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婚約指輪(エンゲージリング)に込められた意味と由来

永遠の愛を結ぶ結婚の約束に向けた婚約指輪(エンゲージリング)。特に人気は美しい輝きのダイヤモンドの指輪です。

しかし、なぜ結婚や婚約時に指輪を贈るのでしょうか? そして、なぜダイヤモンドが用いられるのでしょうか? それらの歴史や由来にその理由がありそうです。

そこで、婚約指輪の歴史や由来、そして意味、さらにダイヤモンドのエンゲージリングが主流になった歴史や意味などを深く見ていきましょう。

婚約指輪(エンゲージリング)に込められた意味や由来

男性から女性へ婚約指輪を渡してプロポーズするだけでなく、箱だけ先に渡し一緒に選びに行くカップルも増えています。

婚約指輪(エンゲージリング)の歴史は、古代ローマから始まりましたが、実は、指輪が初めて生まれ、結婚時に交換するという習慣の歴史としては、古代エジプトの文化が起源と言われています。これが婚約指輪の意味合いの由来にも匹敵します。

エジプトの象形文字における結婚は、円で描かれており、永遠という意味でした。 円形である指輪は「永遠に途切れず続く」という深い意味合いが込められ、結婚時の交換で相手と永遠に途切れることなくひとつになることを表現したよう、結婚指輪の由来とも言えるでしょう。

婚約指輪(エンゲージリング)の歴史として考えられている紀元前1世紀の古代ローマ時代では、婚約指輪は約束を果たす誓いの印といった意味を持ち、婚約時にお互いに鉄の輪を贈るという儀式がありました。これが、婚約指輪(エンゲージリング)の由来です。当時のローマでは、結婚よりも婚約に重点が置かれ、力の象徴のデザインである鉄の輪を婚約時に贈ることで、結婚の契約を交わすといった意味があったようです。

2世紀頃になると、婚約指輪(エンゲージリング)のデザインに金の指輪が登場し、恋人同士が愛の証として使っていました。指輪の由来や意味合いから、このような形に発展したのでしょう。

また、9世紀には、婚約指輪(エンゲージリング)の慣習をさらに強める歴史があります。それは、教皇ニコラス一世の時代に出された、婚約を発表する際に、高価で経済的な犠牲を払うような指輪を相手の女性へ贈らなければならないという命令です。そのため、婚約指輪(エンゲージリング)は高価で、無理してでも手に入れてプレゼントするという形になりました。

これまで婚約指輪(エンゲージリング)の歴史は富裕層の慣習でしたが、1866年に南アフリカでダイヤモンドの鉱山が発見され、ダイヤモンドの供給が増えたことにより、一般の人々にも広まっていきました。

日本での結婚指輪の歴史は浅く、古来の装身具に指輪がなかったために結婚指輪を贈り合う習慣はありませんでした。指輪が日本に入ってきたのは明治時代。その後、キリスト教式の結婚式が紹介され、大正時代に結婚指輪を贈り合う習慣となったのです。

一方、婚約指輪(エンゲージリング)の歴史はさらに日が浅く、エンゲージリングが登場したのは昭和30年代半ば以降。ダイヤモンドの輸入制限がなくなったことで、ダイヤモンドでデザインした婚約指輪(エンゲージリング)が一般化しました。そして、昭和40年代にダイヤモンド供給会社のエンゲージリングキャンペーンが実施されたことにより、一気に婚約指輪に注目が集まり人気となって広がっていったのです。

婚約指輪(エンゲージリング)でダイヤモンドを贈る理由

最近では、新たに設定されたダイヤモンドの評価基準である「5C」を基に好みのダイヤモンドを選ぶ方が増えています。

婚約指輪(エンゲージリング)の由来は海外から始まり、その歴史も古くからありましたが、数ある宝石からダイヤモンドが選び出され、婚約指輪(エンゲージリング)にデザインされるようになったのは15世紀の頃。

歴史上初のダイヤモンドがデザインされた婚約指輪(エンゲージリング)は、ハプスブルグ家の王子マキシミリアン大公、 のちの神聖ローマ皇帝が、ブルゴーニュ公シャルルの娘マリーに贈ったものです。

指輪の由来も婚約指輪(エンゲージリング)の歴史も太古のものですが、ダイヤモンドデザインのエンゲージリングの歴史はそこまで古くはありません。それは、ダイヤモンドの性質と関係があります。

ダイヤモンドはインドで発掘され、古代ローマ時代から存在していました。天然鉱物であるダイヤモンドは、当時から発掘量が少なく希少性の高いものであり、珍しい正八面体の結晶で、傷ついたり壊れたりすることがない硬さに人々は驚き、ダイヤモンドの性質に神秘性を感じていたと言われています。

