見出し画像

ロジックのブロック図化と正しく書けた文章の3条件(具体例5)

ロジックが正しく組めればブロック図になることを紹介した。また、正しく組めたロジックを文章化すれば、3条件が成立する。そこで、具体例(この記事最後に掲載)を使って、ロジックがブロックになること、3条件が成立することを示そう。

ロジックが正しく組めれば、ロジックは綺麗なブロック図になる。なぜなら、ブロックが思考単位、グロックをつなぐ線が縦横の関係を示すからだ。つまり、ブロック図を組めれば、論理性の分類と接続ができている証左なのだ。詳細は、詳細は、本マガジンの「ロジックを組むとは、ブロック図を作ること」(https://note.com/logicalskill/n/n55bbee52fc4a?magazine_key=mf8caf790fa2e)を参考にしてほしい。

正しく組めたロジックを、パラグラフで文章化すれば、以下の3条件が成立する。詳細は、本マガジンの「正しく書けた文章の3条件」(https://note.com/logicalskill/n/nf76e989e5b76?magazine_key=mf8caf790fa2e)を参考にしてほしい。
1.Topic sentence だけで文章が成立する
2.Topic sentence だけでパラグラフ間の縦横関係が読み取れる
3.Topic sentence だけでそのパラグラフに何が書いてあるかは予想できる

この記事最後に示した文章は、ロジックをブロック図化すると以下のようになる。全部で4つの明確なトピックが見える。前半2つは縦につながり、後半2つは横に並んでいる。縦でも横でもない、他のトピックとの関係が曖昧なトピックはない。

また、Topic sentence だけで文章が成立する(文章例の太字の文)ことがわかる。1パラグラフは1トピック(=思考単位)で、その思考単位が、Topic sentence に書かれているからだ。Topic sentence だけで全ての思考単位が拾える。だから、Topic sentence だけで文章としてつながるのだ。

さらに、Topic sentence だけでパラグラフ間の縦横関係が読み取れる。前半部分は、以下のように言葉でつながっている。
1.社内ベンチャー制の目的ーーー企業内起業家を育成
2.企業内起業を除くとーーー起業率が低い
3.起業率が低いのはーーー投資をためらいがち
4.起業率が低いのはーーー国民の安定志向

さらに、Topic sentence だけでそのパラグラフに何が書いてあるかは予想できる。たとえば、各論の第1パラグラフを例に取る。 Topic sentence は、「社内ベンチャー制の目的は、企業内起業家を育成することで組織を活性化することです」である。であるなら、このパラグラフの中には、「企業内起業家を育成することで組織を活性化」できる理由(Reason)や具体例(Example)が述べられているに決まっている。同様に、各論の第2パラグラフを例に取る。 Topic sentence は、「しかし、日本は、企業内起業を除くと起業率が際だって低いのが現状です」である。であるなら、このパラグラフの中には、「起業率が際だって低い」ことを示すデータ(Evidence)や具体例(Example)が述べられているに決まっている。

社内ベンチャー制を立ち上げるに当たり、日本でベンチャー企業が成功しにくい理由について分析しました。ベンチャー企業が成功しにくいのは、投資会社不足と国民の安定志向が原因と考えられます。

社内ベンチャー制の目的は、企業内起業家を育成することで組織を活性化することです。企業規模の拡大つれて、組織が硬直化しやすくなります。現状維持でも利益を生むためです。その結果、斬新なアイデアや意欲ある人材が組織の中で埋没してしまいます。その埋没しているアイデアや人材を掘り起こそうというわけです。

しかし、日本は、企業内起業を除くと起業率が際だって低いのが現状です。米国の起業率は13%、欧州各国は4~8%であるのに対し、日本はわずか1%しかありません(下図参照;図は省略)。先進国の中ではダントツに最低です。

起業率が低いのは、投資会社がベンチャー企業への投資をためらいがちなせいです。日本におけるベンチャー企業への投資総額は、734億円(2008年統計)と、アメリカの約1/40に過ぎません。投資が得られなければ、ベンチャー企業は成功せず、成功しないベンチャー企業に投資する会社が減るという悪循環が生じています。投資会社から資金が得られなければ、起業家が一般金融機関から短期で借り入れしなければなりません。これではリスクが高くて、起業マインドが育ちません。

また、起業率が低いのは、国民がリスクを嫌う安定志向なのも原因です。若者には大企業志向、安定志向が広がっています。学生の就職人気ランキングを見ても、ある特定の業界が人気を得ているのではなく、各業界のトップクラス企業へ人気が集中しています。同じ業界でも、1番手は人気が集まるものの、2,3番手は人気が下がるという二極化傾向が見られます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?