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さようなら「シャンシャン」上野動物園来訪者の動向を人流データで分析

~スマホの位置情報ビッグデータから見たシャンシャンお別れによる人流動向変化~

上野動物園名物ジャイアントパンダのシャンシャン(メス)お別れ日となった最終観覧日の2023年2月19日(日)には、抽選最大70倍となったことが話題となりました。今回は、シャンシャン観覧開始日の1月21日(土)から最終観覧日2月19日(日)および返還日2月21日(火)までの期間にスポットを当て、上野動物園周辺を含む来訪者の人流動向変化を人流分析プラットフォーム「Location AI Platform®(以下、LAP)」を使い分析をいたしました。

■調査概要
ジャイアントパンダ シャンシャン 室内抽選観覧開始から返還までの上野動物園の人流動向調査を実施

■調査対象期間
2023年1月21日(土) ~ 2023年2月21日(火)

■人流分析を行ったエリア
上野動物園 東園 ジャイアントパンダ舎(屋内展示場)を含むエリア全体を分析対象エリアとして調査を行いました。

図1. 上野動物園周辺エリア(黄色のエリアから取得したGPSデータをAIで解析)

■上野動物園 シャンシャン抽選観覧開始~返還日までの来訪数変化

図2. 上野動物園周辺による日ごとの来訪者変化

期間中の対象エリアとなる上野動物園の人流動向は、人流データから休日の来訪者が多いことが分かります。シャンシャンの観覧については前述のとおり1日2,600人上限と決まっていましたが、1月21日(土)の観覧開始日から2月19日(日)の観覧最終日までの期間、上野動物園全体の来訪者数が伸び続けていたことがわかりました。
また、シャンシャンが上野動物園から中国へ向かう返還日の2月21日(火)には、平日にも関わらず別れを惜しみ、多くの方が集まってたことが分析結果から分かりました。

■シャンシャン最終観覧日の来訪者はどの地域から来ていたのか

図3. 来訪者がどこから訪れたかを地図上で見える化

最終観覧日の2月19日(日)の来訪者にスポットを当て、上野動物園への来訪者がどの地域から訪れていたのかを人流データを元に地図上に見える化したのが図3になります。
人流データからこの日は、一都三県を中心に、関東一円から上野動物園を訪れていることがわかりました。

■上野動物園来訪者数の年齢層は?

シャンシャンの抽せん観覧が開始された1月21日(土)~2月12日(日)、2月13日(月) ~ 返還日2月21日(火)までの期間を2つに分け、上野動物園周辺の来訪者の特徴を人流データをもとに調査しました。以下、グラフの左図は性別を現し、右図を年代のグラフに分けて確認いただけます。

1月21日(土)~2月12日(日)来訪者の特徴
前半の期間をデータで見ると、男女比では女性の割合が64.8%と高く、年齢別では70歳代以上の割合が20.7%と最も高い結果となりました。

図4.デモグラ比率:1月21日(土)~2月12日(日)来訪者の特徴

2月13日(月)~2月21日(火)来訪者の特徴
後半の期間も同曜に来訪者の割合は女性が高いことが分かりました。2つの後半期間内での性別・年代を分析データから比較すると、女性比率が65.5%(+0.7%増)、70歳代以上の比率が22.0%(+1.3%)と変化がありました。

図5.デモグラ比率:2月13日(月)~2月21日(火)来訪者の特徴

上野動物園への来訪者の背景を考えてみると、上野動物園に初めてパンダがやってきたのは、今から51年前の1972年(昭和47年)。現在60歳~70歳以上の方々は、当時の第1次パンダブームを経験している世代になります。

返還日を前に、昔懐かしい上野動物園を訪れ、シャンシャンを近くに感じることで、ある種のノスタルジー、今で言うと当時を思い出して「エモさ」を感じたい・・・と言ったところかもしれません。

上記人流データを利用した分析は、ロケーションテックカンパニーのクロスロケーションズが提供す人流データ分析プラットフォーム「Location AI Platform®(LAP)」を利用して分析を行っています。

人流の動向変化は、分析対象のエリアを地図上から自由に登録して、サービスに搭載されている18種類の様々な機能から知りたい情報を選ぶだけでこれまで把握することが難しいとされていたリアルな世界の人出の動きを把握することができます。

今回の記事では機能の一部を利用した簡単な分析を行いましたが、他の機能を使うことで様々な人流分析を行うことが可能です。例えば、すぐに把握したいエリアの人流変化は、前日までの人流をクラウドサービスからいつでも簡単に把握することができます。ほかにも、期間、時間帯、性別・年代などの条件をカスタマイズした分析や結果をデータに落として他のデータと合わせた専門的な活用も可のです。人流データを活用してこのようなイベント時における混雑の時間帯や来訪者の構成比が分かるため、どのような人が、いつ、どこから訪れているのかや他にどうような店舗や施設に訪れているのかまでを把握することができます。

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