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百瀬さんのこと その十四

ここから、警察に自首して出てからの話である。

遂に、ピストルの密輸がバレた。

自首して出て、麹町署の留置場に入れられ、そこから毎日、
警視庁に押送されて、刑事たちの取り調べを受ける日々がはじまる。
一般論では、拘留期間というのはまるまる48時間で、この間の
取り調べで、その先、どうなるか決まることになる。
まるまる48時間というのは実は三日間ということ。この間に釈放されないと、
被疑者は検察庁に送致されて、検事の取り調べを受けることになる。
拘留の期限はいちおう、裁判所の権限で、最長10日間が二度くり返される。
つまり、留置場に拘留されるのは最長で23日間ということになっている。
これが一般的なパターンなのだが、百瀬さんの場合は、全然別だった。

拘留は実に、9ヶ月半に及んだ。
取り調べはのらりくらりという調子ですすんだらしい。
先に捕まっている、相棒の後藤は三田警察の留置場に入れられて
別個に取り調べを受けていた。百瀬さんの身柄は、最初のうちは、
自首してきた立教大学の学生、という扱いだった。それが、

俺のコルトはパスポート01 

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