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「20XX年には、’株式会社山本家’を!」LU創立者の山本さんの姿勢から学ぶ、"人が集まる人"の生き方。

新人広報が、「このひとがすごい」と思ったひとにインタビューして魅力を聞き出すシリーズ「新人広報の社会勉強シリーズ」第一弾。
年齢を感じさせないパワーと魅力はどこから生まれてくるのか?
株式会社LockUPの会長でもあり、株式会社ノクチ基地の代表をつとめる、山本美賢さんにインタビューをしてみました。

成長し続ける力、クリエイティブへのエネルギー、業界への誠実さ。
何もないところから自分の道を切り開き、その先のワクワクを求めて進み続ける姿勢。
この人のところには、自然に人が集まってくるーそう思わせる山本さんの生き方とこれからの野望を、ノクチ基地の変遷とともに語っていただきました。

【山本美賢さんプロフィール】
LockUPの立ち上げを行い、2018年に、溝の口をベースに活動するクリエイター集団、ノクチ基地を設立。同会社は、2021年7月2日で三周年を迎えた。
最近メンバーと出張中のお店や移動中に妄想するのは
・「仕事以外にアートやクリエイティブを生み出すコト」
・「創作活動や発信のための第二拠点」
・「景色よく食べ物美味しいところへ合宿」(Facebook調べ)。

ノクチ基地の始まり

制作に恩返しを。地元川崎で仕事を始めた理由

今の自分があるのは、制作のおかげーそう語る山本さん。
地元の川崎で仕事を始めたきっかけは、
震災の年である2011年に、石巻での人との出会いから。
被災地出身、在住の若者が持てるスキルや熱量で街を変えて行く様子を目の当たりにして
ローカルの価値に触れたことだったといいます。

田園都市線と南武線に挟まれた土地である川崎は、150万人と人口も多く、文化人も多いため、競争も激しいように思われました。
しかし当時は、地域に特化した制作会社がほぼない状態であることが分かり、
ここでなら市場としての可能性もあり、自分のやりたかったことー制作への恩返しができるのではないかと感じ、「ノクチ基地」としての仕事を始められた、ということでした。

山本さん「地元にある地域課題ー災害、福祉、魅力度アップに、制作の力で貢献して、解決していく。そういうことが制作への恩返しになるかな、と。」そうして出来たのがノクチ基地でした。

とにかく動く、何でもやる。HPの作成からPTA会長就任まで、知ってもらうことに集中した2年間

「地元にクリエイティブ集団を作ると決めてからは、子育て世代から高齢者までどんな課題があるか、を知るためにとことん動いた」という山本さんは、
民生委員とPTA会長、マンション理事をなんとほぼ同時期に務めたそうです。
特に大規模集合住宅は「小さな街」。築年数、世帯数でそれぞれ特徴があり
課題解決のために連携を働きかけるなど奔走しました。

そんな中、SUUMOから取材を受けたことをきっかけに、タウンニュースや東京新聞神奈川版に取材を受け始め、徐々に顔が知られるようになっていきました。
それがきっかけでマンション・ラボやmajor7などのマンション系ポータルサイト運用の声もかかり、現在のお仕事に繋がっていったといいます。

タウンニュース

コラム こんなことも聞いてみた①
●常に動いてらっしゃるイメージですが、そのエネルギーはどこからくるのでしょうか?
山本さん「忙しいのは嫌いだけど、退屈はもっと嫌いなんですよ。
肉体的にただ忙しいだけで、気持ちが満たされていないのは嫌。
携わったことは意地でも形にしないと悔しい。」

メンバー集めに7年!会社の立ち上げ、沿線に住むクリエイターへラブコール

ここまでで、ノクチ基地ができるまでの流れを伺ってきました。
次に、メンバーがどのように集まっていったのか、その結果としてできたお仕事について伺ってみました。

山本さんは、川崎で活動すると決めてからのメンバー集めを、なんと7年かけて行ってきたといいます。
「いきなり一気に集めるとハレーションも起きるのでじっくり進めよう。60までにできればいい。」という、長期を見据えた考えのもと、
仕事を通してフィーリングの合った、沿線のクリエイターに声をかけ続けていきました。

声をかけたのは、PTAの後輩のWEBマーケター、川崎のプロレス団体の道場開きで出会ったビデオグラファーなど、山本さんが「面白そう」「一緒に仕事をしたい!」と感じた、個性豊かな人達。
誠意をもって一人一人に声をかけていくスタイルは、山本さん曰く、
「地道にラブレターを送っていくようなやり方」だったといいます。

コラム こんなことも聞いてみた②
●人を巻き込む、と言っても、どうすればいいんだろう…と思ってしまいます。山本さんが意識していることを教えてください。
「誠意しかないよね。一緒に仕事したい人に、ひたすらラブコールをすることだけやってきました。
若いころは下見クンと呼ばれていたくらい、デートや女の子と遊びに行くときは、前もって準備をしたり、熱量を持って時間をかけていました(笑)」
「自分に時間がないからこそ、そこまでやる。"確率をひたすら上げていく"ことが重要だと思っています。」

実績の紹介、最近の仕事についてー軸にしている内容

メンバーを集めることで輪が広がり、福祉、教育、農業、防災減災、地域貢献などを中心とした、当初の目的である「地元に制作の力で貢献していける」仕事を手掛けられるようになった山本さん。
実績をたくさん教えていただきましたので、いくつかPUしてご紹介させていただきます。

