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Kickstarter(キックスターター)の落とし穴。1:リワードの発送費用と発送業務

キックスターターのファンディング(出資金)の基本は商品やサービスという形でリワード(報酬)を返すことです。出資法の関係で出資金に対する金銭等の報酬を避けています、一般的には最終的に形になった商品やサービスをバッカー(支援者)に送る方法を取ることになっています。
キックスターターでは日本で行うキャンペーンもバッカーの多くが海外の人になります。そのため必ず発送という作業と配送費がかかります。これが思っている以上に大変です。
キャンペーンを開始すると必ずといって複数のフルフィルメント業者(パッケージングや発送業務を代行する業者)からメールが届きます。なぜかといえば、代行業者に依頼したいほど発送業務が大変だからです。

日本から個人的な業者が海外発送する場合は、民間の運送業者よりも、郵便局のサービスを使う方が便利で簡単です。その中でも商品発送に使えるサービスは主に、「SAL」「International-E-packet」「EMS」の3つです。

「SAL」は航空小型荷物で比較的安価ですが、取扱いのある国が限られています。
「International-E-packet」は保険とお届け確認が付いた航空小型荷物で、荷物追跡ができるのでとても便利なサービスですが、その分料金が割高です。荷物の重さも2kg以内と限られています。
「EMS」は一般的につかわれる海外発送です重さ制限がないので重たい荷物を送る場合は便利ですが、その分料金は高いです。

たとえば500gの荷物をアメリカに送る場合、
「SAL」580円、「International-E-packet」1235円、「EMS」2000円
の配送料金がかかります。仮に1gでもオーバーすれば料金は
「SAL」680円、「International-E-packet」1385円、「EMS」2180円
に跳ね上がります。

クラウドファンディングにおけるリワード(返礼品)のプレッジ(支援金額)は送料込みの価格ですので、配送における荷造り料金と配送料を加味して設定しなくてはなりません。初めてキックスターターに挑戦する人は配送の経験(特に海外への)が無いので、この辺りを軽視してプレッジ(支援金額)を設定しがちです。なるべく安価な方がより多くの人から資金を集めやすいからです。海外発送を国内発送と同じように考えてはいけません。

この配送費用が大きな落とし穴です。

純粋な配送費用だけでなく、荷造り業務も以外に手間がかかって大変です。慣れない人の場合は1つの荷づくりに30分程度はかかります。1時間に2個荷造りしたとすると、アルバイトの時給(1時間1000円)換算で1個のコストが500円かかることになります。自分でやるから気にしないという人もいると思いますが、10個程度の荷物ならそれもいいと思いますが、100個、200個となると、それもきちんと配送コストの中に入れておかないと大変なことになります。
人によっては、配送料金で全ての利益が無くなってしまう人もいます。もっと言えば、最終的に赤字になってしまう人もいます。
配送料金の設定は最初に設定しなくてはなりませんが、その結果が出るのは最後になります。せっかく成功したクラウドファンディングを楽しく有意義に終わらすためには、送る物、送り方、発送費用を過小認識しないようにしましょう。

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