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参照文献*本と映画とドラマと

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何かを見たときの覚書。
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#大学院生

「”あさって”こそある、と信じている」

お休みは延びに延び、未だ長期休暇をしている。行くはずだった所には飛行機が飛ばなくなり行けなくなった。ただただ自宅待機の時間を過ごしている。 やることややったほうがいいことは山ほどあるのに、手につかないでいる。 気分を上げるためにも何か読もう! と思い立ち、Amazonで本を1冊買った。 荒木優太(編)2019『在野研究ビギナーズ 勝手にはじめる研究生活』明石書店。 15名の「在野研究者」たちが自身の研究生活について述べている本書は少し前に話題にもなった。私が購入した

読書会:M. メルロ=ポンティ 『眼と精神』①

「私があなたに翻訳してみせようとしているものは、もっと神秘的であり、存在の根そのもの、感覚の感知しがたい源泉と絡みあっているいるのです。」  J・ガスケ『セザンヌ』 これは、モーリス・メルロ=ポンティの『眼と精神』の本章前に挿入されている、フランス詩人で芸術批評家のジョワシャン・ガスケ(Joachim Gasquet)の著書『セザンヌ』の引用である。 そして、本note記事のトップ画像はポール・セザンヌが1899年に製作した絵画《りんごとオレンジ》の一部だ。 今日からお