ノイズキャンセラー 第四章
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第四章
琢磨は、雨戸をしめきり換気もほとんでしない部屋で生活していた。蛍光灯がちらつき始めた時から電気はつけていない。パソコンのディスプレイが唯一の光源だ。ディスプレイは二台置いてあるが、机の周辺がぼんやりと照らされる程度だ。琢磨のパソコンは、ネットサーフィンをして過ごすには過剰なスペックだった。二年ほど前に、琢磨は少し前向きになり、自宅で動画編集の仕事をしたいと言いだしたことがあった。高校を中退していても、引きこもりでも、インターネットの仕事ならできる