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株式会社Sapeet 尾形さんに聞く「AIロープレ」【突撃!隣のプロンプト!】

本記事は、AI人材リモートアシスタント「ロコアシ」による企画記事です。
株式会社Sapeet」取締役・ソリューション事業部長の「尾形友里恵」様から、セルフで正しく営業力を強化できる生成AIサービス「AIロープレ」についてお話を伺いました。
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「ひとを科学し、寄り添いをつくる」ことをミッションとする株式会社Sapeet

——読者の方に向けて、御社と尾形様のご紹介をお願いします。

株式会社Sapeetの尾形です。弊社は、2016年から東京大学発の技術系企業として活動しています。

弊社では、AI身体分析技術や生成AI技術を活かした接客・営業DXを推進しています。独自の技術をAIロープレやAIメールなどわかりやすく使いやすいシステムとして提供し、幅広い事業者様の販売促進〜システム開発・運用を支援している会社です。

弊社は「ひとを科学し、寄り添いをつくる」ことをミッションとしており、姿勢分析、顔分析、パーソナルカラー診断、骨格診断などのAIサービスを開発し、ヘルスケア店舗の接客などにご活用いただいておりました。

株式会社Sapeet公式サイト:https://sapeet.com/

その中で、接客にAI診断を取り入れた店舗の、初回の入会率や顧客単価などの数値が顕著に伸びる事例が出てきました。

診断を取り入れただけで何故著しい数値変動が起きたのか検証していく中で「営業を科学する」という観点がフォーカスされていきました。診断を受けることで顧客は早期に担当者を信頼でき、スタッフは迅速に顧客情報を把握し、プロの知見を活かすことができます。

気を遣わずにいつでも頼れる秘書ができたような印象だったChatGPTのファーストインプレッション

——ChatGPTのファーストインプレッションを教えてください。

気を遣わずにいつでも頼れる秘書ができたような印象です。初めて使ってみた時、事前は「どの領域で活用できるのか、特化型なのか、どのような領域に活用できるのか」興味がありました。

実際に使用してみると、やり取りを繰り返す度に、秘書の品質やキャパシティが向上し続ける感覚がありました。人間の場合も、成果を出せるかどうかは上司や同僚のやり取りに依存するところが大きいと思いますが、AIもそのような側面があると感じています。

「AIメール」から、営業領域で言語化されていないものが明らかに

——「AIロープレ」誕生までの経緯を教えてください。

「ひとを科学し、寄り添いをつくる」というのが私たちのミッションです。人の身体性、精神性、行動をデータとロジックで分析し、可視化して、この分析をもとに、現場で簡単に活用できるようにした結果、人々が自分のポテンシャルを最大限に活用できて、生活の質が高まることを目指しています。

多くの生成AI技術が使われていますが、いちから活用を試みた場合、何度も対話を重ねて質を高める必要があります。「ChatGPTのアカウントを与えるから、営業力や業務効率をX倍にして」という指示を実現するのは難易度が高いです。

そこで、弊社では業務に馴染むような、必要なインプットが最低限で済むアプリを開発し、普段かかる時間を短縮し、欲しい業務成果を出す体験を提供しています。皆さんが現場で営業や作業をする際には、頭を使わなくても、普段やっていることをインプットするだけで、自分で一から考える必要があったことが、AIによるドラフトの生成によって省力化されることを目指しています。

最初に開発したのはAIメールでした。メールはみな無邪気に使っていますが、実際は自分の中に存在するテンプレートを言語化せず、新しいメンバーが来ても、誰もメールの品質のレビューをせずに送付させています。

メールはどんどんテンプレ化して、本当に必要な、逆に聞くべき要素を商談の中で聞けるようになることが教育にもなります。

AIメールの開発を通してメール業務を言語化していくことで、営業領域でまだ言語化されていないものが多くあることが明らかになりました。そのうちの一つが、例えば営業マニュアルや営業の練習、ロープレです。

