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ChatGPTの文章を分析する(3):論理性分析

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になるかもしれないが、このマガジンの趣旨が「ノウハウを後世に残す」ことなので気にしない。いつか、誰かの参考になれば。

対象文章:
社内論文を、ChatGPTで改訂させた文章である。6つのパラグラフで構成されている。第1-5パラグラフが各論、第6パラグラフがまとめである。(本記事の最後に掲載)

ポイント:
● 問題の原因が分からない
● 唐突な論理展開
● ソリューションが問題を解決するのかが分からない

第2パラグラフで述べられている「個人のノウハウに依存」という問題の原因が分からない。原因が分からなければ、対策が有効化の判断はできない。しかし、第1パラグラフを読み込むと、第2パラグラフで述べた「個人のノウハウに依存」の原因が見えてくる。第1パラグラフに書かれている「必要とされる知識や技術も課ごとに異なります」は、「個人のノウハウに依存」のことだろう。と言うことは、「個人のノウハウに依存」の原因は、第1パラグラフに書かれている「客先の職種に応じて5つの課に分かれており、各課はそれぞれ異なるハードウェアとソフトウェアを用いてソリューションを提供」ではなかろうか。しかし、これはかなり推測・読み込みしないと読み取れない。問題の原因が曖昧だ。

第4パラグラフで、いきなり山田真次郎の著作の話が出てくるので、論理が破綻している。山田真次郎の著作の何を説明し、その内容は、「個人のノウハウに依存」という問題とどうつながるのか。第4パラグラフだけでは、前とはつながらない。第5パラグラフまで読み進むと、前とのつながりが読み取れる。しかし、これでは支離滅裂だ。

ソリューションが問題を解決するのかが分からない。問題は、「個人のノウハウに依存」である。一方、ソリューションは、「人材がダイナミックにぶつかり合う場の創造」だ。なぜ、「人材がダイナミックにぶつかり合う場の創造」が、「個人のノウハウに依存」を解決するのか?その説明が、「個々人が持つ知識やノウハウが組織としての知識やノウハウへと昇華し、新たな価値を創出する力が生まれます」なのだろう。しかし、私に言っていることが理解できない。せめて「組織としての知識やノウハウへと昇華」の具体例がほしい。ソリューションが問題を解決するように読めない。


ChatGPTが生成した文章:

ソリューション部のコアコンピタンス強化のための提案

当社のソリューション部は、客先の職種に応じて5つの課に分かれており、各課はそれぞれ異なるハードウェアとソフトウェアを用いてソリューションを提供しています。このため、必要とされる知識や技術も課ごとに異なります。また、個別受注のため、同じ課内でも異なるハードウェアとソフトウェアを用いて対応することが一般的です。

現在、ソリューション提案は担当者個人のノウハウに依存しており、この状況は当社が競争力を持続的に維持する上で課題となっています。個人のノウハウに頼るだけでは、コアコンピタンスの構築が困難であり、企業の持続的な繁栄も保証できません。なぜなら、コアコンピタンスを持つ人材が継続的に現れることは期待できず、仮に登場してもその人が退職すれば対応が難しくなるからです。

実際、数年前までは当社がA社の事業をほとんど受注していましたが、キーエンジニアの退職により、現在はかなりの苦戦を強いられています。この事実は社内でも広く知られており、個人のノウハウに依存するリスクを顕著に示しています。

山田真次郎氏は、著書『コアコンピタンス創造』の中で、自動車メーカーの月産による世界的ヒット電気自動車「ホライズン」が生まれた事例を紹介しています。「ホライズン」のプロジェクトでは、各部署の若手技術者が集まり、リーダーを設けずに議論を重ねることで新たな価値を創造しました。多様なメンバーがダイナミックにぶつかり合うことで、革新的な成果を生み出したのです。

この事例を参考にすると、当社においても多種多様な人材がダイナミックにぶつかり合う場を設けることが重要だと考えます。具体的には、各課に所属する多様な個人を同じプロジェクトに同等の力関係で配属し、プロジェクトを通じて意見をぶつけ合う場を設けます。このような環境では、個々人が持つ知識やノウハウが組織としての知識やノウハウへと昇華し、新たな価値を創出する力が生まれます。この力が、最終的にはソリューション提案の強化につながると考えます。

以上の提案により、当社は個人依存から脱却し、組織全体でのコアコンピタンスを強化することができると確信しています。多様な人材が集まり、意見を交わし合うことで、より強固で革新的なソリューションを提供できるようになるでしょう。

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