評bot 6

 

今回もはじめます。詳細は下のツイートをご参照ください。参加者様は敬称略にて失礼いたします。


夏だから向日葵がよく咲いているLINEを少し増やしていくね /和三盆

向日葵の写真をアップロードするのか、向日葵の絵文字を使うのか、いろいろなのか、とにかくLINEのコミュニケーションとは「数」なんだということをおさえて「増やしていくね」というのが、当たり前なんですが、歌の面白さになっていると思います。「LINEを増やす」なんですよね。それが向日葵という植物だから余計でしょうか。

「よく」が効いていると思います。ただ咲いているだけなら手当たり次第になんでもいけそうな気がしますが、「増やす」にあたっての「選」がある感じ、に、この主体がLINEに費やす時間を思うことができます。どうでもいいことを言っているようで真剣というのが、心を感じられるポイント化と思います。

反対に「少し」が効いているかがわかりません。「少しずつ」とか「じわじわ」とか、明確に頻度を示すのであればよりわかるのですが、ちょっとここは甘い表現かなあと思います。短歌ってなんでも詰めればいいわけじゃなくて、ある程度の薄さのなかで韻律をやるときに「少し」という形容詞は就職するものを小さくすることができて便利ですが、便利なようでいて、その小さくすることは雑な作用でもあると思います。

ご利用ありがとうございました。


ありのままメキメキ萌える花だけど火と暗闇を少しください /無縁

よくわからないんですが、面白い歌だと思いました。上句がぜんぜんわからないんです。「ありのまま」の「メキメキ」ってなによとなります。成長かなあ、実力をメキメキつけていくとか言うしな、と思いきや「萌える」です。「ありのまま」「萌える」のって、「メキメキ」なんでしょうか? ただこれは悪いといってるんじゃなくて、私の言語観をいい意味で乱されたというか。想像力を掻き立てられます。

下句、火も暗闇も花にはよくないものですから、上句のよくわからないままに生命力あふれる感じの反動を求めている、感じでしょうか。こちらの「少し」は、効いていると思います。自分はこういう花で火と暗闇を求めているということでしょうか。喩であると読んではいます。

面白い表現ですし、奇妙なイメージも浮かびます。とはいえ、何が言いたいんだ? というのはまったくわからず、そういうものを求めている歌ではないんだろうということを考えても、心をグッと掴まれるまではいかないかなあというのが正直なところです。これはこれでアリなんだろうと思いつつ、もうちょっと地に足つけてくれてもいいかなとは感じます。

ご利用ありがとうございました。


今回は以上です。

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