セルフで正しく営業力を強化できる「AIロープレ」

——「AIロープレ」について、詳しく聞かせてください。

営業マニュアルや営業の練習、ロープレは、非常に属人化しており、実施するのに時間がかかり、やる側のスキルにも依存します。効率の良い方法で実施できるよう、できるだけ工数を圧縮することが重要です。

セルフで正しく営業力を強化する「AIロープレ」は、必要な人にだけ必要な情報が届くようにするプロセスで、皆さんのポテンシャルを解放し、無駄なく効率的にスキルを磨けるように設計されたサービスです。

かつて、商談や接客から得られる情報は、ヒアリングベースの情報しかなかったのですが、売れる営業員の接客の録画や、商談の録音を文字に落とし、様々な生成AIを使い「売れる要素」を事実に基づいて分析することが可能になりました。

ハイパフォーマンス分析を行った結果、AIロープレを使って正確な商談を再現し、誰もが気兼ねなく反復練習ができるようになりました。これにより、量と質の両方を向上させることができるようになりました。

AIロープレでは、普段行っていることをしっかりと言語化し、大切な点だけを抽出します。必要な人は反復練習を行い、そうでない人にはすぐに満点を取れて、ロープレが不要だと判断できる設計になっています。

業務に無理なく馴染むような、一番インパクトの出る課題に特にフォーカスを当て、段階的に業務の質を改善

——「AIロープレ」のプロダクト開発において、尾形さんが特に重視されているポイントは何ですか?

当社のミッションには「寄り添いを作る」という言葉が含まれています。

感情的にも時間的にも負担をかけないように、いかにプロダクトを馴染ませるかが非常に重要です。当社は自社で受託開発と事業運営を行っており、また、新規事業も積極的に推進しています。

あるべきことを全て指摘されても、実際に今できることは限られています。やるべきことは100あるかもしれませんが、最も効率的かつ効果的に実施できるものを選んでサポートします。

このプロセスは、その人にしかできないことであれば、その一つに集中できるように他の業務を容易にすることにもつながります。その結果、業務に費やす工数が増え、主要なKPIが適切に向上します。

かつてZOZOスーツが人気だったような時期、弊社でもAIで体を科学する案件がアパレル業界を中心に増加しました。当時はAIが体を科学するということ自体が新規性があり、お客様にご満足いただけるサービス提供ができたと思います。一方で、AIが浸透するにつれて、ただAIで分析するだけではなく、顧客体験に馴染ませて、収益にもつながる取り組みにすることが求められていると感じています。

その後の自社の事業推進では、お客様の業務に無理なく馴染むような、一番インパクトの出る課題に特にフォーカスを当て、段階的に業務の質を改善し、影響力のあるところを一つずつ解決しています。

ChatGPTをとりあえず導入したけど、結局使わなくなったという相談を受けることもありますが、一定の納得感もあります。「何でもできる」という若手社員よりも、例えば「議事録なら僕におまかせください」という若手社員の方が、多分うまくやり取りできる同僚が多いと思います。

ビジネスメンバーも生成AIを活用し、エンジニアの力を借りずに業務を自動化

——自社のプロダクト・サービス以外に、生成AIを業務で活用されていますか?どのように活用されていますか?

日常の疑問を解決するために、また親和性のありそうな会社様のリストアップや新規のお客様と会う前の基本情報調査など、これまで時間をかけて行っていたことをどんどん自動化しています。

エンジニアの力を借りずに自動化できていくので、ビジネスメンバーも効果的に生成AIを活用できています。

生成AIを活用する際の課題は「100%の精度を達成することが難しい」こと

——生成AI活用における課題や難しさを感じるところがあれば、教えてください。

生成AIを活用する際の課題として、100%の精度を達成することが難しい点が挙げられます。顧客接点での利用には、どのように最適解を見つけるか常に考えています。

また、新しいAIモデルが次々と登場するため、開発したばかりのものがすぐに汎用的な解決策として提供されることになると、投資した意味が薄れることを懸念しています。競争力を保つためには、どの技術に投資するかを慎重に選ぶ必要があります。

他社が同じ分野で成功を収めた後に投資することも検討していますが、そうした動向を見守りながら最適なタイミングで行動を起こすことが重要です。

生成AIを今から使うのは、決して「チャレンジャーになりましょう」という意味ではない

——この記事を読んでいる方に生成AIをお勧めしていただけますか?

