共題連作 第1回


歌人ふたりで同じタイトルの五首連作をつくったらどうなるだろう、との興味のもと、noteを利用して何回かやってみたいと思います。

第一回目のお相手は、五月雨薊さん。Twitterで交流させていただいている方です。

ルールは簡単。タイトルを決めて、五首連作をお互い作る、のみ。今回のタイトルは、よくある診断メーカーの、タイトルをランダムにくれるものから引っ張ってきました。

なお、お互い連作を作るにあたり、相手の作品は知らない状態です。果たして似るのか、全く違う風になるのか。

それではどうぞ。共題『明るいぬいぐるみ』です。




明るいぬいぐるみ  五月雨薊

相棒は虹色くまのぬいぐるみおなかを押すとぴーぷーと鳴く

私たちずっと一緒と言ったのにいつしかきみは押し入れのなか
  
嫁入りの準備で処分できなくて連れてきたきみ赤ちゃんは好き?

子とあそぶきみはなんだか楽しそうどこへ行くにもふたり一緒だ

ぴーぷーと聞こえてくれば子の合図ママもあそぼうあのころみたいに


明るいぬいぐるみ  御殿山みなみ

ビー玉のどうせころがる床ぜんぶひだりがわ通行すればいい

ハロウィンでむりやり明るくさせられた霊のぬいぐるみたちだ駅は

公正にドアひらきますしまりますしめてます口いつひらきます

コンビニのきっと買わない食玩のおかしがほしいのがおかしくて

テディベアのクーよ見えてる星はもう偉いお人が名付けきったよ



という作品になりました。なかなか作風がちがっていますね。

五月雨薊さんは字書きもされてらっしゃるのでストーリー性の高いものを。対して僕は薄いものになっておりなるほどと感じました。

とはいえ連作の持つ雰囲気の方向性はなんとなく似ていて、それが「明るい」ではないのも面白いです。

ということで、第1回になります。これを何度か重ねていけたらなあと。お付き合いくださればとても嬉しいです。

最後になりますが作品を寄稿くださった五月雨薊さんに感謝を。ありがとうございました。

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