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ChatGPTの文章を分析する(1):論理性分析

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるので、誰も読まないかもしれない。しかし、このマガジンの趣旨が「ノウハウを後世に残す」ことなので気にしない。いつか、誰かの参考になれば。

対象文章:
ある企業の環境への取り組みを述べた文章を、ChatGPTで改訂させた文章である。4つのパラグラフで構成されている。(本記事の最後に掲載)

ポイント:
第2、3パラグラフは、横並びで書かれているが、縦つながりとした方が論理的だ。第2、3パラグラフとも、Supporting Sentences が、Topice Sentence を支持できていない。

全体構成は、第1パラグラフが要約で、第2、3パラグラフが各論で、第4パラグラフが結論と判断した。第1パラグラフを要約と判断したのは、「環境対策のさらなる向上に努めています」と言っただけで、何も具体的にブレークダウンされていないからだ。また、「環境対策のさらなる向上に努めています」という Topic Sentence が先頭にないからだ。一方で、第2-3パラグラフは、具体的にブレークダウンされていて、Topic Sentence が先頭にある。第4パラグラフは、再び抽象的な話に戻り、かつ、「私たちは、…を追求していきます」のような決意表明をしている。このパラグラフは結論と判断した。全体は、要約(1)、各論(2,3)、結論(4)である。

各論の第2、3パラグラフは、横並びと読める。なぜなら、第2パラグラフは「まず」で始まり、第3パラグラフは「さらに」で始まっているからだ。「まず」は並列の始まりを示し、「さらに」は並列の後続を示す。この接続語句から判断して、2と3は横だ。

しかし、第2、3パラグラフは、並列できる内容ではない。なぜなら、環境保護行動指針とISO14001の認証取得は、無関係ではないだろうからだ。並列とは、同じ種類の情報で互いに無関係な状態だ。たとえば、環境活動の recycle(再生)、reuse(再利用)、reduce(削減)は、同じ種類で無関係だから並列だ。もし、環境保護行動指針による環境活動と、ISO14001の認証取得のための環境活動が、全く別の活動で独立しているなら、この2つは並列における。しかし、そうは考えにくい。第2、3パラグラフは並列できない。

第2、3パラグラフは、縦つながりか包含だろう。環境保護行動指針に基づいた活動の結果、ISO14001の認証取得なら、縦につながっている。あるいは、環境保護行動指針の正当性を、ISO14001の認証取得が裏付けているなら、この関係も縦だ。一方、環境保護行動指針の1項目に、ISO14001の認証取得が掲げられているなら、包含関係だ。環境活動という同じ種類だからと言って、安易に並列してはならない。縦や包含の可能性もある。おそらく、第2、3パラグラフは、縦つながりだろう。

論理性という点では、第2の Supporting Sentences が、Topice Sentence を支持できていない。たとえば、第2パラグラフで、「環境保護行動指針を制定しました」と述べたら、指針の説明をしなければならない。たとえば、「指針では、社内はもちろん、お客様にやっていただく活動や、会社周辺の美化活動、発展途上国での活動を対象にするよう定義しています」のように。その上で、たとえば、「お客様に環境活動をしていただくために、処分しやすい商品を開発しています」と、具体的な対策を述べるべきだ。まず、どんな方針か示さなければ話にならない。

同様に、第3の Supporting Sentences が、Topice Sentence を支持できていない。その原因は、Topice Sentence で、「ISO14001の認証を取得し、省エネルギー…に努めています」と2つ述べてしまったからだ。ISO14001の認証を取得の意義を説明すれば良いのだ。しかし、「省エネルギー…に努めています」と述べてしまったので、この Supporting Sentences も加えなければならない。結果として、ISO14001の認証を取得の意義が説明し切れていない。自社の環境保護活動が国際的な基準に適合していることを具体的に説明すべきだ。

まとめ:
各論が、同じ種類というだけで安易に並列されている。Supporting Sentences が、Topice Sentence を支持できていない。


ChatGPTが生成した文章:

環境問題への取り組み

企業活動を通じて社会に貢献するためには、地球資源の恩恵を受け、その包容力に支えられていることを認識する必要があります。しかし、地球の資源は有限であり、その偉大な力も人類の進歩を支え続けることが難しくなっています。私たちの企業では、「いのちの輝きを大切にする」をモットーに、かけがえのない地球を守るため、環境対策のさらなる向上に努めています。

まず、当社では全社環境委員会のもとに「環境保護行動指針」を制定しました。この指針に基づき、再生紙の活用や近隣の美化運動などの地道な取り組みを行っています。これに加えて、処分しやすい商品の開発や、研究開発・生産・流通の各分野で環境保護活動を展開しています。これらの取り組みは、企業としての社会的責任を果たすだけでなく、持続可能な社会の実現にも貢献しています。

さらに、当社の工場ではISO14001の認証を取得し、省エネルギーや廃棄物削減、再利用率の向上に努めています。ISO14001は、環境マネジメントシステムの国際規格であり、これを取得することで、当社の環境保護活動が国際的な基準に適合していることが証明されます。これにより、環境負荷をできるだけ少なくし、持続可能な生産体制を構築しています。

これらの取り組みを通じて、当社は地球環境への負荷を軽減し、持続可能な未来を築くために努力しています。企業としての責任を果たすことはもちろんのこと、次世代に豊かな地球を引き継ぐために、一人ひとりが環境意識を高め、具体的な行動を取ることが重要です。私たちは、環境保護を企業活動の一環として捉え、今後もさらなる改善を追求していきます。

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