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街の小さなレストランは憩いの場所

「ハワイの焼き鳥 フリフリチキン」というキャッチフレーズで2011年から食堂営業を始めた「チキンキング神戸」はいわゆる普通のやきとりではなく、珍しかったので、土日祝はハワイつながり、ハワイ好きの方々でいつもにぎわっていました。仕事帰りに日本酒で一杯という使い方は最初の頃だけでそういう方向には行きませんでした。

単にハワイが好きな方が、遠方からもどんなお店なんだろうという興味を持って来られることもありましたが、フラ(フラダンス)の先生や生徒さん、ウクレレの先生や生徒さんたちで盛り上がり、歌を披露したり、それに合わせて踊られる方もあり。びっくりしたのは、意外に関西にハワイ出身の方がたくさん住んでおられるということでした。

ハワイ出身の方々は、英語の先生だったり、宣教師だったり、日本文化、特に茶道や和楽器を学びにいらしていたり、留学生だったり。

もし、わたしがハワイに住んでいて、寿司料理店がハワイに初めてできたと聞いたら、少々遠くても行きますよね。

そんなわけで、ハワイ出身の方々とも神戸で知り合い、「チキンキング神戸」が皆さんの情報交換の場にもなりました。

日本に旅行に来られたハワイの方からは「このお店はハワイでも有名だ」と教えられたこともありました。びっくりしました。宣伝もしていません。簡単な手作りHPは作っていましたが、近隣の方向けにメニューや価格、アクセスなどをお知らせするために製作したもので、英語のページは作っていませんでしたし、外国に宣伝してお越しいただけるとは思ってもいなかったのです。

ハワイの方もご来店になられていたので、ハワイ好きの方は見逃しません。どんどん輪が広がっていって、コミュニティとしては充実しました。


「コミュニティとしては」というのは、他の側面、「経営としては」はどうだったかというと、それはそれは大変でした。

楽しい思い出でもあるので文句を言ったりして思い出にキズをつけたくはないのですが、お客様にはものすごく長居されて、お支払いは少ないという状態でした。飲み屋でもないのに経営者と長話する飲食店はまずないと思います。でもそれをしてしまったのですね。悪いのは自分です。経営者としては失格ですね。

飲食店の経営、特にワンオペだったりしたら、業務の連続で、おしゃべりしている時間はないのです。とにかく、次のこと、そしてその次のこと、さらに次のことを考えて無駄な動きのないようにしなくては儲かりません。

でも言い訳ではないですが、貯金通帳の数字は増えていないけれど、楽しくて、おそらく人生で一番楽しいときを過ごし、かけがえのない思い出を作り、今もその人間関係の中で幸せに暮らせています。


一緒に出掛けようとなったり、フラのパーティやウクレレのライブに伺ったりもしました。私の知らない世界がそこここにたくさんありました。

次回はそれらも紹介させていただきたいと思っています。


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