見出し画像

【ウェビナー書き起こし】ChatGPT活用で業務依頼を2倍効率化:セッション「ChatGPTを活用した業務効率化、最新活用事例と自社情報の活用方法について」

こんにちは、ロコアシ運営事務局です!ロコアシは秘書、事務、経理業務、議事録作成、翻訳等を始めとしたデスクワークをオンラインで簡単に依頼できる、AI人材アシスタントサービスです。AI活用研修を20時間受講済みの専属ディレクター率いるAI人材チームが、御社の課題を解決いたします。
サービスサイトはこちら

本記事は、2023/5/24 12:00~13:00に開催した中小企業向け無料講座「ChatGPT活用で業務依頼を2倍効率化」 のうち〜 ChatGPTを活用した業務効率化, 最新活用事例と自社情報の活用方法について~ のセッション書き起こし記事になります。

スピーカー

・森 一弥(もり かずや)氏
アステリア(旧インフォテリア)株式会社 エバンジェリスト。2012年よりインフォテリア勤務。2017年3月までは主力製品「ASTERIA WARP」のシニアプロダクトマネージャーとしてデータ連携製品の普及に務め、特に新技術との連携に力を入れる。その後ブロックチェーン技術推進の一環として実証実験やコンサルティングなどを実施。ブロックチェーンを活用した株主投票では特許を取得。直近ではAIやIoTなどを含めた最新技術の普及啓発を行っている。

セッション内容

ASTERIA株式会社でエバンジェリストを務めている、森一弥と申します。元はソフトウェアの会社で、ブロックチェーンのエバンジェリスト的な役割を担い、特許を取得していました。エバンジェリストは通常、外向きに技術や製品を語る人ですが、私はプログラミングも手掛け、その経験を元に皆様へ伝えています。最近は、ChatGPTのトレンドを含めたAIやIoTについて話す機会が増えています。また、ブロックチェーンを手掛け、ITメディアからAIについて取材を受けるなどしています。

ASTERIAは1998年創業のソフトウェアメーカーで、「ノーコード」や「繋ぐ」などをキーワードに製品を展開しています。製品の中にはASTERIA Warpという、多くのシステムと連携可能な製品や、コンテンツ配信を行うハンドブック、モバイルアプリを作成可能なPlatio、IoTのプラットフォームGravioが含まれています。

また、ASTERIAがAIについて話題にする理由は、ASTERIA ARTという子会社を設立しているためです。ASTERIA ART社長の園田は早稲田の教授で、AIの研究を行っています。現在はAIとロボティクスの経営、研究開発に従事しており、その技術を製品にフィードバックしたり、最新の情報を皆様に提供しています。

ChatGPTとは何か?

では、今日の本題に移りますが、ChatGPTとは何かというお話です。既にこのようなセミナーに参加しているということは、多くの方がすでに理解しているかと思いますが、共通の理解を深めるために再度説明します。

まずChatGPTは、自然言語処理のAIによるチャットです。最初に名前だけを聞いて一瞥した方は、英語しか使えないと思っている方もいるかもしれませんが、実際には日本語にも対応したAIチャットサービスです。

開発元はオープンAIという組織です。イーロン・マスク氏が創業に関与し、マイクロソフトが複数回投資したAI研究機関です。「オープンAIは会社か?」、「非営利団体か?」という記事を見たことがある方もいるかもしれません。実際には研究機関として始まり、その後企業化しています。

現在のところ、ChatGPTは誰でも無料で利用できます。ただし、公式には無料のプレビュー期間という形です。有料で利用すると、新しいバージョンを使ったり、プラグインを利用したりできます。具体的な状況は来月にならないとわからないかもしれませんが、現在は無料で利用できます。

ジェネレーティブAIの利用意識

皆さんがどのように使用しているかは興味深い問題です。保守的、あるいはまだ様子見の企業が多いかもしれません。少し古い情報ではありますが、「積極的に利用する」と宣言している企業、逆に「利用しない」としている企業などの情報を集めました。

「社内でアイデア創出に利用できます」とか、「自社の環境を整えました」とか、「アイデアに対する表彰制度を開始します」と表明している企業も多くあります。一方、最初に目立ったのはイタリアで、EUの一般データ保護規則違反の疑いで一時停止しました。しかし、ChatGPTにデータを学習させるかどうかを選べるスイッチが追加されたり、他の対応が行われたことにより、現在は解除されています。

