見出し画像

緑ウタ構築論 (2023CS優勝)

割引あり

前書き

 お初にお目にかかります、月うさぎ(@MdaTaePraty)と申します。
 今回、2024/2/10に行われた日本一決定戦で、緑ウタを使用して優勝することが出来たためデッキの選択理由、構築のポイントや戦術などを共有させていただこうと思います。

 緑単ウタは5.5弾環境で登場したスタートデッキのリーダーであり、多面展開からの盤面制圧と「私は最強」&「逆光」を利用したライフレースの2つの戦術を柔軟に使い分けることが出来るリーダーです。
 環境デッキの中でもかなり安価に組むことができ、ほとんどの採用カードが「スタートデッキ Side ウタ」に収録されているためカードショップでカードを探すことに慣れていない初心者の方でも使うことが出来るため、無料部分だけでも読んでいただけたら嬉しいです。
 有料部分は中級者~上級者向けの「日本一決定戦」という特殊な環境でのデッキ選択理由や対面ごとのプレイ意識などメインで解説するため、まずは無料部分に目を通していただけると嬉しいです。

※購入してくださる方が多いと今後組んだデッキのnoteを書く励みになりますので、気に入ったらぜひTwitterのフォロー、記事の購入を検討いただけると幸いです。

スペシャルサンクス

ウタ&シャンクスへの愛に溢れた素敵なヘッダーのイラストは「横田」さん(X:@yokotachataro)からいただきました!
ありがとうございます!!

関連情報

※既知の方は読み飛ばして結構です。
過去弾の記事の一部や初心者~中級者向けのプレイング記事に関しては無料公開しており、よかったらそちらも読んでいただけると幸いです。(初心者向け記事はちょっと情報古いので、手が空いたらアップデートします…!)
まだ手探りではありますが、対戦動画を中心としたyoutubeチャンネルも開設したため、そちらも見てくださると嬉しいです

筆者実績: 
- 2023CS 一次予選 エリア予選(神奈川) ベスト32 
- 2023CS 一次予選 決勝大会 ベスト16
- 2023CS 日本一決定戦 予選7位 優勝 
X(Twitter):
@MdaTaePraty
note:
 https://note.com/lockongn006
Youtube:
 



2つの表情+αを持つデッキ

 まず初めに、ワンピースカードには2つの大きな勝ち筋があることをご存じでしょうか?
このゲームの勝利条件は「相手のライフが0の状態でリーダーへのアタックを通す」ことですが、そこに至る道筋は2つあると言えるのです。
その二つとは、「①キャラへの攻撃でリソースを削り切り、小さな打点でリーダーへのアタックが通る状態を作る」ことと、「②リーダーへのアタックを繰り返し、相手の対応が間に合わないうちにライフを削り切る」です。
 「緑単ウタ」はFilmキャラ展開の強さとリソース回復を行えるリーダー効果から一見すると①を重視したデッキに見えますが、「私は最強」の存在のおかげで②のプランも取ることができ、その二つのプランを変幻自在に使い分けることが出来るのが「緑単ウタ」の真の強みと考えています。
 また、今回採用していて決勝戦で活躍を見せることが出来た「8キッド」での制圧がこの二つの勝ち筋に加えた3つ目の大きな勝ち筋となっていて、「緑単ウタ」というデッキの完成度を上げています。
これらのプランの使い分けは対面のデッキごとにざっくりとした指標はありますが、対面の動きに応じて切り替える必要があるのでそのポイントについても後述しようと思います。

Filmキャラ概要

 2弾で登場したFilmの麦わらの一味を始めとして、Filmのキャラは展開効果を持つキャラクターと、展開した後にアタッカーとして優秀なバニラ(効果を持たないキャラのこと)キャラがほとんどです。
つまり、「超強力な登場時効果でアドバンテージを一気に稼ぐ」ような戦術は出来ず、リーダー効果や「ナミ」の効果で増やした手札と、ライフが5枚ある単色リーダーである強みを利用して有利を広げる戦い方が基本となります。
 基本的なプレイの流れとしては、序盤にキャラを展開しつつライフで攻撃を受けて、手札と盤面の両方が潤沢になった状態から殴り合いを有利に進め、相手のプレイに応じて「8キッド」でのロックや「私は最強」でのリーサルを狙うプレイに分岐していくイメージです。

 このデッキのメインエンジンである「ナミ」や専用イベントの「新時代」は確認できる枚数が3枚と少々心許ないものの、「アタッカー」「ブロッカー」「2000カウンター」「リーサル用イベント」と選択肢が非常に多く、プランを分岐させる際にこれらで手札を整えることが出来るのも強みの一つです。

