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概略から詳細へ書く(メリット1)

「概略から詳細へ書く」のは、その文章を読むのか、読むならどこを、いつ読むのかの判断ができるからだ。この判断はタイトルではできない。また、この判断は階層ごとにもしたいので、階層でも「概略から詳細へ書く」のだ。実は、先頭の概略は、読み手の職位が高いほど必要になる。

基本ルール(要約の上、再掲):
文章は、最初に大事なことをまとめて書く。つまり、文章は要約から始める。したがって、結果や結論も最初に述べる。いきなり、詳細説明を始めてはならない。また、「概略から詳細へ書く」は、階層でも守る。つまり、階層ごとに、要約から始める。さらに、「概略から詳細へ書く」は、電子メールのような簡易な文章でも守る。情報量が増えたら、最初に大事なことをまとめるのだ。

「概略から詳細へ書く」と、読むのかどうか、どこをいつ読むのかの判断ができる。ビジネスや学術の文章は、手元にある文章を、全て隅から隅まで読むのではない。必要な文章を、必要な箇所だけ、必要な時期に読むのだ。だから先頭に、大事なことをまとめて書く。論文だって、この判断ができるように、先頭にアブストラクトがある。読んではみたが、知ってることや、知る必要の無いことばかりだったのでは、生産性が下がるだけだ。概略が先頭にあれば、読むのかどうか、どこをいつ読むのかの判断ができる。

この判断は、タイトルではできない。タイトルで判断できるのは、ジャンクかどうかだ。つまり、自分の興味に関係があるかどうかだけだ。タイトルで判断したのでは、読んではみたが、価値の低い情報ばかりで、役に立たい文章かもしれない。まして、どこをいつ読むのかの判断など、できようはずもない。タイトルでは読む価値があるかは判断できない。

階層ごとに「概略から詳細へ書く」のは、読むかどうかの判断を、時に階層ごとにしたいからだ。特に文章が大きな場合。極端に言えば100ページ。100ページのビジネス文章を全部読む選択肢はないはずだ。どの階層を読むかは、やはりタイトル(目次)では不十分だ。学術論文も、ビジネス書も、ホームページの解説も、必要な階層だけ読みたいと思うことはよくある。無駄な階層を読まないためにも、階層ごとに「概略から詳細へ書く」のだ。

「概略から詳細へ書く」ことは、職位が高い人ほど望んでいる。大きな組織(100人以上ぐらい)のトップに、ビジネス文章を全部読むという判断はない。トップの仕事は、部下の意思決定が正しいかどうかを判断することだ。自分と同じ判断なら、その部分はほぼ読まない。トップと部下で同じ意見なのだから、詳細な分析を読む必要はない。自分と異なる判断なら、その部分をじっくり読む。部下の意思決定が正しいかを判断するには、詳細な情報が必要だからだ。部下が持ってきた資料を、隅から隅まで読まないと意思決定できないなら、意思決定は遅れて仕方ない。トップほど先頭の概略を求めてくる。

「概略から詳細へ書く」のは、読むのかどうか、どこをいつ読むのかの判断をするためだ。階層でも「概略から詳細へ書く」のも同様だ。先頭の概略は、トップほど必要としている。

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