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ザワザワするのは、自分が「だめだと思っていること」を相手がやっているから。
出産後販売員に戻った私が、自店の新入荷の商品を見て言った言葉。
「ママ狙いなんでしょ?チュールとか使ってバカじゃないの?」
ブランドの方向性が「働くお母さん向け」にシフトしている段階で、
それまでとデザインの雰囲気ががらっと変わっていっている、「現在進行形」な状態でした。
展開している商品の中に、ニットのワンピースにチュールスカートがセットになっていて、
重ねて履く仕様になっている商品がありました。
その商品の反応がすこぶる悪く、同じく1歳前後の子どもがいる同僚の子と
その商品について話している、と言えば聞こえはいいですが、要するに「愚痴っていた」わけです。
こんなピラッピラの布なんて、抱っこしようと思ってしゃがんで踏んづけたら「ビリ」で終わりだよね。
うちの子は引っ張りそうです~そして「ビリ」。
わかるわー。そんな「1回着たら終わり」になるものに4000円も出さんって。
「ママ」なめてますよねー。
みたいな会話をした覚えが^^;
で、要するにですよ、私達は「履きたかった」わけです。そのチュールスカートが(笑)
だけど「新米ママ」ですから、「ママとはかくあるべき!!!」がありすぎて、その私達の「ママの条件」みたいなものの中に「チュールスカート」は無かった。
仕事が仕事ですからオシャレ、ではあります。
ですが、それは「オシャレに見える」だけであって、「着たい服だけをオシャレに着ている」のではなかったんです。
ママなんだから、実用性&コスパ重視!
だから、
「抱っこしようと思ってしゃがんで踏んづける」可能性がある服は非実用的=却下
「引っ張られる」可能性がある服は非実用的=却下
「破れる」可能性がある服は非実用的=却下
「1回着ただけで終わり」になる可能性がある服は非実用的=却下
だ、け、ど、(本当は)着たいんです!
そんな実用性とかどうでもいいから、現実的かどうかとか良いから、着たいんです!
だけども、それは出来ないんです!許せないんです!
だってそれを許しちゃったら「ママじゃなくなる」んだもん。
「子どものことを何よりも優先しているママ」じゃなくなるんだもん。
そんな恐ろしい事できない。
だれに、何を言われるかわからない。
ママのくせにチュールスカート履いて、ばかじゃないの?って言われるかもしれない。
子どもの事より自分優先なのね、って思われるかもしれない。
こわい
こわい
こわい
こわい。
・・・で、ですよ。
それって、ほんとにそうなんでしょうか?
もしあの時の私達が、チュールスカートを履いたとして、
私達が話していたようなことが起きたのか?起きなかったのか?それは今となってはわかりませんが、
少なくとも、「私がチュールスカートを履き始めて」から今まで、一度もそんなこと言われたことありません。
むしろ「可愛いなぁ」「いいなぁ」と言ってくれるお母さん方が無茶苦茶多いです。
保育園の送り迎えの時は「お姫様みたい」ってね(笑)
え?心の中ではどう思ってるかわからないって?きっと悪態ついてる?
私、テレパシー能力はないのでそれはわかりかねます~ww
もしあなたがチュールスカートを履いてるママを見てザワザワして、
たとえばあの日の私達のように
「子どもがいるのにチュールスカート履いて、ママ失格」とか
「うちの子は賢いから、安心して好きな服が着られるの~っていうアピール!?」とか
斜め上の方向に相手を非難したり、嫌味を言ったりするのは、
あなたが自分で「ダメだと思ってるけどほんとはしたいこと」を相手がやってるから、です。
だめだと思ってること、というのは、「あなたが大切にしているルール」ですから、それはそれで良いと思います。
ある意味宗教のようなものです。
ヒンズー教を信仰するなら豚肉食べちゃダメとか、
イスラム教を信仰するなら牛肉食べちゃダメとか、
女性なら髪は見せちゃダメとか、っていうのと大差ないし、
別に信仰でなくても、ビーガンみたいに動物肉は食べちゃダメ、とか
何かしらの理由で「その人が大切にしているルール」がある。
でも世の中には、「とんかつを食べるために生まれてきた!」と豪語するほどの豚肉好きも居るし、
牛タンの焼き加減に関して1時間しゃべれるほどの牛肉好きもいる。
鶏肉はだめだけど卵はいい!なんていう理屈の人もいる。
髪に泥を塗って固めるヘアスタイルがオシャレだと思ってる民族だっているし、耳が長ければ長いほど美しい、お尻は大きければ大きいほど美しい、太っていればいるほど素晴らしい、っていう美意識の人達もいる。
世界中どこを探しても「あなたが大切にしているルール」に従わない人ばかりです。
だからね、人はどうしてるか、じゃなくて、やっぱり「あなたはどうしたいか?」で良いんです。
今、「あなたが大切にしているルール」で居心地がいいのならそのままでいいと思います。
でも、もし「ほんとはこのルールはいやだ」っていう事があるなら、そのルールはもう消してしまいませんか?
確かにそのルールを消したら、何か非難されることがあるかもしれません。
でも、されないかもしれません。
そしてもし非難されたとしても、それは相手の方の「大切にしているルール」なんだな、と理解すると良いと思います。
それを「押し付けられ」たとしても、丁重にお返しすれば良いんです。
「それは、私にとっては大切ではないルールです」と。
着たい服を、好きな服を着ることは、自分の周りにいる人たちを信用すること。
私の「着たい」を「自分のルール」で捻じ曲げようとするような人はいない、と信用すること。
そうやって、優しい世界になっていけばいいのになぁ、と思うのです。
うれしいです!ありがとうございます♡