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対面だからこそのメリット #01【トラボックス株式会社 皆川拓也】

ロジ人では物流テックと分類される業界の著名人、サービスにフォーカスしていきます。今回はトラボックス株式会社で代表取締役社長を務める皆川拓也さんにインタビューしました。#01では、対面で人と会うメリットについてお話いただいています。

<プロフィール>

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▼トラボックス株式会社 代表取締役社長 皆川拓也氏
2005年日本大学法学部卒業後、KDDI株式会社入社。2014年よりスタートアップ支援プログラム「KDDI∞Labo」の運営統括。その後2018年よりCBcloud株式会社に取締役CSOとして参画し、軽貨物業界と様々な業種とのアライアンスを実現。KDDIを経て、2022年にトラボックス株式会社に入社後、事業部長を歴任し2023年5月より現職。


物流の生産性を向上させる「物流DXプラットフォーム」

ー 皆川さんの現在の仕事内容を教えてください。

トラボックス株式会社では、運送会社と荷物を運んで欲しい会社をつなぐ求荷求車サービスを展開しています。「荷物を見つけたい」運送会社と「荷物の運び手を探している」会社をマッチングさせる掲示板として、より物流がスムーズかつ効率的に進行するよう働きかけています。

私たちが創業期から目指しているのは、物流産業の生産性向上を支えるとともに、物流DXプラットフォームの実現に向け、物流に関わる方々に喜んでいただけるような価値を提供することです。

ー 現在、物流業界では2024年問題といわれる輸送能力の不足やドライバーの高齢化、新型コロナウイルスの影響による人手不足など、物流サービスの維持が問題視されています。こうした物流業界を取り巻く社会問題に対してどう捉えていますか。

時代の変化に合わせたサービスを展開していくことが大切だと考えています。弊社創業の礎となった求荷求車サービスも、インターネットが世の中に普及し始めたタイミングでのスタートでした。

従来の運送会社というのは、自分達の知り合いを通じて仕事を見つけるというのが主流で、荷物を運んだ後の帰り荷を探すことに苦労していたのですが、インターネット上で仕事を見つける形を作ることで、知り合い以外からも仕事を見つけるというきっかけになったのです。インターネットが世の中で利用され始めたことで開始したこのサービスですが、アップデートを繰り返しながら現在も運送手配の効率化に寄与しています。

ー 創業時から時代に合ったサービスを提供し続けていた御社では、2024年問題をはじめとした現代社会の問題を解決するためにどのようなことに取り組まれていますか。

2024年問題もそうですが、働き方や法制度が変化する中でどういったサービスを提供していくか模索している最中です。弊社はこれまで求荷求車サービスからはじまり、世の中の物流業界および運送会社のDX化を進めることで、お客様の業務効率化を支援してきました。ただ、むやみやたらに最新技術を導入すれば良いというわけではありません。物流業界における働き方やITリテラシーなど、活用する側の事情も考える必要があります。今後も私たちは、お客様の現状や業務内容を把握した上で、サービスのあり方を考えていきます。

お客様の声を聞く交流会の実施

ー 御社の求荷求車サービスをはじめとした事業は、運送業界内で国内最大級の会員数となっています。ここまでユーザーから信用され、利用されるようになった要因やサービスの強みは何だったのでしょうか。

お客様の困りごとや悩み事を解決できるサービスを、ただひたむきに追求し続けたことが一番大きな要因だったと考えています。結局のところどんなに便利な技術やサービスがあっても、活用するのはお客様です。先ほどのIT技術の話もそうですが、ちゃんと導入しても使いこなせるのか、働き方にマッチしているのかどうかまで考えて初めてサービスとして成り立ちます。

私たちは、お客様が困っているポイントに対して愚直にサービス内容を突き詰め、現状のサービスに少しずつ改良を加えながら、お客様の悩みを解決できる最適な形を目指していく姿勢を持ち続けてきました。こうしてトライアンドエラーを繰り返しながら、お客様のニーズに寄り添い続けることが、弊社サービスの強みだと分析しています。

