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ウッドデッキが壊れないで長持ちを、ネットでは、必ず”腐朽だけ”に焦点があてられるが。

外部で使用されるウッドデッキの耐久性評価は、そもそも腐朽のみで判断するだけでいいのだろうか?と長いことやってきはしたが、近年異素材も出てきたことで、評価の方向性も変化しなくては正当な評価ができないのでは?と思い始めた。また古い固定観念のしばりから抜け出す思考が大事と思い始めた。



先日、あるマンションのウッドデッキの腐った部分を取り換える仕事を行った。(表題の写真)


いわゆるハードウッドで、なにも改質せずとも耐久性が高いと謳われている木だ。

14年でなんで腐朽したんだろう?と考えた。

板を取り換えて、最後にDOTを散布。

自分は、ハードウッドは高密度だから油性、水性を問わずそれらを吸収しない・・・だから塗装はすぐ落ちてしまう、と言ってたが、自分の浅学を恥じた。(実際、新品のイペを加圧注入しても、割れ目にしか入っていなかったように見えた)

液体のDOTが入っていく。びっくりした。まだ紫外線や風雨にさらされてないからでは?


会社で、ウリン、イタウバ、イペ、マッサランドウーバ、セランガンバツ、マンションで腐ってた床材・・南米、東南アジアと産地の違いはあれどハードウッドと称されるもの群。

腐ってたハードウッド以外は、室内にあって紫外線も殆どあたっていないものを選んだ。

表面に水をかけた直後の写真。(上)


1時間後の様子


目視では明らかに、腐ったハードウッドは吸水してる。

木口も、腐ったハードウッドは、吸い込みが激しい。

16年経過のある施設のハードウッドのウッドデッキも試してみた。

水を撒いて数分経つと、ある程度吸い込んでいる。

紫外線と雨水で、木のリグニン、ヘミセルロースが減少していき、本来のハードウッドの長所である、密度の高さが薄れ、撥水性が失われ、そこに水が侵入しやすくなる・・・、また抗腐朽の抽出物質も溶け出していった・・と推理してみた。

そう推理しないと、腐るのはなぜか?という問いをたてても自分が納得できる答えが出せない。

こうして考えると、異素材の人工木における紫外線劣化の行く末である。

何年か前に、実際に割れていた人工木の床板を(ららぽーと横浜)で見た。

まだ、評価の定まっていない人工木が、メンテフリーだとか、30年の耐久性だとか、半永久的とか言葉だけ見ることがあるが。


人工物であるから、なるほど、無機物をウッドと称するのもおかしいが、木の分類に入れて評価するより、紫外線劣化で壊れることに対する評価の方が、優勢ではないだろうか?と思っている。

工学的に、使えなくなったという表現は、もっと多方面の評価がほしいのではないだろうか?



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