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文章を書くとき、日本語と英語で差はない

昨日、日本語は、文における情報の流れが作りにくい言語であることを説明した。しかし、文ではなく、文章なら、日本語と英語で大きな差を感じることない。違いを感じるなら、教育や文化の差に過ぎない。時々、おかしな説明を聞くことがあるので、誤解を解いておこう。

誤解:「英語は文頭に主語と動詞がある。だから、文章も結論から述べる」
根拠が根拠になっていない。「文」の構成と、「文章」の構成は別物だ。英語圏で結論を先頭に置く文章をよく見るのは、そう教育されているからである。アメリカでは、PREP構成のパラグラフを小学校2年生で学ぶのだ。英語圏でも、意識しなければ、やったことをやった順に説明してしまう。実際、結論が最後に来る説明をよく見る。

誤解:「英語は論理的な説明に向いている」
論理的であるかは言語と関係がない。英語だと論理的に説明でき、日本語ではできない根拠がわからない。英語を使うから論理的考え、説明できるのではない。論理的に説明する教育が熱心なのが英語圏なのだ。通常、欧米では大学一年生の時に、論理的に書くことを一年かけて学ぶ。一方、日本で同様のシステムのある大学は数える程度にすぎない。

誤解:「英語だとYES/NOなど、意見を明確に言える」
これも言語と関係はない。日本語でも明確に言える。単に、日本人は婉曲的な表現を好むというだけのことだ。英語には、日本のような婉曲表現がないことも多い。日本語なら「と思われる」と書くところを、"We conclude", "This indicates" のように明確に書くことになる(このことは後日論じる)。

ちなみに、「英語圏ではYES/NOをはっきり言う」は誤解である。YESは、はっきり言うが、NOは、はっきりとは言わない。なぜなら、NOをはっきり言えば、敵対したり、ビジネスをロストしたりするからだ。
 I disagree with you.
なんて、教養なある人は言わない。
 I have another opinion.
と言ったりする。

文章なら、日本語と英語で大きな差はない。違いを感じるなら、教育や文化の違いである。

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