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コンテンツガイド1月号(テーマ:原風景)「『BTTF』から『ザ・ウォーク』まででたどるロバートゼメキス小論:ゼロの風景」 イトウモ

 初めて見た『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ(以下、BTTFシリーズ)はPART3だった。確か金曜ロードーショーでの放映だったと思うが、まだ子どもだった私は意図せず偶然シリーズを最後の作品から鑑賞した。

 あらためて紹介するまでもないだろう。本作は科学者ドクが発明したデロリアン型タイムマシンが、1985(当時の現代)年、1955年、2015年、1885年と四つの時代を行き来するSFスペクタクルだ。3作目は1作目のラストで1955年にマクフライを1985年へと送り返したドクが、2作目のラストで再び1955年を訪れこの時代に取り残された主人公マクフライと再会する場面から始まる。1作目のヒットを受けて2作目と3作目を同時製作したため、前作と合わせて見ることを前提に始まるこの第3作目。当時小学生だった私にはいきなり「途中」から始まるこの映画のプロットがまるでよくわからなかった。しかしそれでもなんだか面白いというわくわく感だけが心に残って、後日1作目と2作目を探してレンタルビデオショップを訪ねた。

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