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奉仕とは

拙著「前世物語」から・・・

今日も「前世物語」からひとつ症例をご紹介しましょう。
 
   奉仕について
 昔々、日本の涼しいところに、アヤメという女性がいました。彼女は巫女をしていました。毎日、太陽が昇るのを見ながら森の中の洞窟へと向かいました。コラという所です。いつも清々しい気配で満たされている所です。
 そこでは白い服を着た女ばかりが草を叩いてお供え物を作っていました。長老のババさまはちょっと怖い方でした。水といろいろな食べ物を神棚に供えます。そしていつもみんなで祈ります。小さな光がチラチラと行き交いました。
 アヤメの夫は侍です。警察のような仕事をしていて、いつも偉そうに威張っています。でも家では楽しい人でした。名前は木村吉右衛門と言いました。彼は「今の夫」です。彼女は夫のことがとても好きでした。夫と楽しく話をしていると、とても幸せでした。夫の好きなカボチャを炊いて、いつも夫の帰りを心待ちにしていました。
 吉右衛門はよくコラに来てくれました。みんなにいつも楽しい話をしてくれました。アヤメと夫はコラの神様が縁えにしの糸を結んでくれたのです。
 アヤメは六十九歳の時、胸の病気になりました。死の床で彼女は振り返りました。
「死ぬのは悲しくはありません。楽しい人生でした」
 息子と嫁と孫の男の子が看取ってくれています。アヤメは夫のことを思い出しました。
 彼女が四十九歳の時、夫は後ろから刺されて死にました。
「あの時は悲しかったなぁ。何も考えられなくなりました。でも、死んでからも夫がそばにいてくれているのがわかりました。それからは頑張って畑仕事や縫い物をしました。苦しい生活だけど、苦しいとは全然思いませんでした。だってコラの神様がついてくれているし、毎日を感謝していたから乗り越えることが出来ました」
 先生は死んだばかりのアヤメの魂に尋ねました。
「体を離れた時に、何か決心したことはありますか?」
「次も夫と一緒になることと、神様に感謝することです」
「魂となったあなたのまわりに何か存在を感じますか?」
「何かいます。よくがんばったね、って言ってくれています」
 先生はアヤメの魂を高みへと導きました。
「高い所からアヤメさんの人生を見て、何か気がつくことはありますか?」
「もうちょっと頑張れたはずでした。感謝することを忘れないように・・・」
 先生はもっと高みへと導きました。そしてアヤメの人生と、今、生きている人生を見比べてみるように促しました。
「同じような人生です。もっと神様に・・・うまく言葉に出来ません」
 先生はさらに高みへと導きます。
「そこから上はどうなっていますか?」
「青い、丸い中に光があります」
「その光の中に入ります。どんな感じですか?」
「何もかも忘れている感じです」
「その中に誰かいますか?」
「何かがたくさんいる気配がします」
「その光の中心に向かって聞いてください。今のお父さんとの関係は何ですか?」
「愛することです」
「それはどういうことですか?」
「求めるだけではなくて与えるものです。ただ与えるものです。あったかいものです」
「今回の私の人生の目的は何ですか?」
「奉仕と学びと愛です」
「奉仕とは何ですか?」
「人の役に立つことです」
「学びとは何ですか?」
「自分を鍛えるため、自分の魂を鍛えることです」
「人間は何のために生きているのですか?」
「愛するためです」
「なぜ私は何度も生まれ変わってるのですか?」
「まだまだ出来ていないからです。愛することの意味がわかっていません」
「素晴らしい人生を送るためには、どうしたらいいのでしょうか?」
「過ちを犯してもそれに気がついて、そこで変わればいいのです。間違ってもやり直しは効きます。それを繰り返して少しずつ良くなっていくようにすることが大切なのです」
「今回の私の人生はここまで順調ですか?」
「自分が良く知ってるでしょうって」
 先生は今回の人生の目的をクリアーできた、未来の姿を見せてくれるように頼みました。
「おばさんになって誰かと話しています。五十歳くらいです。おだやかでニコニコしています」
「その未来のあなたからアドバイスをもらってください」
「これが修行だよって言っています」
「あなたは奉仕と学びと愛をまっとう出来ているのですか?」
「まだ進行形みたいな感じです。でも、今の私よりはすごい・・・」
「未来のあなたとしっかり握手してください。どんな感じがしますか?」
「あったかい・・・」
「そのエネルギーを分けてください、ってお願いしましょう」
「うなずいています」
「そのエネルギーをどこに感じますか?」
「胸です」
 先生は胸の中に温かいエネルギーをいっぱい吸い込むように言いました。
「あなたも私を応援してくれますか?」
「がんばれ、って言ってくれています」
「私、がんばれるかなぁ?」
「自分次第だよって」
 先生は光に最後のメッセージをもらいました。
「今回の人生でも魂をきれいにすることが一番大切です。そうするようにがんばりなさい。そうしたら奉仕の意味もわかってくるし、何もかもがわかってきますよ」
「そこにいるたくさんの存在にも聞いてください。これからも私を応援してくれますか?」
「みんなニッコリしています。応援してくれています」
「辛い時、またここへ来てもいいですか?」
「いつでも来なさい」


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