上級キャラの選択肢

 「緑単ウタ」に採用する上級キャラはいくつかの派閥があると認識しており本記事で解説する「8キッド」に加えて、「9ゾロ」「10ドフラ」が挙げられます。
しかし、現カードプール(6.5弾環境)において、「緑単ウタ」を強く使いたいのであれば「8キッド」が最有力候補であると思っており、その理由について簡単に解説します。
 
まず、上級キャラ3種はそれぞれゲームを決めるフィニッシャーとしての役割であり、それぞれの特徴や使いどころに関して表にします。

 まず、「勝ち方」についてですが、「8キッド」と「10ドフラ」は性質が近いと言えます。対して、「9ゾロ」が実現する勝ち筋は「緑単ウタ」が元々得意とする多面展開と性質が近く、後述する出したい状況と合わせて考えると「黄単エネル」や「青単ナミ」などの特殊なデッキ以外に対しては過剰な打点(オーバーキル)になる場合が多いです。
 性質が似ていると先述した「8キッド」と「10ドフラ」の勝ち方の差異として、それぞれ得意なキャラが挙げられます。
コスト制限なく縛れる「10ドフラ」は大型キャラに強く、パワー8000未満の攻撃をシャットアウトする「8キッド」は小型キャラに強いのですが、現環境において大型キャラを処理しやすい「青黒サカズキ」が強力であり、大型キャラよりも小型キャラの展開をするデッキが評価されているため「8キッド」の方が環境的に優位であると言えます。

 次に、「出したい状況」の項について解説を行います。
 「8キッド」は8000未満のアタックをシャットアウト出来る反面、他のカードでのサポートがなければドンをたくさんつけた攻撃や8000での連続攻撃でKOされてしまうリスクがあります。そのため手札のカウンター値を残しつつブロッカーと同時に展開する必要がありますが、ロックが成立してしまえばライフへ攻撃は通らなくなるためライフは残す必要がありません。

 「9ゾロ」が一番難しく、出したターンには何も影響を及ぼさないため実質「1ターンパスをしても耐えられる状況」でなければ出すことが出来ません。詳しくは対面考察にて後述しますが、環境上位の「青黒サカズキ」「黒単モリア」相手で盤面処理を行うのは悪手であるため、環境に合わないと考え不採用です。

 「10ドフラ」は意識外から出したり連続で複数体出す分には強力なのですが、警戒している相手に一枚投げてもあまり戦局を変えることが出来ない点がネックになります。「相手に複数のレストキャラがいる」=「前のターンに複数回殴られている」ということなので、出す方針でゲームを進めるとリソースが少なくなりがちで「10ドフラ」を処理された場合に苦しくなりやすいです。

 「被り」に関してはざっくりと、連打が強い「10ドフラ」以外はカウンター値がないため、あまり複数枚引きたくないです。
ただし、「10ドフラ」も序盤に引きすぎるとライフを守れず出せる状況が限られてしまうので、この点におけるメリット・デメリットは誤差の範疇かなという認識です。

 長くなりましたが、総評として現環境において「緑単ウタ」で採用する上級キャラは「8キッド」が最適であり、デッキ・カードの噛み合いとしても「8キッド」が最善の選択肢だと思います。
 「9ゾロ」や「10ドフラ」が強い環境もあるかとは思うのですが、その場合は「緑単ウタ」のデッキ選択が環境的な最適解ではない可能性が高いです。

デッキレシピ

こちらが日本一決定戦優勝した際に使用したデッキレシピです。

mokeymokey様より

 具体的な採用枚数・採用理由に関しては後述しますが、早期リーサルを狙いやすくしつつ「8キッド」プランでは「3ウタ」の効果で捨てられる「私は最強」が4枚、リーダー効果でカウンター値を確保しやすいため2000カウンターは少なめの10枚というのが特徴だと思っています。

各カード採用理由

リーダー ウタ

 ドンを付与してアタックすると「特徴:Film」限定の1ドローが付いてくるリソース回復に長けたリーダー。
また、非常に優秀な専用イベントカードを複数擁しており、こちらも実質的なリーダー効果の拡張として役立っています。
基本的には「4ブルック」、「7ルフィ」などを使って手札のFilmキャラをどんどん盤面に放出していき、攻撃回数の有利を取っていくことが得意です。
 リーダー効果で手札を増やすことが出来る関係で手札事故にも強く、手札の質が悪い状況からもドンを付けてリーダーでアタックすることである程度立て直すことが可能です。

ここから先は

10,286字 / 1画像

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?