打線のデザイン学 その1

野球というスポーツは、
単に打って走って投げて守って
そして相手より一点でも多く点を入れるゲーム。
当たり前のことですが、
9人いてそれぞれに役割というか、
その兼ね合い、その妙が面白いスポーツでもある
というのが、自分の視点です。

ここでは打順というものを、
一つの点を取るためのデザインとして考えてみたいと思います。
よって打線のみに限定いたしましょう。

まずは一番。
プレイボールがかかって、まず、誰より先に攻撃を仕掛けるバッター。
当然、打って塁に出ることが使命ですが、
そこで求められることは、別にヒットじゃなくてもいい、
ということですね。
ボテボテの内野安打でもいいし、ファーボールでも、相手のエラーでも、
とにかく一塁に出ることが要求され、
そこで必要なのは、なんと言っても足の速さですね。

タイガースでいえば、2003年優勝メンバーの赤星。
何度も盗塁王をとった韋駄天で、まさに一番にうってつけの打者。
ここでは、長打は不要だし、とにかく盗塁ができる足の速い
できれば左打者がいいとされます。
つまり、一塁に一歩近い打者、という意味ですが。

ちなみに、1985年の優勝時は真弓という
スラッガーが一番を打ってましたが、
こういう一発も期待できる一番打者も魅力があります。
つまり、一球で一点。
立ち上がり、相手投手の不安の隙をついて
ガツンと先制パンチ。
攻撃的な打線にはうってつけですが、
自分の好みで言うと、あくまでも一番打者は
足が速い打者。
それでいて、四球が取れる、つまりは
相手ピッチャーに一球でも多く投げさせる粘れる一番打者が理想ですね。

その意味で赤星という選手は理想的な一番バッターでした。
長いプロ野球の歴史を紐解けば、阪急の黄金時代に君臨した福本、
あるいはV9戦士の柴田などがいますね。
今、12球団見渡して、残念ながら理想的ないちばんバッターが思い浮かばないのですが
タイガースの近本選手には、ぜひ、球界を代表するトップバッターになって欲しい。


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