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冥想と夢見(16)

冥想と夢見(16)

2022年8月29日から書き始める。

岩戸開き時期は国によって違うのでは

ナチュラルスピリットの「岩戸開き」という雑誌に連載原稿を書く締め切りが、来月9月8日なのだが、だいたい雑誌原稿は、締め切りの当日に書く。なので何を書くかはその時考えるということになるのだが、岩戸開きに関しては、当日考えようというふうになりにくいのは、いまだに岩戸開きの意味がわかっていないからだ。なので、アイデアだけ先に考えておこうと思うので、ならば、ここであれこれと書いてみてもいいのではないかと思う。
 コトバンクでは、天の岩屋の神話で、天照大神がこもった岩屋の戸を手力男命が開いたこと。転じて、新しい世のはじまりと書かれており、この岩戸の前では、アメノウズメが舞ったとも書かれている。天照大神は、太陽神で、これがこもったら、太陽の光がささない世界になるのだろうか。
 わたしが岩戸開きの意味がわからないと言っているのは、このように説明されている文書を読めばわかるというわけではなく、おそらくいろんな意味があるので、このうち、どれにあたるのかがわからないということなのだ。つまり雑誌を創刊した人の頭の中にある岩戸開きのイメージは、どれにあたるのか本人に聞いたことがない。編集者にそれを聞いても、たぶん、知らないというはずなのだ。

いままで暗闇だったところに、太陽の光がさす、というのは時代の切り替わりをあらわすと思うので、ユダヤ終末論のような終末論に関係するのではと、この冥想と夢見シリーズなどで、何度か書いた。ユダヤ終末論は、世の終わりに、メシアがあらわれて、新しい時代を作るというもので、イエス・キリストがそれにあたると思われている。シュタイナーの考えでは、物質に埋没する第四ギリシャローマ文化期から、霊に目覚める第五ゲルマン文化期への転換点として出現したのがイエス・キリストだ。この後アトランティスの7つの文化期においての時代区分と、イエスが出現した時期は嚙み合ってはいないが、イエスの影響はイエスが生きていた時代、あるいはゴルゴダの時というわけではなく、その後、数百年とか、千年とか、時間をかけて、徐々に効果をあらわしてくると思えばいい。
 メシアは、その民族の中からあらわれて、よそから来るわけではない。つまり終末論、時代の切り替えという周期を考慮に入れた考え方は、ひとつの民族の中で有効であり、ほかの民族ではまた違う周期論があるのではないか。その点では、「岩戸開き」という名前からして、これは日本民族にのみ有効であり、アメリカとか中国とか、チベットとかインドには関係がないと考えてもいい。日本は世界の雛形であるという考えの人だとそうは思わないだろうが、わたしから見ると、岩戸開きは、かなりローカルな話だと感じる。太陽神も日本の太陽神であり、ほかの国の太陽神ではない。

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