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幽夏レイの夏

幽夏レイを知ってまだ数ヶ月だけれど、彼女の歌の作品性には驚かされる。
彼女の歌を聞いた第一印象はとても聞きやすい、というものだった。

1.作品としての歌

録音された歌を聞く時に問題になるのが、送受間におけるテンション差だ。
こちらのテンションは上下するのに、作品としての歌は常に一定になる。
だからどんな好きな歌でも、時折耳障りに聞こえる事すらあるわけだ。
となると、作品としての歌はニュートラルであるのが聞きやすいわけだが、ただ平板な歌というのは聴き応えがない。
その点で言えば幽夏レイの作品はいずれも過ぎないテンションながら、
しっかりと起伏を感じられその世界観に引き込まれる。
それはクリアーな声質やミックスのおかげもあるがそれだけではない
のは彼女の投稿を通して聞くと理解できるだろう。

2.幽夏レイの作品を聴いてみよう

全部オススメだけど、とりあえず強い印象の作品を紹介させてほしい。

右にマガールのようなスタートからアップしていくタイプの曲でも
荒っぽくならず、綺麗に幽夏レイのイメージに収めていく。
リアリティのいつもの格好のせいか(よくセーラー服を着ている)、
あの格好でノシノシと学校の廊下を闊歩する幽夏レイをつい想像してしまう
ような勢いを感じる。のに、強すぎない発声と滑らかなリズムが心踊る。


それに対して、メロディアスな曲調にしっかりと声がのっている離想郷は
旋律と声のハーモニーが実に美しい。
少し抑えめのテンションはそれ故にもっと聞きたい
という欲求が湧いてくるようだ。
クリアーな響きの高音とよく通る低音を聞いていると
夜の浜辺のような広がりや、夏の予熱と涼しさを感じてしまう。


エンゼルフィッシュは実にキレのあるクールな仕上がりだ。
たった一匹水槽にちょっとすました感じで泳ぐ魚。そんな魚が描く鋭い奇跡のようなスマートさがかっこいい作品だ。
これが一作目というのだからその完成度の高さに驚いてしまう。

3.幽夏レイという作品

幽夏レイの作品を聞くとその完成度の高さと
彼女の自己イメージとプロデュースの旨さに驚く。
声や歌だけではなく、MVのイラストやロゴすらも実に幽夏レイっぽい。
そういえば、私が彼女の歌を最初に聴いた時の印象は
「夏の日の日陰で飲むサイダーのよう」だった。
そして配信で聴いたのだが、幽夏レイ自身が自己演出する上で
イメージしているのは「夏の日のかすかな思い出」だという。
それぞれの複雑な要素が統一的にまとまって一つのイメージとして帰結する事もまれだけど、そのイメージが一致するもっとまれなる事だろう。
幽夏レイが確固たるイメージを与える事ができるのは自分自身という作品と向き合いそれを通して歌うという事を客観的にみれているからだろうか。
であるならば、それは実にVTらしい活動であると言える。

4.幽夏レイは毎日配信をしている

それでいて幽夏レイはリアリティで毎日配信し、歌を歌い大暴れしている。
それは上記の作品のイメージとそぐわないだろうか、
と言われるとそんなこともない気がするわけで。
そう感じさせるのも幽夏レイの戦略だろうか。
いやそんなことは絶対ないと思うが。あれは素だ。
この夏リアリティ以外でも配信を開始したり、
新曲を発表したりと自称「幽夏レイの夏」はまもなく始まる。
さしあたり新オリ曲の「ファジーブルーの僕らは」は
どんな作品に仕上がっているのか実に楽しみだ。
下記からアクセスしてぜひ聴いてほしい。
とても素晴らしい作品だろうから。

幽夏レイYou Tubeチャンネル


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