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序 受動的な気分が続いていて、何も書く気になれなかった。そして、追い打ちをかけるように38℃の熱が出た。身体の平衡とともに、ぼくの創造はどこかへ奪い去られてしまったのではないだろうかと思うほど、何も書けない、浮かばない日々だった。下手の横好きでたまに詠む短歌や詩も、ぱったりと書けなくなっていた。 だから、本を読んだ。目的もなく、文字の海を、思想の海を、そこに揺蕩う人間の海を、彷徨していた。 他者の言葉、他者の感受性 いつだって、自分を自分としてしゃんと立たせてくれる
序 無数の蛙たちの声のなかに溶けていくような夜が、僕のそばにあります。こんにちは。今は故郷とは違う地で一人で暮らしておるわけですが、ここに来るまでずっと、夜と静寂は一つの概念であると思っていました。こんなにも賑やかに彩られる夜があるとは、やはり、異なる場所で生活するのには興があります。 「実用性」のはなし 窓の外を眺めると、まずは派手な彩色の居酒屋があり、瓦屋根の一軒家の数々、そして緑の山々が広がる。一望に思うことをひろげることにする。 設計され、思うまま作られた、