●マルイ溝の口のフードホール「HARA8(はらっぱ)」のトータルクリエイティブ 2021

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詳しい実績→マルイファミリー溝口のフードホール「HARA8(はらっぱ)」(ノクチ基地サイト)
マルイ溝の口の2Fをすべてフードコートにする、という計画で誕生した、フードホール「HARA8」。
ノクチ基地は、広告から販促物、ロゴデザインまで、制作をトータルで担当しました。

ポスター、柱巻き、リーフレット等の販促物、折込チラシ、南武線中づり広告、サイネージ映像など、非常に幅の広い制作物を高いクオリティで仕上げる仕事は圧巻でした。

●武蔵小杉東急スクエア 8周年ビジュアルデザイン

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東急スクエアの入り口の装飾や販促ツールの作成を手掛けました。
8周年と掛けて、「みつばち」や「拍手」をテーマに制作を行い、
川崎の養蜂家と洋菓子屋さんに声をかけ、なんと販促ツールとして、クッキーまで作ったのだとといいます。
9周年、10周年もぜひ、という方向で進んでいるそうなので、来年はどのようなテーマになるのかにも注目していきたいところです。

●公益財団法人かわさき市民しきんのクラウドファンディングサイト「かわファン」構築

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川崎のクラウドファンディングサイト→かわファン
「公益財団法人で街の課題を解決するため、市民から持ち込まれるプロジェクトに対して、より効果的に資金があつまる仕組みが欲しい」という要望があり、
ノクチ基地はクラウドファンディング形式の提案とサイトの構築を行いました。
その結果、紙媒体での寄付中心で数十万円が集まっていたところから、なんと半年で350万円が集まるようになりました。

Link:「かわファンプロジェクト発表会LIVE配信」
川崎市専用クラウドファンディングサービス
プロジェクト発表会LIVE配信(2020/6)

ノクチ基地で実現したいこと

会社の実績と個人の行動ー2つの軸で考える、山本さんのこれからの野望

長い時間をかけて、信頼できるメンバーを集め、目標を達成し続けている山本さん。
これからの展望はどのようなものかについても語っていただきました。

夢実現ロードマップ(山本)

家族、生活、自分の会社や安定、健康をベースとして、
個人では、チームや地方と連携を深めつつQuality of life(クオリティ オブ ライフ)を向上していくこと。
会社では、公共と連携して社会的責任を果たすこと。
2つの軸で考えているといいます。
その先では、市民がやりたいことを、行政に頼らず/行政と一緒になってできるような仕組み作りに積み上げていきたい、と考えているそうです。

また、その過程で気を付けたい重要なポイントがあるとも教えていただきました。
「"ズブズブライン"に気を付けて、自分も周囲も次のステージへ進んでいくのが大事」
ーつまり、「いつも通りこの人にお願いしよう」を徐々に卒業していって、スタートアップの予算が若い人に行きわたるように、席を空けていくことが重要だといいます。
そのうえで、インターンの定着、副業の人の支援、コロナの影響ある業界や地元、地方へできることをやっていきたい。
そうして地元を発展させつつ成長すれば、自分の人生も充実させることができるかな、と考えている、ということでした。

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コラム こんなことも聞いてみた③
●ノクチ基地をやっていて大変なことや、お悩みなどはありますか?
「悩みというほどではないですが、街のステイクホルダーや企業や行政などと直接コミュニケーションをとって新しいイノベーションを生み出して行く。そんな役割が足りないなと。そこで同じキャリア、世代の多摩川流域で活躍する経験豊富な50代後半のおじさんたちと会社を作りました。→たまがわ50(#俺たちには時間がない が企業理念?)
足りないピースや自分の居場所は自分で作る主義です(笑)」

目標達成のその先へ。20XX年、山本さんがやりたいこと

着実に目標を達成し、周りも自分も幸せにする。
充実した人生について考えさせられる人生計画でした。
最後に、今考えている、山本さん最大の野望について伺いました。

ギャラリーの経営をしながら女性防災チームのリーダー、ライターやロケコーディネーターを仕事とする奥さん、デザインや美大に興味を持ち、すでに実務もやっているという高2の息子さん。
なんと、ゆくゆくはこのメンバーで、「株式会社山本家」の設立を!
と考えているといいます。

プレゼンテーション2


Playstationを買うか、冷蔵庫を買うか?などの、家計のやりくりでよくある家族会議も、
立てた売り上げから株主総会で決めて購入しようと考えている、と、
思わずこちらもワクワクしてしまうような野望を語っていただきました。
山本さんのこれまでやってきた道のりを思うと、遠い話ではなさそうに感じてしまいます。

仕事と個人、2つの軸とベースを融合させた将来像は、
個人の生活と仕事が密着したスタイルで走り続ける、非常に山本さんらしい野望であると感じました。

今回のインタビューで学んだこと

いかがでしたでしょうか。
クリエイターさんへのラブコール、業界への恩返しとしての地域貢献、
何より、常に誰かのために、新しいことに挑戦し、成長し、確実に形にする姿勢。
傍から見ていてワクワクする、ということももちろんありますが、
周りを幸せにし、最後までやり抜く、その武士のような姿勢を見て、
人は集まるのではないかと感じました。

LockUPに関わっていただいた方、何かのご縁でたどり着いていただいた方に届けば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

インタビュー/ 岩崎・山下
文/ 山下

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