また、鳥取県では県の業務での使用を禁止し、ある国内大手の通信会社は「基本的に禁止で、社内での利用申請がある場合のみ検討します」と述べています。

確かにリスクもある

自社の情報をChatGPTや他のジェネレーティブAIに投げることで、機密情報が漏れる可能性があるという懸念があります。初めて発表されたときに、「大手電機メーカーで3件の情報漏洩が発生した」という報道がありました。

また、倫理的な問題や虚偽情報が含まれているという問題もあります。特に外部に公開するものは、「ジェネレーティブAIで作ったものを精査せずに公開するのではなく、人がチェックする必要がある」というのが現状です。

著作権やプライバシーの侵害といった問題が存在します。学習データの取得元や各国のスタンスについても議論があります。更に、「プロンプト インジェクション」というリスクも存在します。

ChatGPTのようなシステムを社外に公開すると、質問内容から社内の情報が漏洩したり、システムの内部が露わになるといった懸念があります。それに対する対策が検討されています。

ChatGPTについては、APIの利用における情報漏洩に関しては、学習には利用しないという宣言が出されているほか、各アカウントの情報を学習に使用しないという申請も可能です。

最近では、学習に利用する情報の選択が可能になっています。倫理の欠如や著作権、プライバシー侵害については、社外に公開するものを作成する際には注意が必要です。

公開する際には適切な審査を行うべきであり、それに関する対策が必要とされています。プロンプト インジェクションについては、対策が進んでおり、それを使用して開発することが求められています。

活用事例

多くの活用事例が存在しており、最近では社内アシスタントボットの開発例が見られました。経費精算や各種申請申請方法などを自動的に回答するbotが作られています。

具体的には、APIを用いてエンベッディングやファインチューニングという仕組みを使い、自社のデータを用いた回答が可能なシステムが開発されています。

二つ目の実用例としては、ChatGPTを利用した英会話の練習です。Chromeのオプションを追加することで、話す側も聞く側も音声で行うことが可能です。回答の音声速度が速い場合は調整することも可能で、話題を自分の好みに合わせることも可能です。言語学習における可能性があると考えています。英語だけでなく、様々な言語に対応できる点も魅力的です。

三つ目の例は、ネットで見つけた非常に興味深いもので、プロンプトエンジニアリングというテクニックを紹介します。質問欄に様々なルールを記述することで、ゲームのような体験を提供する事例があります。一例として、シミュレーションゲームの要素を実現した例が存在します。ChatGPTを用いて地図画面を作成したり、質問内容を参考にするなど、参考になる情報がすでに公開されています。

自社データの活用

私が予想する皆さんが最も興味を持つ部分は、自社のデータの活用でしょう。その方法を紹介します。自社のデータを利用するためには、考えられる手法が3つあります。

1つ目が、ファインチューニングです。AIのモデルは、OpenAIが用意しています。そこに自社のデータを追加して、AIの学習を行う方法です。APIは、OpenAIから提供されています。それを基にして自社データを読み込ませて学習させる方法です。

2つ目は参考文献を使ったプロンプトエンジニアリングです。別途用意する必要がありますが、関連文書のデータベースを作ります。来ている質問に関連する情報をデータベースからピックアップして、それを踏まえた上で回答する方法です。

3つ目はプラグインも開発や利用の可能性です。ChatGPTから新しいプラグイン機能が70~80個ほど出ています。開発方法も公開されていますので、今後新しいプラグインが出てくると思います。その中で、自分のデータを取り扱うものがあるかもしれません。

本日は参考文献を使ったプロンプトエンジニアリングの方法について紹介します。まずデータベースとなるベクターストアを準備し、そこに読み込む内容を用意するのが手順の一つ目です。

社内のドキュメントや学習して欲しいデータを読み込みます。ただし、ChatGPTは大量の情報を一度に処理できないため、情報は細切れにして読み込ませます。これを実現するためのドキュメントローダーと呼ばれるツールがあり、ワードやエクセルなどのOffice文書、PDF、CSVなども読み取ることができます。

