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刺絡の歴史と効能

5年前の記事から・・・

今日は日本刺絡学会に遠征してきました。
中谷塾風に「刺絡」ネタをご紹介しますね。

まず・・・あのレディガガも吸角療法をしている!

エーベルス・パピルス 
紀元前1550年 古代エジプト時代
ここに吸角療法が出ている。ほとんど全ての疾患に吸角療法を施していた。

古代ギリシャ時代
外科医の看板は「吸角とメス」だった。

古代ローマ時代
ガレヌス・・・病巣の近くから大量に瀉血していた。

中世アラビア時代・・・病巣の遠くから少量の瀉血をしていた→マナニ医学として残る。

アシュナーの教科書では、瀉血の効能・・・
頭痛・精神障害・てんかん・脳卒中
緑内障・虹彩炎・白内障・網膜変性
難聴・耳鳴り・めまい
急性扁桃炎・咽頭炎・リンパ節腫大・甲状腺炎
気管支喘息・肺気腫・肺炎
胆石・尿管結石・胃けいれん
更年期障害・老人性疾患(腰痛・関節痛)
四肢の循環障害(静脈瘤・知覚麻痺・しびれ感)
乳腺炎
月経異常
今でも献血するとPMS(月経前症候群)が楽になるという説がある。

蛭療法 Leech therapy
耳鳴り・関節痛に効く。蛭ははがれる時にヒルディン(線溶活性化因子)を注入する=血がサラサラになる。
白い瀉血:カンタリジンを塗布すると、リンパ液だけが出てきて水疱化する。

体内の水分分配
細胞内液18L 毛細血管系6.4L 動脈系1L 静脈系4L 組織液8L リンパ液0.05L
脳髄液系0.1L
毛細血管の入口圧35mmHg 出口圧16mmHg 組織圧26mmHgなので差し引き、
毛細血管から出る方は9mmHgで 20L/日 入る方は10mmHgで17~18L/日
2~3L/日はリンパ系へ 脳脊髄系へは0.5L/日
浮腫には、リンパマッサージよりも、静脈マッサージの方がよく効く。
静脈は低圧で高容量だから鬱滞しやすい=慢性的症状が出る。
静脈弁機能不全=形態的・機能的・自律神経の3つがある。
静脈の神経支配も解剖もまだよくわかっていない。
頭頸部静脈系には弁様のものがある!

皮膚は3Kgもある最大の臓器です=皮静脈系(動脈走行と無関係)
皮膚は2層ある・・・浅層:PAFS  深層:LAFS
後頚部に高頻度で鬱血悪血が認められる患者さんが多い=刺絡すると諸症状が改善する。
軽度認知症状(健忘症)・思考障害・記憶障害・うつ病・自律神経障害・頭痛=頭蓋内静脈系の鬱滞悪血=後頚部刺絡適応。

後頚部の刺絡:
1)刺針としての効果
後頚部には精神安定作用のある奇穴が集中している。
後頚部には陽経が集まっている(醒脳開竅)
・・・脳への気血の流れを良くして精神状態を安定させ、清々しい気分にする。
・・・鬱状態やパニック障害などの精神異常を治す。
・・・頭痛・不眠・不安・背部痛・腰痛・肩関節痛も治す。

2)悪血を排除する効果
椎骨脳静脈系を減圧できる。

今でも華佗診の中で必要に応じて刺絡をしています。

刺絡が出来るのは、医師と鍼灸師だけですよ〜
(吸角=吸玉を謳っている○○サロンも多く見受けられますが、あれは吸うだけ・・・やっぱり刺絡して吸角しなくちゃ効果は・・・です)


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