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他業種の方目線で考えるトラック業界の荷待ち時間に対する質疑応答備忘録

以前全く異業種の方から運送業界について教えて欲しいと頼まれ、狭い視野・情報ではありつつも御回答を致しました。業界に浸かっていると何がスタンダードかが分からなくなる。そんなことは世の常で改めて考え直す良い契機となりました。

Q.ドライバー抱えていろんなとこに頼まれた荷物を都度運ぶという感
じなのですかね?

A.これは色んな形態があります。
自社便専門(超大手型):自社に保有するトラックのみで全てを網羅する。大口(多くの荷物の配送)を得意とする。
路線会社型:大手ヤマト・佐川・西濃等小口(少量で件数が多い)を得意とする。
がメジャーなところで他にも傭車(他の運送会社)を使ってるところもあり、これは多岐にわたります。
単純に全部自社で運べない理由としては

①対応エリア(東北・沖縄には行っていない等)
②トラック台数(台数が少なく出荷が追いつかない)
③取扱種別(冷凍車がない為、クール宅急便を利用等)
④物量(少量過ぎて自社で行けない・多すぎて台数が足りない等)

等の問題です。
組み合わせモデルも一般的で一次請けを担った後、自社便/傭車で大口の荷物を捌き、小口は路線会社を使うというスタンスもあります。


Q.待ち時間があるとかは普通なんですか?
A.結論ケースバイケースです例えば商店さんへ荷物を運ぶような場合、荷物を下ろす待ち時間はあまり発生しません。
極端な話、街のお米屋さん・惣菜屋さん等は店舗も小さく入出荷する荷物も少ないというのは想像に難くないかと思います。さっと行ってさっと帰るみたいな荷降ろしが可能です。(ごく稀に荷物をお店の棚に全部置いてくれ等依頼があったりしますが。。)
ただ、港にあるような大きな荷受け場は話が違い、一日に受けきれないような荷物がわんさか出入りします。
その際、今までは「早いもの勝ち」の原則で朝早くから着いたトラックから順に下ろす等が普通でこの際に発生する荷待ち時間が(長くなると4~5 時間も・・)我々の業界をドブラック化させる大きな要因でした。
そこで派生してきたのがトラックバース予約システムで飲食店の予約システムとほぼ同様。
何月何日の何時に荷物を下ろすので予約させてね。という仕組みです。
これによりドライバーは荷待ち時間を大幅に削減出来、業界にとってハッピーハッピーという風になる・・はずでした。
何故「はず」かというのは下記のような事象起因によりそう上手くは運ばないからです。
※ここからは私見になります。

・道路状況により指定した時間に搬入出来ない
・1車が複数件を回っているため、一箇所だけがバース予約システムを導入したとて全体での最適が測れない
・中小だと件数が大手ほどではない為、待たされるところには朝早く行き、他は後回しとしたほうが業務上スムーズ
・アナログ故の連携不備→連絡は電話でしたい等

のような意見もあります。
個人的には業界のホワイト化に先駆ける良い仕組みだとは思いますが実態は恩恵を受ける・利用出来るのが一部のみという仕組みです。

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上記簡単にはなりますがログを公開することで何かのお役に立てれば幸いです。

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