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医者の本音

6年前の記事から(門真の奥山医院の最後の年=私が良い子な保険医だった最後の年です)・・・

今の華佗診では、もっと本当のことを心置きなく語れます。

あぁ 幸せだなぁ〜(;^^)ヘ..

おはようさん 2014.8.6.
今日の外来で・・・
数ヶ月前に白内障の手術をしたおじいさんがブツブツ文句を・・・
手術したら良く見えるようになるって言われたのに、全然、良くなってない 云々・・・
「そんなん 手術した眼科の先生に言わんとアカンがな。ここで文句言っててもしゃぁないやろ」
「そんなん よう言わんわっ」
そもそもこの患者さん、当院へは糖尿病と高血圧で通院しています。
糖尿病性網膜症があることが、当の眼科ドクターから知らされています。
「糖尿病 最近 悪くなってたやろう。そやから目ん玉のレンズを入れ替えたって、目の神経が糖尿でダメになってるから、見えやせえへんのやで」
「そんなん、眼科の医者 最初に言ってへんかったし・・・。手術したら良く見えるようになるって言ったんやからな・・・」
実はこのケース 10年前くらいからよく起こるようになりました。
白内障の手術がまだ大病院や大学病院でしか受けられなかった頃は、手術まで1年 2年待ちなんて話がよくありました。
コネで横入りする人が多いので、予約の最後尾の患者さんは何年経っても最後尾のまま なんてジョークもありましたっけ。
白内障の手術は儲かります。
だから、民間病院も個人の眼科クリニックも競って白内障手術をするようになって・・・患者さんの取り合いが激化していきました。
そして、糖尿病性網膜症や黄斑変性症を合併している白内障まで、奪い合うように手術をするようになったのです。
眼科の先生だから、白内障の手術をして、見えるようになるのかダメなのか? は手術前から分かっているはずです。
昔は「私は糖尿病が進んでいるから、白内障の手術をしても見えるようにはならない、と言われました」と肩を落とした患者さんもいましたが、最近は・・・ひとりもいません。
それどころか、「え~~~~! あんたに白内障の手術をするって!」と叫んでしまうことがしばしばあります。
そんな患者さんに限って、手術後、「見えない」とブツブツ文句を言います・・・なぜか私の外来で。
今日はこの患者さんが午前診最後、もう午後1時を過ぎてしまっていて・・・つい口が滑ってしまって本当のことをしゃべってしまいました。
「眼科の先生もノルマがあるのよ。月に何人 白内障の手術をしなさい!ってね。民間病院だけじゃないよ、大学病院だってあるんだから。だからね、眼科の先生は最初から分かっていたと思うよ。あなたの目は良くならないってことを」
「わたしゃぁ ノルマのひとつやったんかぁ・・・」
そんなやりとりをしながら、目のまわりの経穴を調べました。
糖尿病性網膜症は悪血だから、目の経穴に圧痛や邪気があれば、そこに鍼や刺絡や灸をすれば、もしかして・・・と思ったのです。
でも・・・残念ながら、このおじいさんの目の経穴には反応はありませんでした。
「今、押さえてみたところのどこかに反応があれば、何とかなったかもしれへんけどなぁ・・・アカンわ」
「もうええわ、あきらめたわ。新聞を読めんだけやから・・・まだ見えてるからええわ」
白内障 心臓ペースメーカー 透析
外科的手技で「儲かりまっさ」の御三家です。
ほら みなさんのまわりにもいっぱい広告があるでしょう!
それくらい日本では多いのです。
ちなみに内科的に「儲かりまっさ」は 抗ガン剤 免疫抑制剤(リウマチ&皮膚病) 
痴呆薬に抗生物質&鎮痛剤 ・・・かな?
そして、「全然、儲かりましぇ~ん」の筆頭が 外来で東洋医学的に診察&治療すること・・・つまり 私の外来でございます(;^^)ヘ..
3分診療しても30分診ても、心療報酬は同じやもんね。
ブツブツ ブツブツ・・・
ということで、今日のおじいさんは私にブツブツ言い、私は今夜、みなさんにブツブツ言ってしまったわけです。ごめんなさい!
? みなさんは誰にブツブツ言えばええのか?って・・・
しゃぁないなぁ もう一度、私にブツブツを投げ返してもええですよ。
この世は陰陽の循環で。陰は転じて陽となる やから大丈夫やわ。

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