インタビューの様子

ー お客様の声やニーズに応え続けるために御社で取り組まれていることはありますか。

弊社では、お客様とお客様をつなぐ交流会を各地で開催しています。運送会社の方々が直接コミュニケーションを取れる場所を設けることで、我々も定期的に多くのお客様と交流を図っています。コロナ禍ではオンラインツールの活用が広く浸透しましたが、実際に対面で会ってコミュニケーションをとることを重視しているので、コロナ動向を鑑みつつ現地で開催しています。

ー お客様からの反響はいかがでしょうか。

おかげさまでかなり盛況です。直近だと、2023年6月に愛知県で定員200名規模の交流会イベントを開催したのですが、有料にもかかわらず募集開始からかなり早い段階で想定以上の反響があり、最終的に270名の方にお申し込みいただきました。

ー 業界に関わらず意見交流の場を求めている方は多いのですね。

そうですね。これまでは比較的大きな都市で開催していましたが、今年は北海道や宮城県など、都心から離れた場所でも交流会を開催しています。交流会イベントを始めた当初は、参加者も5名〜10名とかなり少人数でのスタートでした。ただそこから参加人数は増えて、イベントの規模はかなりのものになりました。

物流業界では、対面で会って話をするということを大切にする流れがあります。普段は電話やネットでのやりとりだけだからこそ、私たちがコミュニケーションの場を提供することに意味があると考えています。

対面だからこそ得られるメリット

ー コロナ禍もあり、最近は対面でコミュニケーションをとれる場が減っている気がします。対面での交流会を開催している御社で、よりコミュニケーションが活発化するような工夫はされていますか。

イベントの冒頭に自己紹介の時間を設けたり、参加人数が多ければスクリーンを活用して顔を映しながら名前を読み上げたりと、イベントにどんな参加者がいるのかを周知できるように工夫しています。規模感にもよりますが、参加者200名規模になると会いたい人物を探しきれないケースも出てきかねません。2時間という限られた時間の中で、より多くの方に満足いただけるようなイベントを心がけています。

ー 参加者のコミュニティ拡大を軸にしているイベントだからこその工夫ですね。

他にも、世の中の物流業界のイメージを変えていくために、イベント会場や服装には注意しています。運送会社といえば年中作業着の姿を思い描く方が世間一般に多いかもしれません。しかし、最近の運送会社のホームページを見ると全員スーツを着ていることも多く、少しずつ物流業界自体も変化してきていると感じています。

業界が時代の変化に適応しつつある状況だからこそ、イベントを主催している私たちはより一層身なりやイベント会場選びに注意を払わなければなりません。どんな業界の方が参加したとしても、最近の物流業界の姿を一目で分かってもらえるようにすることも、私たちの役目だと考えています。

インタビューの様子

ー 皆川さんは、対面でコミュニケーションを取る大切さについてどのようにお考えですか。

人と人が会話をする際、対面でしかとれないコミュニケーションがあると考えています。コロナ禍で、オンラインミーティングがよく使われるようになってきましたが、画面越しではその人の雰囲気や本心がわかりづらいです。アンケートで聞いた内容と本心の回答に若干のずれがあるように、単なるやりとりからは計り得ない空気感や人間としての魅力など、対面だからこそ伝わることがあると思っています。

ー 確かに直接会った方が、相手の雰囲気や人となりは理解しやすい気がします。

個人的には、対面で会うことに加えて相手が普段いる環境に自分が飛び込むことも、その人のことを理解する上で重要だと考えています。相手が普段どんな環境で仕事をしているのか、なぜその考えに至ったのかといった思考回路を理解しやすいためです。

言葉で話している以上のことを知るには、会議室の外に出ていくしかありません。一度飛び込んでしまえば、自分のコミュニティも広がるでしょう。そうした意味では、人と対面で会うことは距離を縮める上で有効な手段だと思いますね。


<取材・編集:ロジ人編集部>


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