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コーチング・ゼロ 前編

一瞬の泡のように生まれた気持ちは話したり形にしないと、いつの間にか消えてしまう。

見過ごすこともできたかもしれない。
でも、今回の嫌な感覚をしっかり形にして、人生に残すのだ。何か結論に至るだろうか。別に至らなくても良いが。。。


先日、はぐくむコーチングスクール内のForumみたいなやつがあって、コーチとしての自分のLOVEを語るというのがあった。
スライドを用意し、喋った。
全力で話しながら、なんかコレジャナイ感が半端なかった。
 
 
【あの丘の向こうにどんな景色が広がっているのか】
【「脆さ」を受け止め、「生々しさ」と向き合い、「身体知性」を解放し、 「自分の全て」と共に生きる。】
【満面の笑顔は、気付きと可能性の「先」にある】
【お前が消えるくらいなら、世界が滅んだ方がいい】

 
 
好きなものをたくさん詰め込んだプレゼンだった。
でも、スライド作っているときに頭の中で感じているものとは全く別のものを、プレゼン中に感じていた。
 
 
ーーーまるで悲鳴のようなプレゼンだった。
 
 
フィードバックが終わった後、髪を掻き毟りながら泣いた。
こんなはずじゃない。もっと上手くできた。なんか変なのが出てきてた。
 
くるみからのフィードバック
「一人にしないで、って聴こえた」
大ちゃんからのフィードバック
「期待を背負いすぎていない?もっと上手くできたってプレゼン終わった後に何度も呟いていたのが、印象的」
 
大ちゃんと話し終えた後、近くの田んぼまで走り、叫きながら泣いた。
畜生畜生。こんなはずじゃなかった。あれじゃただの自己愛の悲鳴だ。
 
丘の向こうになんて行きたくない。可能性のその先になんか行きたくない。脆さなんて見せたくない。そんなものは卑怯者のすることだ。生々しさばっかり、エゴばっかりで苦しい。身体と心は分離するばかり。笑顔は増えたけど、苦しみも増えるばっかりだ。世界をめちゃくちゃにしてやりたい。美しいものを汚して、平気な顔をしていたい。
何がなんでもありだ。何が愛だ。何が相手を自分だと思うだ。うるせえ、死ね、消えろ。何がつながりだ。
その程度の力量で、その程度の覚悟で、その程度の苦しみで、その程度の責任で、その程度の努力しかしてこなかったお前らが!何故!どうして!何故俺ばかりこんなに・・・!
叫んで、自分を護るために、大声で笑った。サイコパスな笑い方をしてみせる。FIGHT CLUBをしたかった。誰かと殴り合いたかった。煙を吸いたかった。左胸から左腹にかけてタトゥーを入れたかった。痛みを痛みで覆い隠したかった。
 
満たされない「何か」が、世界に対する殺意となって顕れた。手放せ、湖畔になれ。信じろ。まずは自分を一番信じろ。コーチングスクールでレクチャーされた在り方の全てが、憎しみの対象となった。
 
 
 
帰り道の自己内対話。自分の中の大ちゃんと話してた。
 
大ちゃん「ーーーー」
僕「流石だね。ふぅ、、、俺は大ちゃんとだったら、ーーー」
大ちゃん「それは本当にけいしろうが求めてることなんか?」



僕「俺だって、本当はそんな風になりたくねーわ!!!」
 
そこからまた声に出して叫んでた。
自分の頭の中のくるみから期待されている変化が、今は嫌で嫌でしょうがなかった。
自分が人と関わるときに、その人の笑顔や驚く顔がみたいから、様々に自分の見せ方を考えるのが、変えるのが、苦痛でしょうがなくなった。ありのままの自分でも愛されるなんて綺麗事だと思った。
 
吠える度、手放したエゴが、自分の手の中に帰ってきた。格の違い。価値。好き嫌い。俺。弱者。強者。分離。寂しさ。一人になりたい。寂しい。強くなりたい。
 
叫びすぎて酸欠になり、咳をして、吐きそうになる。
彼女と別れてから、アルバム全部削除されたのをみた時は吐いたな。はは。懐かしい。
 
みんなみんなお帰りなさい。一旦、さよなら、理想の僕。
ずっとそこにいたのを知ってたよ。エゴイスティックで、相対評価ばかりして、攻撃的で、寂しがりやの僕。

 



田んぼ道、小さい水路の水の音。強い風。欠けた月。
 
 
欠けた自分が帰ってきた。そして、理想の自分がどっか行って、それはそれでまた欠けた感じ。あれも俺だったのに。願いも俺だったのに。
ま、腹が減ったら帰ってくるでしょう。


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