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これからのブルーカラーに求められるスキルセットについての考察

サボりにサボったnoteだが2022年も年末を迎えた今、改めてこのテーマで書いていこうと思う。
事前に銘打っておくと私はブルーカラーであることを誇りに思っているし、これはあくまで「役割」の話であるので分かり良いタグ付けとしてブルーカラーという文言を使用していることを申し上げておく。
※またこの点については耳コンテンツにはなるが橋本愛喜さんのSpotifyでよくよく解説をされているので宜しければ是非。

私もSE/web directorというホワイト職を退き早や6年が断つ為タイムリー性に欠けるし今から記すことを自身が徹底出来ているとは到底思わない。
見解も狭き車窓からの風景ではあるので内省の意味も込めて年末にこのトピックで書いてみようと思う。

ブルーカラーのスキルセットとはなんぞや

さてさて、ブルーカラーのスキルセットとはなんぞやという話であるが元号が変わって令和4才を迎えつつある今、実体験としてなにか大きく変わったという体感はまだない。

とりわけコロナを経てアップデートされたホワイトカラー業種と比べ、重い足を引きずりながらも何とかやってきた(来れてしまったという方が正確か)だけに隔世の感からは程遠いというのが正直なところだ。

だが2024年問題を筆頭にこれからやってくる冬の時代に向けてマインドチェンジを起こしていかなければ早晩根幹から崩れ去るのは目に見えている(ことミニマムな世界観ではスキルを持った人材に対する需要増は切ってもきれないのだが・・)

そこで私が考えるこれから必要となるブルーカラーのスキルセットについて考察してみる。

  1. 知的体育会系

  2. デジタルリテラシーの向上

  3. 効率よく働く力またそれを描く力

  4. やりがいの自給自足を妄想・実現出来る力

  5. ロジカルシンキングとコミュニケーションスキル

①知的体育会系

まず早速引用にはなってしまうがこの言葉自体は知人から拝借したものだ。
これからも必要でないとは決して言えないが今までの物流業界には圧倒的に体力が必要だった。
1つの改善よりも1つの荷物を。
規制緩和前まで遡ると運べば運ぶだけ仕事が増え、労働時間や働き方など二の次で「24時間働けますか?」を地で行く様に体力のあるなしが如実に問われてきたことは間違いない。
だが今後はこの点が大いに異なってくると推測する。
2024年問題を皮切りに今までと比べ一つの配送、一つのピッキングに「かけられる時間」が明確に違ってくるのだ。
そんな時に必要なのは常に当たり前を疑い、門を叩いてくる新人の言うことですら「誰が言ったかでなく何を言ったか」と疑い柔軟に血肉とする力だ。
また自分なりの勘や経験則とデータなどのファクトを織り交ぜた推察を立て臨機応変に対応していくことも必要となると感じる(この点は配車マンや倉庫マネージャーに問われる資質も大きく絡んでくる気はするが)
これは「背中を見て学べ世代」が多く存在する物流業界ではかなりのマインドチェンジを問われる事項だ。
だがそれくらいの感覚でないと流れてくる荷物とただただ対峙しているだけでは需要はありながらも良い仕事/職場を選んでいくことは出来ない。
管理・経営層も現場もこの点は留意して考えていくべきだろう。

②デジタルリテラシーの向上

今までは「俺はスマホとかわかんねえから」で片付いた部分も多いだろう。
だが今後は倉庫で働いていれば例え小さな倉庫であっても少量のロボットやソリューションであれば協働していかなければならない環境というのは人口減の世の中から推測に難くない。
またドライバーも配送先ではバース予約から何からスマホをベースに何某かの作業を求められる環境も増えてくる(というか既に増えている)
これはなぜ起きるかというと荷主サイドがDXの潮流の中にいるからであろう。
下流にいる我々だけが逃れ仰せると思うほうがむしろ不自然だろう。
また数は少なくあるものの入ってくる若手は軒並みデジタルネイティブである。
また昔ながらの激昂による教育なんてことも時勢柄難しい。(というよりしてはいけない)
そんな中、彼らと会話し動いてもらうにはスマホを起点に話せないと未来は暗い。経営層も定着を望むのであれば彼らの中である程度「時代的に正しい」感覚知というのは持っておいて損はない。
デジタルツイン,AI,ブロックチェーン,IoT,Web3など耳タコなテクノロジー革命が規模を問わず物流業界へ横断的に普及する世の中は私もまだ先だと思う。
だが実際問題小波は近場でさざめいているのだ。既存の叡智とテクノロジーとの調和が望まれる。

