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ライティングの3つのC(Correct, Clear, Concise)

テクニカル・ライティングの文レベルの基本は、3つのCと言われている。Correct(正確)、Clear(明確)、Concise(簡潔)だ。簡単なようで、実は難しい。

Correct(正確)
正確とは、正しい日本語使いで書くことだ。次のようなミスは、日本語を母国語としている人でも見かける。
● 敬語の誤用
● 「ら」抜き言葉
● 「です・ます」調と「だ・である」調の混在
● 主語と動詞の不一致
● 表記の揺れ(たとえば、同じ単語を漢字で書いたり、平仮名で書いたり)

Clear(明確)
明確とは、誰が読んでも同じ意味になるよう書くことだ。次のような表記には気をつけよう。
● ボーダーの表記(「6/1まで」は6/1を含むのか?)
● 不用意な言葉の言い換え
● あいまい語(たとえば、「できるだけ早く」)
● 「が、」「り、」「し、」「て、」で、意味を込めて文をつなぐ
● 正解の分からない否定(「するな」では、すべきことが分からない)

Concise(簡潔)
簡潔とは、読み手に負担のない短い表現で書くことだ。次のような無駄な情報や冗長な表現には気をつけよう。
● 文章に直接関係ない情報
● 読み手が全員知っている情報
● 類語の繰り返し
● 二重否定
● 回りくどい文末表現(たとえば、「することができる」)

簡単なようで難しい。以下の文の問題点を指摘できるだろうか?(解答は次回以降)
Correct(正確):分野別でみても、トップにランクされていた科学・技術さえ、九五年から米国に抜かれ、その差を広げている。
Clear(明確):分野別でみても、トップにランクされていた科学・技術さえ、九五年から米国に抜かれ、その差を広げている。バブル崩壊後の長期の景気低迷、金融システム不安の中で、政府も企業も目先の対応に追われている。
Concise(簡潔):まず最初に、先端を約10cm程度残して切断してください。

なお、文レベルではなく、文章レベルでの基本は、unityとcoherence である。詳細は、本マガジンの「unityとcoherence」(https://note.com/logicalskill/n/n4528e06ee122)を参照のこと。

テクニカル・ライティングの文レベルの基本は、3つのC:Correct(正確)、Clear(明確)、Concise(簡潔)である。実は意外と難しい。

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