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【突撃!隣のプロンプト!】株式会社KandaQuantum 元木大介さんに聞くビジネスGAIプラットフォーム『CalqWorks』

本記事は、AI人材リモートアシスタント「ロコアシ」による企画記事です。
「共創の基盤を創る」をミッションに、ジェネレーティブAIや量子コンピューターによるDX事業に強みを持つ、株式会社KandaQuantum元木大介@AI社長さんにお話を伺います。(聞き手:ロコアシ事業部長 あさい 撮影:広報 おかけいじゅん
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株式会社KandaQuantumについて

ーーお時間ありがとうございます。株式会社KandaQuantumさまが取り組んでいる事業について教えてください。

株式会社KandaQuantumの元木大介さん

株式会社KandaQuantumは2020年に設立して、2年間で20社以上の各業界の国内最大手企業から数億~数十億円の調達を完了したスタートアップまで、量子コンピューター、AI、クラウド、IoT等最先端技術を支援してきました。

「ビッグデータ x 量子AI」をミッションに、指数関数的に増大するビッグデータを従来より高速処理する量子コンピューターやAI技術を活用した受託サービスとプロダクトを展開しています。

データの収集蓄積・データ分析・AI活用まで一気通貫でお客様に寄り添ったサービスの展開を行い、より良い社会の実現に向け新たな価値を創出していきます。

創業のきっかけは研究者とビジネスの距離の遠さ

ーーありがとうございます。御社の成り立ちについて伺わせてください。

東大の大学院で量子コンピュータに関連する研究をしながら、フリーランスで様々な企業の支援をさせていただいておりました。

フリーランスとしてビジネスをする中で、現実社会へ研究を率先して活用していこういう人がなかなかいない。ビジネスサイドの皆さんも、研究者をどう扱えばいいのかわからない。そういった距離の遠さが見えてきました。

研究者とビジネスサイドを繋ぐ存在として事業を立てるべきだと考えたのが創業のきっかけです。

AI系でいうと、東大の松尾研究室さんの出身の方も多いのですが、量子コンピューターなどの領域になると、ちょっと物理学に寄ってしまって、なおのことビジネスに行く人が少ないです。

なので、私が率先してビジネスの方に動いていけるというポイントもありました。

量子コンピューターとビジネス

とはいえ量子コンピューター自体がめちゃくちゃ今賑わってるかっていうと、そうではなくて。

一時期市場は結構盛り上がったんですけど、まだ多くの課題があって、なかなか次の展開が見えづらいという段階でした。

量子コンピューターはとても強力で、普通のスーパーコンピューターの数億枚の速度が出たりするんです。だけど、そんな数億倍の速度で分析するようなデータを企業は持っていません。担当者のパソコンの中で保存できているデータや、いち企業の人材データくらいの規模感だと量子コンピューターで分析してもあまり意味がないのです。

例えるなら「スライムを倒すのに、とてつもなく大きなロケットランチャーを打つ」みたいな。オーバーキル過ぎて必要性がない、という状況だったんです。

それが、最近のジェネレーティブAI(生成AI)でようやく変わりつつあります。ジェネレーティブAIが多くの人に使われていくことで、これまでにない速度と量でデータが作られ、データ量が爆発しようとしている。

やっとスライムが倒しがいのあるモンスターになってきた、やっと量子コンピューターを使うシチュエーションが出てきたので、量子技術も含めた上でのプロダクトを作っている状況です。

難解な量子コンピューターの話をわかりやすくRPGで例えてくれる元木さん

CalqWorks誕生までの経緯

ーー主要6言語対応のビジネス向けAIツールを多数包括するビジネス統合GAIプラットフォーム「CalqWorks」誕生までの経緯を教えてください。

CalqWorksをリリースしたのは今年2月で、現在は20プロダクトほどのAIプロダクト群になっています。

CalqWorksのランディングページ:https://calqworks.studio.site/

一番最初にリリースしたのはCalqTalkという議事録アプリケーションでした。ChatGPTの技術を使ったものは、当時世界的にほとんどなかった状態です。

それまでも様々なツールで効率化されていた議事録作成や文字起こしですが、議事録作成や文字起こしそのものが本質ではなく、「定型化された議事録作成」と「次に何を行うべきかを知りたい」というニーズが存在していました。もっと言うと、私が課題だと思っていました。

ここを整理して出力できるところが話題となり、1,000社ほどお問い合わせをいただく形になりました。多様な業種、業界からお問い合わせをいただき、大手企業の方々にも知っていただけました。

これがきっかけとなり、私自身をペルソナとして、各種プロダクトを開発し始めました。

「CalqWorks」の特徴

ーー「CalqWorks」について、さらに詳しく聞かせてください。

Calcworksマイページ。多数のプロダクトが利用可能。

たくさんのプロダクトがありますが、やはりリアルタイム議事録は我々の特徴の一つですね。

最近ではワークフロー作成もリリースしました。たとえば人事フローを考える際、誰が何を担当するかを定義するツールです。求人作成、スライド作成、人材検索、履歴書作成、これらを誰がどのタイミングで行うべきか、AIが提案します。

ワークフロー作成機能

スライド作成に関しても、ゼロから20枚作ると一日かかる作業を、初稿作成レベルでは10分で終えることができます。

また、CalqWorksのプラットフォーム上で発注先を探索できるプロダクトもリリースしました。

発注先提案AI、CalqSearch(カルクサーチ)もCalqWorksマイページから利用可能

ーーご自身がペルソナで、2月にスタートされたということは、今後もどんどん新しいプロダクトがリリースされていくのですね。

はい、これからも私の課題解決のために、新しいプロジェクトが増えていくことになります。実際に自分で使ってみても、圧倒的に業務が効率化ができました。

イメージしているのは「自動車」

ーーCalqWorksのプロダクト開発において、元木さんが特に重視されているポイントは何ですか?

