を意識したラベルが貼られていた。

2/1(木)には、イーモラ、

イーモラの図書館で借りた本

そして、2/3(土)には、ボローニャを訪れた。

さすが州都。顔にモザイクを入れるのが面倒だから写真は載せないが、人混みが半端なかった。

イタリア滞在期間はまだ2週間ちょっと残っているけれど、来週からは忙しくなるだろうから、今のうちに今回の滞在のまとめをしておこうと思う。

滞在後半、アンドレアの仕事が忙しくなった。(僕も一生懸命手伝った。留守番も真面目にした)
そのため、今回、エミリア街道を辿ることができたのはボローニャまで。(次回はボローニャの残りとモデナから。今度こちらに来るのは今年9月の予定だから、寒くなる前にピアチェンツァに着きたい。冬に北イタリアで遠足をするのはガチでキツい...)
また、滞在前半で二人揃って体調を崩したこともあり、他の遠出もあまりできなかった。

バカンスという観点からは少し物足りなかったものの、「今後 note をどう続けていくか」を考える上ではいい経験になった。
先のことはどうなるかわからないけれど、次回は就労ビザを取って長期滞在する予定で、noteを始めてから今に至るまでのように、バカンスの日々を送るわけではない。以前、就学ビザを取り、1年3か月こちらにいたことがあるが、今回の滞在はそのときの様相に近かった。普通に滞在すると、やはりこのような感じになるのだろう。

そこで、今回学んだことが、3つ。

1.追記形式は、日記を頻繁に書くときには便利だが、たまに更新する場合には向かない。←「コメントに返信したいけど、日記を更新していないからスキも押せないしコメントもできない」がすげぇフラストレーションだった。

2.日記に詩歌を載せることを必須とするのはやめるべき。←「歌は詠んだけれど、日記を書く時間がない」、「日記は書きたいけど、歌を詠んでいないから書けない」が...以下同文。

3.思い出のアルバムは、日々の何気ない記録を取るのにすげぇ便利。次回は一週間分を一つの画像にまとめるのではなく、追記形式で一日一枚を記事に直貼りして、キャプションに一文添えるようにしたい。

上記を踏まえて、年末に書いた『2024年の展望』をこっそり修正しておこうっと...

ところで、来週の予定がまた少し変更になり、南イタリアへは水曜日の午後に発つはずだったが、火曜日の早朝に出発することになった。
明日は荷造りやドン・アンジェロを含む関係各所への賄賂...じゃなかった、お土産の準備などに追われるだろう。
でも、その前に、今日は地元で守護聖人の祭りがある。露店で何を食べようかなぁ?

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18日(日)【あとがき兼まえがき】

イタリア滞在中、最後の日曜日。来週の半ばには日本へ帰国する。
今回の「イタリア滞在記」は『十三夜日記』という名前にして、過去イチの完成度を目指すつもりだったが、過去イチぐだぐだになった。(それにもかかわらず、今回も共に滞在してくださったあなた、本当にありがとうございました!)

...でもまぁ今更どうしようもないし、別にいいや。
だけど、『十三夜日記』というタイトルは気に入っているし、今までのようなバカンス中心かつほぼ毎日更新の「イタリア滞在記」を書くことは、もうないだろうから、このマガジンに日記を不定期に追加していくことにする。

気に入った小説を読み終えるとき、僕は寂しさを感じる。だらだらと無駄に続くことが作品としての完成度を下げることがわかっていても、だ。
それは書くときも同じで、書き上げた達成感よりも、えも言われぬ寂寥感が先に立つ。

というわけで、このマガジンは最初からぐだぐだなわけだし。
誰かに「ローリスの日記はここで終わっている」という最後の一文を追記されることになるかもしれないけれど、終わらない物語のはじまり、はじまり。

240218