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見出しが連続することはない

階層構造のある文章では、見出しが連続することはない。見出しが連続したなら、階層の総論(要約)が抜けているのだ。

階層構造の見出しが連続している文章を見ることがある(下図参照)。下記の例で言えば、2.2節の見出しと2.2.1項の見出しが連続している。

”RLAIF vs. RLHF: Scaling Reinforcement Learning from Human Feedback with AI Feedback", Harrison Lee. , 2024.9.3, arXiv

しかし、階層構造の見出しが連続することはない。なぜなら、その間には総論が必要だからだ。上記の例で言えば、2.2節の見出しの下には、2.2節の総論が必要だ。この文章は、2.2節で総論を述べずに、いきなり2.2.1項という各論を書いてしまっている。見出しの下には、その階層の総論が必要なのだ。したがって、見出しが続けて並ぶことはない。

階層に総論があれば、読む価値があるかの判断ができるし、その階層を読みやすくもなる。たとえば、上記の例で2.2節の総論は、"We setup two RLAIFs, Canonical RLAIF and direct-RLAIF (dRLAIF)." となる(後続の文章から判断)。この総論があれば、この階層で何を述べているかが分かるので、詳細まで読む必要があるかの判断もできる。2.2.1項と2.2.2項が並列であることも事前に分かる。2.2.3項がない、あっても重要でないことも分かる。読み手は、読むかどうかの判断もしやすいし、理解もしやすい。

逆に総論がないと、読み取りに苦労する。たとえば上記の例で言えば、2.2節が何項で構成されているかは読んでみないと分からない。2.2節を構成している節が、横に並びか縦つながりかも、内容から読み手が判断するしかない。2.2節で何が重要なのかも、読み手が読み取るしかなくなる。総論がないと、読み取りが読み手に任されるので、読み手の負担が増えるのだ。

さらに、総論がないと、ロジックは甘くなる。なぜなら、総論を書かないと、いい加減に、思いついたトピックを項の見出しにするからだ。一方で、総論を書くためには、下の階層のの見出しを集めて文章化する。見出しが論理的に構成されていれば、見出しを集めて短い文章ができる。逆に言えば、短い文章ができるように、見出し(文章構成)を決める。ロジックを組む意識が強くなる。しかし、総論を書かないと、適当に項目を羅列するだけの、いい加減な論理構成になりやすい。

階層構造の見出しが連続で登場するすることはない。見出しの下には、階層の総論が必要だ。

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