ダイヤモンドはその硬さゆえに、その他の宝石のように簡単にカットしたり、研磨したりすることができずにいましたが、14世紀頃に研磨技術が進歩し、ダイヤモンドのカットと研磨ができるようになりました。そして多くの人がダイヤモンドの美しい輝きを見ることができ、魅了されるようになったのです。

希少性と硬さで、永遠に輝き続けるダイヤモンドの性質は、愛の証の意味合いをとても強く含んだ宝石ととらえられ、王侯貴族には重要な富や権力の象徴であると考えられ人気だったようです。また、ダイヤモンドの言い伝えには、ダイヤモンドを贈られた人を守る力があり、贈り物として縁起がよいとされていました。こうしたことから、永遠の愛を誓う婚約指輪(エンゲージリング)にふさわしい宝石として、ダイヤモンドがデザインされた婚約指輪(エンゲージリング)が定着していきました。

ユニークなダイヤモンド

婚約指輪(エンゲージリング)や結婚指輪として用いられるダイヤモンドには、さまざまな色やデザイン、用途があります。


  • ファンシーカラーダイヤモンド

  • ファンシーカラーダイヤモンドは、人工着色ではなく、天然の美しい色をもつダイヤモンド で、昨今人気が高まっています。通常のダイヤモンドは無色から淡黄色で、色味があるほど価値が下がりますが、ファンシーカラーダイヤモンドにはさまざまな色があり、色味があるほど価値が上がります。

  • 色の濃さと純度に応じて高価になり、通常のファンシーダイヤモンドは純度や濃さの度合いが低く、大きなサイズで鮮明度の高いファンシーカラーダイヤモンドはめったに存在しないため、非常に価値あるものとされています。

  • 一般的に稀な色はレッド、グリーン、パープル、オレンジ。続いて、ピンクとブルーです。 イエローやブラウンは、稀少性が低いため価値が低いとされています。

  • 髪の毛から作るダイヤモンド(メモリアルダイヤモンド)

  • 故人の遺灰や髪の毛から作製されるのがメモリアルダイヤモンドです。 葬儀や供養の仕方が多様化された現代では、手元供養のアイテムとして人気があります。

  • メモリアルダイヤモンドは、故人の遺灰や髪の毛から抽出し、精製した炭素を使用します。メモリアルダイヤモンドの生成工程は天然ダイヤモンドと同じ環境を再現した装置の中。天然ものと唯一の違いは、故人の遺灰や髪の毛という原材料であるため、メモリアルダイヤモンドの輝き、硬さなどの性質は一緒です。

  • さらに故人の一部(遺灰や髪の毛)でできているので、メモリアルダイヤモンドの輝きは意味深いものとなり、ダイヤモンドの由来にも相応します。
    メモリアルダイヤモンドの費用は319,000円からと安価なのも人気の秘密。 カラーやサイズによってかかる費用は異なりますが、一般的な葬儀や供養に比べると費用を抑えられる点は大きなメリットでしょう。メモリアルダイヤモンドはジュエリーデザインが豊富に揃い、故人を身近に感じられるようアクセサリーとして身につける方が多いです。デザインによって費用は変わります。

  • メモリアルダイヤモンドは故人の遺灰などを使用しますが、結婚するもの同士の髪の毛でつくった人工ダイヤモンドを婚約指輪(エンゲージリング)や結婚指輪として用いる方もいます。「永遠」の意味をもつ指輪の歴史や由来、ダイヤモンドの性質と意味合い、そしてデザインの美しさを兼ね備えた世界に一つだけの指輪となるため、とても人気です。

  • ストロングブルーダイヤモンド

  • ストロングブルーダイヤモンドは、一見普通のダイヤモンドですが、紫外線ライトを当てると青く蛍光します。非常にレアなダイヤモンドで、並べられたダイヤモンドから紫外線ライトを当てて青く輝くダイヤモンドを見つける作業は、まるで宝探しのようです。希少性の高さや輝きの美しさから、非常に高い人気を誇ります。

まとめ

指輪の由来はエジプトの象形文字、結婚を表す円。その由来から婚約指輪(エンゲージリング)が古代ローマ時代に登場しました。約束を果たす誓いの印という意味が込められていたそうです。

ダイヤモンドの婚約指輪は15世紀の貴族からですが、ダイヤモンドの研磨技術が発展して以降、大衆の間にも広まり、永遠の愛を意味したダイヤモンドのエンゲージリングが人気となりました。

現代ではさまざまなダイヤモンドが出回り、中でも故人の一部で作製されたメモリアルダイヤモンドは人気を博しています。指輪にすることで、その由来も含めて永遠に故人と一緒にいることができる気持ちや費用を抑えられた供養形態として、世界中で話題を呼んでいます。