例えるなら、自動車をイメージしています。「自動車」とは、どんな環境でも移動できるという意味です。これまでは、スケボーはある、自転車はある、でも雨が降った時の快適さをキープしながら移動できるか?という状態でした。人事特化のツールは、営業支援までは手が回らない、といったように「自動車のように、あらゆる環境で利用できるプロダクト」はなかった。

CalcWorksは主にフリーランスや小規模事業者向けなので、軽自動車をイメージしています。

ジェネラリスト向けとエンタープライズの両面を志向

ーーCalqWorksをどのようなお客様に使って欲しいですか?

2つの想定をしています。一つ目は「私自身がペルソナ」だと言ったように、多岐にわたるノンコア業務をこなさなければならない人々です。特に、フリーランスやベンチャー、中小企業の方々が、日々のノンコア業務をこなすだけでなく、人との交流やクリエイティブな活動に時間を割きたいと考えているはずです。そうした人々を支援できればと思います。

もう一つは、大手企業との協業です。これは研究開発や受託開発といった形で行われます。最近ネスレさんと実証実験を開始しました。大手企業では、特定の業務、例えば人事系のレジュメ作成や求人票作成を非常に深堀りしていきたいという需要があります。

エンタープライズの方々がジェネレーティブAIに詳しいとは限らないので、我々のプロダクトを使ってみて、体験していただいてます。

ジェネラリスト向けのプロダクトが多いので、スペシャリスト向けのプロダクトはパートナー企業との連携を通じて提供する予定です。例えば、スライドはイルシルさんと提携しています。

スライド生成AIも利用可能なCalqWorks

ーーノンコア業務の削減は当社もミッションとするところです。ありとあらゆる方がコア業務に集中できる世の中を実現したいですよね。

はい。業務効率化とは、無駄な業務を減らし、創造的な時間を増やすことが主な目標で、言ってみれば「やりたくない仕事をゼロにしよう」というシンプルなものです。

一方、コア業務、クリエイティブな業務は、ChatGPTでどんなに効率化されても、例えば「自分が納得するイラスト」だったり「一文字の違いが大きな差になる文章」は、きっと一日中取り組めるものです。

それ以外のノンコア業務を無くしていくことで、コア業務に集中できるようにすることが、私の中核にあるモチベーションですね。

1万人が集結したIVS京都での生成AIピッチでは審査員賞を受賞

「ChatGPT」が日々の業務遂行すべてを網羅する訳ではない

ーーChatGPT活用における課題や難しさを感じるところがあれば、教えてください。

いろいろと課題はありますね。皆さんのChatGPTに対する期待値は非常に高いと思います。しかし、ChatGPTというAIだけでは、日々の業務遂行をすべて網羅することはできません。これが課題だと思います。「その点を補うプロダクトを作りたい!」というのもモチベーションかもしれません。

ChatGPTを使うと、大体70%から80%くらいの作業は速くなるんですよね。例えば、ChatGPTはプログラムを書いてくれます。7割程度はプログラムができるんですが、それを精査し、品質を高めるところは、まだ膨大な時間と費用がかかるなという印象を持っています。

GPT4は「Googleのすごいエンジニア」クラスの能力があると言われていますが、自社のフロントエンドエンジニアに仕事を振った方が、やはり早く終わります。

結局のところ、ChatGPTは専門知識を持つ人たちが最も有効に活用できるツールで、知識がない状態で使っても十分な効果は得られないと思います。

CalqWorksはChatGPTへの適切な指示と適切な出力を支援するツールなので、ぜひ活用していただきたいですね。

CalqWorksが目指しているもの

ーーCalqWorksの将来展望について、聞かせてください。

フリーランスや小規模事業者、ひとり法人が増えてきていますが、予算が限られている中で、無理ゲーに近い大量の仕事を処理する必要があります。

タスクごとのAIプロダクトを複数使えて、企業活動の課題全般を横串で解決できる、さまざまな機能を持つツールを作ることがCalqWorksの当初からののコンセプトでした。

皆さんが処理しなければならない大量の仕事を支援し、創造的な仕事ができるような環境を作ること、そして利用者がお互いに受発注できる基盤となること。これらがCalqWorksの大きな目標です。

さらに、これまで触れてきた構想の一つが、Web3といった話題とも関連しています。大量のデータを扱う会社が多くなると、人間だけの管理は困難になります。そこで、量子コンピュータを使った大量データの管理を行うといった実証実験を進めています。

AIの進化により、プロダクト開発は圧倒的に楽になりました。今までにない取り組みだと思うのですが、ユーザーさんも私たちの取り組みについてきてくれています。特に、一部のユーザーが頻繁に利用してくれているのが非常に重要です。弊社の三倍くらい使ってくれているユーザーさんもいます。

今は、誰にでも刺さるものを作るというより、コアなユーザーさんにめちゃくちゃ使ってもらって、ニーズを汲み取り、完成形に近づけていく段階だと考えています。

理想とする状態は、私たちが話す間にAIがスライドやレポートを作成し、ミーティングのセッティングを行うなどの更なる自動化、省力化です。まだAIの能力はそこまで達していないので、原型となる個別タスクを業務効率化するツールを作ってきました。

最終的には、私たちがこうしてお話しするだけで色々な業務が動く「議事録を起点に、今存在する20のツールが自動で走り出す状態」を目指しています。

ありがとうございました

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お話を聞いた方

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