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映画「そばかす」

snsを見ていたら偶然目に入った「そばかす」という映画。
ポスター写真の、ドライブマイカーに出演していた女優さんに惹かれてNetflixで鑑賞した。

あらすじ:他者に恋愛感情をもたない女性が恋愛至上主義社会で生きる苦悩を描いた作品。

この作品は、自分自身の思考の選択肢が増やしてくれた。
この作品の主人公の蘇畑は、アセクシュアルだった。
アセクシュアルとは、他者に対して性的欲求や恋愛感情を抱かない人のこと。
この映画を見るまでアセクシュアルという言葉を存じ上げなかった。

この映画の終盤に家族団欒でご飯を食べるシーンが私は好きである。
夕飯を食べる場面では各々の抱える気持ちをぶちまける錯綜としたシーンとなっているが、所々でコメディ要素が含まれていて思わず笑ってしまった。当事者ならそうもいかなかったろうが、客観的に見ると蘇畑のおばあちゃんのように笑ってしまうのだろう。

場面は移り、朝食を食べるシーンになる。
昨夜のいざこざのせいでむしろ自分のやりたい仕事をする決心をし元気ハツラツな父親がその場の空気に作用して、家族みんなが笑いあうシーンはとても見心地よかった。

またシンデレラの蘇畑のアレンジver、全て見てみたかった。きっと内容はこの映画と同じようなことを発信する御伽話となっているのだと想像してみたり。

この映画を私は実体験を重ねながら鑑賞した。私はアセクシュアルではないが、以前付き合っていた人がそうだったかもしれないという疑念が浮かんだからだ。

鑑賞前まで私は彼女に対してひどい、あんまりだ、もう会いたくないと思っていた。
だけど、この映画を見て、彼女の真意を確かめたくなった、会って話したくなった。

もう会えないしそれは仕方ないけど、私は彼女をアセクシュアルだと思うことにした。
自分勝手な都合の良い解釈かもしれないけど、自分の気が少しでも楽になるのであればと思う。

そして知識の豊富さはそのまま自身の取り得る選択肢の数と比例していると痛感した。
もし私がこの知識を以前から持ち合わせていたとしたら、もっと彼女と上手く関係を続けられたかもしれないと思い、少し後悔している。

恋愛至上主義について考えるきっかけ、三浦透子さんの魅力を知れた素敵な映画だった。

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