昔のAIは、難しく、高く、一定量の大量データを持っていないと活かせないものだったと思いますが、誰でも、あまり開発コストをかけずにも使えるツールがたくさん出てきました。しかも、特定の業務しかできないツールではなく、汎用的に使えます。考えるよりは、触ってみるとよいです。

何もわからない中で触るとすぐに嫌になってしまうかもしれませんが、弊社ではなくてもいいので、ちゃんと使っている人に、その場で実演してもらう場をたくさん設けることが大切です。

「自分たちの業務でどこが大変か、生成AIで効率化・解決できるのか?」という視点で考えるのは大変ですが、どういう成功事例があるのか、未解決の事例が何か、既に実践している人に聞きましょう。

弊社でも、うまく使えないと思ったときに、「どう使ってるの?画面見せて」と言って、いろんな領域の活用法を見せてもらって、利用ハードルを下げました。また、経営者やリーダー層の皆様と一緒にワークショップを行い、活用事例を解説しています。

生成AIを今から使うのは、決して「チャレンジャーになりましょう」という意味ではないということです。

他社が実践していて、成果が出ているポイントを参照して、自社の業務にフィットするか考えて、一番業務インパクトが出る業務と紐付けられると、もはやそれは攻めの投資というより、守りの投資と言えるでしょう。

他社が生成AIで生産性を向上させているところで、自社だけ変わらないままでは、差分がついてしまいます。よって、少なくとも最低限、他社の成功事例はどんどん採用すべきです。

知識の民主化を進め、業務負担を解消していく

——「AIロープレ」ならびに生成AIの将来展望について、聞かせてください。

今日の企業においては、いまだ非常に多くのアナログな業務が負担となっています。例えば、アナログの書類、ノウハウの属人化です。

これらは知識の民主化を進めることで解消していくことができます。

「知っていればできること」を増やし、その知識を共有することで、個人の強みがさらに発揮されるようになります。

AIロープレは現在、事前に学習させた内容で練習を行うツールですが、将来的には、営業の現場でうまくいったことを自動で吸い上げて、教材をアップデートできるよう進化させる予定です。

これにより、営業知見の共有と民主化が進み、技術承継や、暗黙知の形式知化が進むと考えています。

また、7月からは孤独孤立支援のための実証実験を始めます。AIが24時間365日、支援を必要としている人々と寄り添うことで、例えば危険な言葉が検出された場合には、有人が介入できるようなシステムです。これはAIと人間のハイブリッド形式の対応が可能です。

これからも、言語化されてこなかった各領域の「匠の技」を科学し、各企業様の本当の強みを伝承できる体制構築を、AIパートナーとして支援してまいります。

生成AIが日々の業務に馴染んでいくことで、さらに大きな業務効果をもたらすことができると確信しています。

展示会「APPS JAPAN」出展

株式会社Sapeetは、2024年6月12日(水)~14日(金)開催の展示会APPS JAPANにも出展しています。

各種AIソリューションのデモをご用意しておりますので、ご都合のあう方はぜひブースにお立ち寄りください。

展示会へのご来場が難しい方は、WEB相談も承っております。
ベテラン人材の匠の技の伝承に課題感をお持ちの方や、そもそも生成AIで何ができるのか知りたいという方も、お気軽にお問い合わせください。

お話を聞いた方

(聞き手、撮影:ロコアシ事業部長 あさい

ロコアシ:AI活用人材にデスクワークを委託!

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