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伏見瞬の買って着た服批評 その3 JULIUSのスカートパンツ

 あるある時期から、かぶいている服ばかりを買うようになりました。批評家として人目に付く仕事が増えてきたから、というのは半分は本当だが半分は嘘で、実際は大して人前には出ません。たまにトークイベントに出る程度。私はもっと人前での仕事が増えるから、事前準備として服を買っていると思っているのですが、人前での仕事が増える保証はどこにもない。


 もともとから服への興味は音楽とセットで、夢中になったバンドやミュージシャンへの憧れから服装を気にするようになりました。以前は周りから浮かない程度に程よくエッジが効いている、くらいのポイントを目指していた記憶もありますが、周囲への配慮をしているとむしろ大事なものを取り逃がすとどこかで確信しました。若い人の配慮というのは配慮ではなくて大抵はビビりと恥ずかしさの合成物質である。カジュアルな服はすでにある程度持っているし、買うのは馬鹿みたいに楽しい服がいい。「馬鹿みたいに楽しい」という意味で「かぶいている」と言っている。歌舞伎の伝統とは関係ない(『花の慶次』とは多少関係ある)。

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