そのテキスト情報を細切れにしてから、オープンAIのAPIでベクトル形式に変換します。ベクトル形式とは、配列みたいなもので、OpenAIでは1,536次元のベクターデータが使用されます。

この文章をベクトルデータに変換する処理をエンベッディングと呼びます。この用語はよく見かけるものなので、覚えておくと良いでしょう。

保存してある独自データを用いて、利用者からの質問に対応します。まず、質問内容をエンベッティングのAPIで配列の情報に変換します。その配列の情報、つまりベクターデータをベクターストアに問い合わせると、似たような保存されているデータを取ってくることができます。

取得した関連データを踏まえて、ChatGPTに問い合わせます。たとえば、「あなたは、社内業務に関連するオペレーターです。以下の関連情報を踏まえた上で質問に回答してください。」という形で問い合わせると、社内情報を踏まえた上の回答が得られます。これにより社内情報の活用が可能です。

このような流れをどう作るかというと、LangChain(ラングチェーン)というフレームワークが一つの例です。これはオープンAIにより公開され、大規模言語モデルを扱うためのフレームワークで、ChatGPT以外のものにも対応しています。また、様々な形式のドキュメントローダーやベクターストアに対応しています。

プログラムに少しでも慣れている方は、このフレームワークを調べてみる価値があります。少しわかれば、数時間で社内データを利用して回答させてみることが可能です。

私もこれでやってみて、社内の情報を含めて回答が得られたので、試してみていただくと良いと思います。ChatGPTの業務への応用例として、社内の情報を使わず、そのまま使えます。

例えば、文章を要約してくださいとか、翻訳してくださいというものも、質問の欄に文章を貼り付ければ、可能です。また、文章の雛形を作成したり、記事や契約書の雛形を作成することもできます。

さらに、プログラム自体を作成するという試みもされています。プログラムで専用で動作するようなChatGPTの派生のようなものもありますが、ChatGPT自体でも可能です。

また、文書やプログラムにミスがないかを調べる、校正の仕事もできます。これらは便利な道具として捉えていただければ、いろんな活用法が出てくると思います。

APIを使うとさらに活用できます。サポート支援業務のように、社内情報を使って、ボットを作成したり、時間を短縮したり、質問が集中する人への負担軽減にも使えると思います。

また、帳票作成にも使えます。月次レポートの作成や、分類表の作成にも利用できます。自社サイトやアプリの支援にも利用できます。

また、アンケートやSNSの分析も、プロンプトの質問の仕方次第で可能です。業務に関わる仕組みについて、より詳しく取り込んであげれば、効率的に使っていただけると思います。

プラグイン機能が使えるようになったり、ネット上の情報も取得できるようになったという点もあるので、その不安点、機能不足なども、順次解決されています。そのため、自分で使っていただければと思います。

現在、不安に思っていることもすぐに解決していくスピード感で動いていますので、ぜひ使ってみてください。まとめると、まずはご自身で使ってみることをおすすめします。

特に自社利用とか考えずにも、そのまま使ってみるだけでも十分便利です。更新も早いので、何か本や雑誌で勉強しようというよりは、ネットで最新情報をチェックしていただくと良いと思います。

本・雑誌に慣れている方もいらっしゃるかもしれませんが、出版されるまでに情報が更新されるスピード感で動いていますので、ネットで調べてください。また、ネットの記事がいつ書かれたものかを気にすると良いと思います。

可能性を感じていただければ、独自データの活用などもあります。今日ご紹介した活用方法も、すぐに古くなる可能性もあります。

しかし、情報収集やいろんな工夫を早めにやっていただければと思っております。今日ご紹介した内容や、社内向けのセミナー、自社データの活用のアドバイスなどもしておりますので、ご興味があればご連絡いただければと思います。

以上、ASTERIAの森からのセッションでした。ありがとうございました。

※ウェビナー後半「ChatGPTを活用した効率的な業務依頼の進め方」書き起こし記事はこちらから

業務を外部委託するならロコアシのAI人材に

今回の記事はAI人材によるリモートアシスタント「ロコアシ」のスタッフがAI文字起こしツール「Notta」を活用して作成いたしました。
お問い合わせは以下のリンクから


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?