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青い目のヤングライオン

誰でもない、かつてのジェイ・ホワイトだ。

今や若干26歳にして、IWGPヘビー級チャンピオン。

キャリア6年での偉業である。


さらに言えば、新日本に来てからは4年足らずでの出来事であり、その速度の速さを感じさせる。

現実的な話をすれば、今の彼はまだその試合内容やマイクアピール1つで観客を動かすまでには至っていないし、おそらく自らが描く王者像と観客の反応の狭間で苦しむ事になるだろう。

しかし、それは、棚橋も、中邑も、オカダもそれぞれ形は違いながらも通って来た道というわけなので、個人的には団体のプッシュがというのはナンセンスだと思うし、必ずしも時が来なければ巻けないというものでもないとさえ思っている。(逆に、ジェイが巻いた事でタマが巻くことはなくなったかなぁとは思うのだけども)

ケニーが離れた今、マジソンスクエアガーデンでの興行を前に外国人に刺さるガイジンチャンピオンが欲しかった事情も分かるし、実際1年もかけて、オカダ、棚橋を脅かすまでのキャラクターに育てたというのも事実だ。

ましてや、彼は道場で暮らしたヤングライオン出身であり、他所から来たガイジンレスラーとは違う。ある意味、この後の10年を占う意味でもジェイがどうやって国内の新日ファンを魅了し、海外のレスリングファンの注目を集める事が出来るのかというところを楽しみにしてみてほしいのだ。

新日の歴史の中で、やはり一定のタイミングで日本人待望論というのが生まれてくるのは事実だし、ケニーが爆発的にその評価をひっくり返したのも、マイクで日本語を喋った瞬間だった。しかし、先日記事にしたようにグローバル化が進んでいく中で、日本語ではないコミュニケーションの割合だったり、選手の活躍だったりが増えていった時に、見ている人間がどう受け止めるのかという問題になっていく。ジェイという人材はまさしくその狭間にあると言える。

個人的には、粗暴ではあるがクラシカルな技を見せるところがあるので、SANADAとがっちり作品を作ってほしいのだ。寡黙ながら華のある動きを見せるSANADAと危険な色気を漂わせるジェイの攻防はアイテムを使わずともハードな試合になるだろうし、LIJとBCの全面戦争でリングが入り乱れるのだって面白いだろう。まだ若いチャンピオンが切り開いた新時代の扉は開いたばかりである。

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