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これからの時代に向けてのメッセージ #03 【NEXT Logistics Japan株式会社 梅村幸生】

ロジ人では、物流テックに分類される業界の著名人やサービスにフォーカスしていきます。今回はNEXT Logistics Japan株式会社で代表取締役を務める梅村 幸生さんにインタビューしました。 #03では 、これから先の未来へのビジョンについてお話いただいています。

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<プロフィール>

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時代が変化すれば解決すべき社会課題も変わる

ー 梅村さんが、個人や会社として目指していきたいビジョンはありますか。

今現在も取り組んでいるような、社会課題の解決に向けた取り組みを今後も行っていきます。2030年までの社会課題を見据え、ドライバー不足や物流に関わる方々の労働環境の改善を目指す「ホワイト物流」といった業界内の構造化改革に注力していきます。ただ2030年、2050年と年月が経つにつれて、想定していた社会課題も変化していくことは確実です。過去に自分たちが立てた想定のビジョンに固執することなく、時節会社の方向性を修正しながら進んでいこうと考えています。

ー 今見えている課題だけではなく、世の中や物流業界の動きに応じて臨機応変に解決すべき課題も変質させていくことが大切ということですね。

現に弊社もプロジェクト開始時に考えた2030年と、今考える2030年では異なる景色を想像していますし、いかに未来の世の中の形や社会課題を妄想して自分たちの提供できるサービスを変化させていくかが、会社の価値に直結します。

例えば、物流で言うと最近の世の中はコンパクトシティ化が進み、特定の街に人が集中する傾向にあります。人口の集中が進むということは、物流もある地域に集中するということです。届ける場所、モノ、人が密集した地域で物流を機能させるためには、より一層の効率化が求められ、サプライチェーン間での情報共有や連携もより一層必要になるでしょう。

また、3Dプリンター技術が発達・普及すれば、一般家庭でも一人で色々なモノが作れるようになるかもしれません。自分で欲しいものを作れるような世の中になれば、当然配達をオーダーしなくなり、モノを運ばなくてもよくなります。このように、将来的な世の中の形を想像しながら、今後自分たちはどうなるだろうか、モノが作れるようになった世の中ではどのような問題が生じるだろうか、と考えていきます。

ー 社会課題が可視化できるようになってから行動を始めるのではなく、今後の数年、10年先というスパンで未来を予想してサービスや問題解決に向けた解決策を提供していくことが大切ということでしょうか。

はい。未来に向けた取り組みをする際に最も重要なのは、「未来を想像すること」です。今後自分の業界はどうなっていくだろうか、社会はどう変化していくかを徹底的に考え、自分がどう役に立てるのかを模索していくことが、想像力を養う上で大切なことだと考えています。既存の世の中ベースで捉えるのではなく、未来の形を常に思い描いて自分たちの未来像を決めていきたいですね。

インタビューの様子

キャリア形成をする上でのアドバイス

ー この「ロジ人」は、今後社会に出る・社会人としてキャリアを歩んでいく学生や新社会人へのメッセージというのが一つのコンセプトとなっています。これからキャリアを築いていく学生や新社会人に向けて、キャリア形成におけるアドバイスをお願いします。

キャリアデザインでは「自分の仕事によって社会課題が解決されているのか」を重視し、仕事や会社を選択することがおすすめです。企業にとってサービスが世の中に必要とされるかどうかは、いかに社会に貢献しているかどうかで決まります。これから就職活動をしていく学生さんであれば、希望先の企業がどんな形で社会課題を解決しているのかを重点的に聞くといった具合です。

ー まずは企業が提供している事業・サービスが、どのように社会に還元されているか、役立っているかを理解していくことがキャリアを重ねる際に大切になっていくということですね。

最近の世の中では働き方改革が叫ばれるようになったことで、給与水準や働きがいをはじめとした待遇や労働環境面の要素を重視する傾向が高まっています。もちろん働き方や職場の雰囲気は、自らの仕事でのパフォーマンスを向上させる意味でも重要な要素です。

自分の行っている仕事が社会課題や問題の解決につながるというのは、自分の中で仕事をする大きなモチベーションになります。私でいうと、物流業界では、2024年問題によって今後世の中にモノを運ぶことが難しくなる状況にあります。ただ、自分が問題に対して働けば働くほど、問題が解決に進んでいくのであれば、社会課題解決の実現がやりがいにもなり、仕事への活力にもなるのです。

ー 自分の働きによって社会が便利になったり、問題が解決されたりすることは、お金以外の実感しやすい成果といえますよね。

お金は、仕事をするのに欠かせない要素であることは間違いありません。ただ自分の仕事自体に社会的な意味を見出せば、多少疲れていても自分から仕事に取り組めますし、充実感も得られます。私自身、今の仕事を見つけることができたことは本当に幸せなことだと感じています。だからこそ、今後キャリアを形成していく学生や新社会人の方々には、ぜひ社会課題の解決や誰かの役に立っていると実感できる仕事なのかを判断基準として仕事を選んで欲しいですね。

起業を目指す人へのメッセージ

ー 最後に、将来的にベンチャー企業を起業してみたいと考えている人へメッセージをお願いします。

「自分にできることは限られている」ということを常に心に留めて、会社経営をしてもらいたいです。

私は、会社員として長く勤めた後、社内ではありますがベンチャー企業を立ち上げました。お客様や人員もない本当にゼロからのスタートだったため、自分でビジネスを創り、これまでも様々な方にお話を聞いてもらって何とか仲間を増やしてきた経緯があります。弊社は、社会課題の解決を第一に取り組んできましたが、私一人でできることはたかが知れています。社会課題という大きな問題・ミッションに取り組むのですから、何でも自分で解決しようとする姿勢ではだめです。取引先や周囲の人々、時には国も巻き込みながら問題を解決していく、という姿勢は起業してから時間が経っても忘れないようにして欲しいですね。

ー ベンチャー企業の立ち上げは、まずお客様や周囲の人に自分たちを知ってもらう必要がある、というのは会社員とは大きく異なる点ですよね。

そうですね。私も会社を立ち上げた当初は、やらなければならないことの多さから本当に大変な思いを経験しました。ただ、同時に会社員時代とは異なる楽しさや充実感を得ていたことは事実です。自分で会社を起こして、様々な人と関わりながら組織を先頭で引っ張っていくことは、なかなか経験できることではありません。

ー ベンチャー企業のトップになる楽しさ、というのはどういったところにありますか。

自分の解決してみたい社会課題を、いろいろな方と力を合わせて取り組むことができることがベンチャー企業を経営することの醍醐味です。先述したように、会社経営をする上で周囲の人々との連携は非常に大切になります。自分を助けてくれる仲間を巻き込み、生み出したサービスが社会課題を解決することができれば、それが次の仕事へのモチベーションにつながります。ただ、自ら会社を起こすことは大変なことも多いです。自分が主役になるからこそ、会社に関することはすべて自分で決断・行動する必要があります。

なかなかうまくいかない事も多いですし、もしかしたらほとんどの人が抱いている「社長像」と実際の姿は異なるかも知れません。それでも、一筋縄ではいかないからこそ、若い方に限らず何か自分の中で挑戦したいこと、解決したい社会課題があるのであれば、ぜひ挑戦してみて欲しいです。いろいろな人の話を聞くことのできる謙虚なスタンスを忘れずに、社会貢献できる仕事をしましょう。


<取材・編集:ロジ人編集部>


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