③効率よく働く力またそれを描く力

何の目新しさもなく且つ①と重複する部分が多いのは承知だがこれは目下必要となってくる。
ダラダラと荷待ちをしながら長時間働くというのは世間も会社も許さない世の中になってくる。
そんな中求められるのは効率よく働く力に他ならない。また最適化というのとも少し異なる。
余白を生み出し、改善を生み出すループに入らなければ先はないと言いたいのだ。手を動かしていない≒サボっているという感覚が大きい業界。
パソコンの画面でなくGPS等でリアルに動いている様を管理者にも見られることも他業界よりも多いかもしれない。
そんな中、人間がやらなければならないルーティンに近い作業に対しては効率化をガンガンと進めその先を見ていく。
この能力は必須となる可能性が高いと感じる。
余白なく改善なく無作為に進めていては良い仕事は減っていくだろう。

④やりがいの自給自足を妄想する力

こと単調作業でやりがいがないと思う方が多い業界ではあるがやりがいとは果たして与えられるものなのだろうか。
やりがいとは単調な作業下にあっても周囲を巻き込み自身で見つけ成し遂げていくものである。
小林一三氏ではないが

「下駄番を命じられたなら日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」
出典:https://motivation-up.com/word/003.html

という感覚を持ち、誇りを持っていればホワイト業種よりも面白い仕事だと感じることも容易なように見える。
安心してほしい。この業界はまだ「やっていないこと」だらけなのだ。
改善など少し現場を見渡せば輝く宝石は沢山落ちている。
慣例/慣習/掟/常識。
そんなフィルターを取っ払い、自由にクリエイティブに。
トップの意志が多分に必要なケースが多くはあるものの、突き抜けていく企業は上記を大事にしている気がしてならない。
不平不満が出るような環境であれば働く会社を変えてみるのも悪くないと思う。妄想したやりがいを実践することこそ寛容だ。

⑤ロジカルシンキングとコミュニケーションスキル

ブルーカラーは右脳タイプが多いように感じている(かくいう私もその一人だ)
世間の評価とは裏腹に頭の良い人も多く、例えば積付け・はい付けなどはどう考えても数学的な素養が必要である局面が多い。ただそれを感覚的にやっている様をよく見る。
また庫内の整理などに関してもレイアウトを瞬時に脳内で描くスキルに長けている人が多いのは身を持って体感している。
コミュニケーションとしてはチャットツールでやり取りする必要性が今後は更に増してくる。
現状結論から話して経過を説明して・・というようなある種まどろっこしいコミュニケーションに遭遇する機会は少ない。
それは長年築いた関係性やコンテキストの賜物であったりするのだが若手にはどうにも伝わりづらく、また電話からコミュニケーションツールが変遷している昨今において未だに伝言ゲームのミスも度々発生する。
そんな折、正確に物事を相手に伝える
ということの重要性は上がってくるように感じる。
例えばよくある局面としては写真を使っての現状説明であるが写真スキル・・はそこそこで良いとしても今現場の現状がどうなっていてどのように対応をしてほしいのか
がきちんと左脳を使って説明出来ることはベースのスキルとなってくるように感じる。

とまあ浅薄且つ泥臭い乱文ではあるが私が感じるのは上記のような事柄だ。

スーツを着ている管理層がどうのこうのと対立している場合ではない。
当然フィールドは違えどブルーカラーにも優秀な人間は沢山いるし、もっと現代に即したスキルを身につければ結果も自ずとついてくるのだと望みたい。

これから更に人材が減るのは火を見るより明らかな中で残された我々ブルーカラーに出来ることは決して少なくはない。
また描く未来も世間に言われる程には暗くはないと思っている。
極端ではない多様性という波を巻き起こすべく若手にも魅力的に映る業界へと進化しどんどん戸を叩いてもらいたい。

また若いうちにブルーカラーを経験するというのは私としては有益だと感じる。キャリアの差別化の観点でも現場から波を起こす存在になっていくというのはどうだろうか。

実体験を通し、そう強く感じる次第である。

偉そうに弁舌垂れたとて、何も成せなかった2022年である。
2023年こそは一歩二歩と牛の歩みで良いので千里を目指し前進をしていきたい。

※最後に。AI(stable diffusion)が描く未来のトラックが↓らしいw

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