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3つの「C」の Clear(明確に書く)

明確とは、誰が読んでも同じ意味になるよう書くことだ。たとえば、以下の点に注意しよう。ChatGPTなど、ツールでは対応しきれないことも多い。
● ボーダーの表記
● 不用意な言葉の言い換え
● 曖昧な語
● 文と文の曖昧な関係
● 正解の分からない否定

ボーダーの表記:
ボーダーラインが含まれるのか、含まれないのかは明確に表記する。たとえば、「6/1まで」は、「6/1」は入るのか、入らないのか?日常のコミュニケーションなら、「6/1」は入るのが普通の認識だろう。だが、法律になれば話は別だ(アメリカの法律では「6/1」は入らない)。そこで、自動車保険などは、「6/1の午前10時まで有効」と書かれている。ボーダーラインがトラブルを生じさせかねない場合は、明確に表記しよう。

不用意な言葉の言い換え:
安易に言葉を言い換えずに、同じ意味なら同じ単語を使う。たとえば、「パラグラフ」を、文章中で「段落」と言い換えてはならない。なぜなら、読み手は、書き手が「パラグラフ」と「段落」を使い分けているのか、同じ意味に使っているのかが分からないからだ。「パラグラフ」という言葉を使ったら、同じ意味を指すときは「パラグラフ」で通す。若干くどくても、言い換えてはならない。どうしても言い換えたいなら、誰が読んでも同じ意味としか取れない言葉を使う。たとえば、「この概念は」のように「この〇〇」と言い換えると良い。しかし、原則、同じ意味なら同じ単語を使う。

曖昧な語:
読み手によって意味の変わる語は使わずに、明確な語を使う。たとえば、「できるだけ早く」は曖昧だ。読み手は、「今週は忙しいから来週に」と思うかもしれない。明確に期日を指摘しよう。その上で、理由を書くと丁寧で良い。「12日までに顧客に届けたいから」など。「誠に勝手ながら」では理由にはならない。曖昧な語ではなく明確な語を使おう。

文と文の曖昧な関係:
文と文の関係は、接続語句などで明確に表記する。その関係を内容から読み手に読み取らせてはならない。たとえば、下記の例(社説から引用)では、2つの文の関係が曖昧だ。後の文は、前の文の理由を述べているのか?それとも、「それにもかかわらず」のように逆接なのか?どちらにも取れる。

悪い例:分野別でみても、トップにランクされていた科学・技術さえ、九五年から米国に抜かれ、その差を広げている。バブル崩壊後の長期の景気低迷、金融システム不安の中で、政府も企業も目先の対応に追われている。

正解の分からない否定:
否定文は、曖昧になりやすいので、できるだけ肯定文で明確に表記する。否定文は、間違いを指摘しているだけで、正解が分からなくなるときがあるのだ。たとえば、ある社内食堂のゴミ箱に「マクドナルドのゴミを捨てないでください」と書いてあった。では、マクドナルドのゴミはどうするのだ?「マクドナルドのゴミはお持ち帰りください」か?「マクドナルドのゴミは、別のゴミ箱に捨ててください」か?「マクドナルドで買った商品を持ち込まないでください」か?否定は曖昧になるので肯定文がほしいのだ。

誰が読んでも同じ意味になるよう明確に書こう。特に、以下の点に注意が必要だ。
● ボーダーの表記
● 不用意な言葉の言い換え
● 曖昧な語
● 文と文の曖昧な関係
● 正解の分からない否定

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